2014年07月02日08時30分

“一戸建てから高層ビル”へ サムスン新SSD『850 PRO』採用の3D VNANDとは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

 サムスンは韓国ソウルにて『2014 Samsung SSD Global Summit』を開催。新製品『Samsung SSD 850 PRO』でコンシューマー向けSSDとしては世界で初めて採用される、NANDフラッシュの新規格”3D V-NAND“についてのプレゼンテーションが行なわれた。

2014 Samsung SSD Global Summit

 これまでSSDの容量を増やすには、単位面積あたりの集積率を上げる方法が主流だった。半導体上の配線の幅、すなわち“プロセスルール”を微細化することで、メモリーセルの面積を小さくしていた。現在NANDで用いられているプロセスルールは“1x nm世代”が19nm前後で”1y nm世代”が16nm前後、“1z nm世代”が10nm前半だが、微細化が限界に近づくとともに、細かくなることでセル間の干渉し、データが衝突するという問題も起きている。これを解決するためには多くの研究と開発費用が必要となり、コストに見合わなくなるという。

2014 Samsung SSD Global Summit
2014 Samsung SSD Global Summit

 そこでサムスンでは、2013年に24層に積み重なった3D V-NANDを製品化した。2D Planaer(平面) NANDを“一戸建ての住宅”に、3D V(Virtical)-NANDを“高層ビル”に見立て、一戸建て住宅は家を小さくしてたくさん並べるしかなかったが、高層ビルなら敷地面積はそのままに、垂直方向に積み上げることで入居数を増やせる、と解説した。発表会では3D V-NANDは30nm台のプロセスルールを使用していると述べた。これにより、微細化することで起こる干渉が防げ、信頼性が向上するというメリットがある。

2014 Samsung SSD Global Summit
2014 Samsung SSD Global Summit
↑3D V-NANDのウェハーが展示されていた。

 単純に容量が増加することも期待できる。2D Planer NANDでは1チップあたり256Gbitが限界と予測されているが、3D V-NANDであれば、2017年には1Tbitも可能だという。今後、歩留まりが上がり価格が下がっていくことで、旧世代の容量128GB並みの値段で容量256GB、といった製品が実現できる。

2014 Samsung SSD Global Summit

 ベンチマークを掲載した、850 PROの具体的な情報も発表された。

2014 Samsung SSD Global Summit

 前モデルの840 PROから32層の3D V-NANDや『840 EVO』と同じ3コアのMEXコントローラーに変更、最大1GBのDRAMという仕様で、7月21日から出荷が開始される。日本では7月後半から8月後半になるとのこと。
 価格は米ドルで128GB 129.99ドル、256GB 199.99ドル、512GB 399.99ドル、1TB 699.99ドルとなっている。ちなみに、840 PROが発表されたときの価格は256GB 269.99ドル、512GB 599.99ドルだったため、大幅に値下がりしている。

2014 Samsung SSD Global Summit

 性能面では順次書き込み速度は128GBモデルが20%向上したり、すべてのキューデプス(QD)で向上するなど、現状で最速レベルとなっている。ただし、既存のSSDと同様にSATA3接続の限界速度まで達しつつあるため、体感的な速度の向上を感じにくいのは致し方が無いところだ。

2014 Samsung SSD Global Summit

 消費電力について、一般ユーザーの場合、SSDはアイドル時が90%でアクティブ時が10%という使われ方をしているという。これが業務で使用したた場合は、70%:30%になる。アイドル時の消費電力は840 PROの時点でほぼ目標値に達成しており、850 PROでもほぼ変わらない。一方でアクティブ時は最大38%下がっている。

2014 Samsung SSD Global Summit
2014 Samsung SSD Global Summit

 また、スリープ時の消費電力は、840 PROの10mWから850 PROは2mWに下げ、ウルトラブックなどでバッテリー駆動時間を伸ばす仕組みの、インテルの超低電スリープモード“devslp”にも対応した。

2014 Samsung SSD Global Summit

 ユーザーにとってもっとも大きなメリットになるのは、保証期間が10年になったことかもしれない。書き換え可能容量(TBW)が150TBとなり、これは840 PROの73TBの約2倍で、1日あたり40GBの書き込みで10年もつ計算だ。自社での耐久テストでは、830が1000TB、840 PROが3000TBで、850 PROは現在計測中だが、2ヵ月半で1300TBを超えていることを確認しているとのこと。

2014 Samsung SSD Global Summit
2014 Samsung SSD Global Summit

 高速化技術RAPIDモードはバージョンアップされ、キャッシュとして使用するメインメモリー量が1GBから搭載するメインメモリーの25%(8GBなら2GB)使用可能になる。

2014 Samsung SSD Global Summit

 発表会ではデータセンター向けの2モデルも発表した。『845DC EVO』は3bit MLC NANDを採用し、動画配信サイトなど主に読み込み中心の用途向けで、『845DC PRO』は3D V-NANDを採用した、安定して読み書きのパフォーマンスを求められるデータセンターなど向けとしている。

2014 Samsung SSD Global Summit
2014 Samsung SSD Global Summit
2014 Samsung SSD Global Summit

 なお、昨今話題のM.2タイプのコンシューマー向け製品については具体的な発表はなかった。データセンター向けには『SM953』といった製品もある。今後、3D V-NANDを採用し、SATA3以上の速度をもつコンシューマー向けM.2製品が登場することに期待したい。

2014 Samsung SSD Global Summit
↑最大読み込み速度が毎秒1.8GBという、内部PCI-E接続タイプのM.2 SSD『SM953』。
2014 Samsung SSD Global Summit

■ 関連サイト
サムスン
ITGマーケティング

関連記事

あわせて読みたい

follow us in feedly

最新のニュース

アスキーストア人気ランキング

特集

Comic

アクセスランキング

Like Ranking

BEST BUY

みんなが買っている最新アイテムはこれだ!

Fire タブレット 8GB、ブラック

Fire タブレット 8GB、ブラック

Amazon

8,980円〜

54人が購入

Fire TV Stick

Fire TV Stick

Amazon

4,980円〜

41人が購入

Amazon Fire TV

Amazon Fire TV

Amazon

12,980円〜

11人が購入

Amazon.co.jp