2014年05月21日21時30分

本格カメラタブレットやHi-Fiスマホ、泥水没PCもあるロシア展示会レポート

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 ロシア・モスクワで通信関連の展示会『Sviaz Expocomm 2014』が、5月13日~17日の5日間、開催されました。ロシアやCIS(旧ソ連構成国から成る独立国家連合体)をターゲットにしたこの展示会では、スマートフォン関連では有名メーカーの姿はほとんどなく、製造委託を受ける中国メーカーや地元の企業の出展¥多数出展。低価格スマートフォンのほか「え、こんな機能が乗っているのか!」と驚いてしまうような製品がいくつか見られました。

ロシア企業の出展が大半
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 ロシアにもスマートフォンメーカーがいくつかあるので出展を期待していたのですが、残念なことにそれらの参加はゼロ。目立っていたのはインフラやネットワーク関連の出展でした。

そうそう、ロシアの女性は美しい
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 ビジネスと商談の場となる展示会とあって、イベントコンパニオンのお姉さんはあまり見かけなかったのですが、一般企業の受付の女性がどの企業も美人揃いで、それだけでも十分華やかな雰囲気でした。昼食時の会場内のカフェなどは右も左も美女ばかり……ロシアの展示会もなかなかよいものです(笑)。

存在感の高い中国ODMメーカー
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 ロシアのスマートフォンメーカーが参加しなかった理由は簡単です。彼らは自社で製品を開発製造しておらず、ほとんどが中国企業に委託し、自社ブランドを付けてロシアで販売しているからです。そういった理由で、展示会にはOEMやODMの委託を受ける中国メーカーが多数出展していました。

意欲的なスマホやタブレットを開発するメーカーも
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 各OEM/ODMメーカーの売りは、価格の安さや最少注文ロット数の少なさだったりするのですが、その一方で、他社にはない機能やアイディアで勝負するメーカーも。現在は、中国メーカーだからと言って“安いものをつくる”だけが売りじゃないんですね。中でも3nod(関連サイト)メーカーの製品は業界唯一の機能を搭載したものばかり。

世界初のカメラタブレット、いったいどんな製品?
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 3nodの最も特徴的な製品が、この『カメラパッド』。世界初の製品だそうです。

表から見るとただの7インチタブレット
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 タブレットの背面に光学10倍ズームがついていて、タブレットでも本格的な望遠写真を撮影できます。同社の製品番号は『T7006MQ』。自社販売はせずにメーカーからの注文を受けるため、実際に市場に出る際のモデル名は、全く違うものになります。

背面に備わるズームレンズ
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 スペックはCPUがクアッドコア1.2GHz、ディスプレイは7インチHD、RAMは1GBまたは2GBでROMが16GB。5000mAhのバッテリーを内蔵しています。展示品はリファレンスモデルなので本体サイズやデザインは依頼先の企業により変わります。まぁこれだけみると“ちょっと厚めの7インチタブレット”と言った雰囲気です。

 一方背面を見ると、他社のタブレットには絶対にないモジュールが取りつけられれています。そう、これが光学10倍ズームレンズユニットなんですね。レンズの反対側はグリップ状になっていて握りやすい処理が施されています。

某ギャラクシーがタブレットになったらこんな感じ?
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 手前に見えるカバーは、マイクロSDとSIMカードスロットのもの(オプションで3G搭載も可能)。グリップ部分にはシャッターボタンも見えます。全体の厚みは最小限に抑えられていますが、やはりカメラ部分は厚みが増してしまいますね。

 デザインはサムスン電子の『GALAXY S4 Zoom』にかなり似ていますが、ズームレンズを搭載するとおのずと似たような見た目になってしまうものだと理解しておきましょう。

持ってみると、意外と違和感が無い?
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 でっかいカメラだなぁ~という印象を受けるのですが、持ってみると「十分アリなのかも……」と思えてしまいます。最近はiPadやiPad miniで写真撮影する人もかなり増えていますよね。そのおかげで、こうして持ってみても、それほど違和感が無いのでしょうか。 

 なおズームレンズはまだ動作しない状態でした。生産開始は今年の7月からで、最少オーダー数は500台。これを注文するメーカーが出てくるか、楽しみです。

本格的なHi-Fiサウンドが聞けるスマホも開発中
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 続くこちらの『H5001RQ』は、強力なデジタルノイズリダクションを搭載したHiFiサウンド再生対応のスマートフォン。クアッドコア1.6GHz CPUに5インチHDディスプレイを搭載。バッテリーは6000mAhと高容量のものを搭載。そしてデジタルノイズリダクションは、130プラスマイナス3。筆者はこのあたり理解していないですが「とにかくすごい音が出るよ!」とのこと。

金属ボディーに無骨な回転式ボリュームボタン
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 本体は肉厚な金属素材を採用しています。いい音を出すためにはこれくらいの本体強度が必要なのでしょう。また左右にはメカニカルな回転式のボタンを備えていますが、これは音量調整のボタンだそう。ここまでくるとこれはもうスマートフォンではなく高級ポーターブルオーディオ機器と呼べそう。

充実の出力対応、ヘッドフォンも選ばない
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 本体上部には3.5ミリのヘッドフォンだけではなく、6.3ミリの標準プラグも備えています。さらにはRとLのオーディオ出力も備えています。なおデザインや重量はまだ変わる予定だそうですが、このモデルで重さは500g。ずっしりと重さを手に感じますが、これに標準プラグの高級ヘッドフォンをつけたらものすごい音が再生されそう。

本体下部にもデジタル入力端子などを備える
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 本体下部の中央はまだモールドが彫られているだけのダミーでしたが、おそらく光デジタル音声端子の角型コネクター。ここまで高性能な音楽機能を搭載した『H5001RQ』は、いったいいくらで製造してくれるのでしょうか。年末くらいにはどこかのメーカーからこの製品が販売されることを期待したいものです。

ロシアももうLTE時代に。それを支える中国メーカー
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 ここまで特徴的な製品を出展していたのはさすがに1社だけでしたが、他のOEM/ODMメーカーの出展を見てみると目立っていたのが“4G・LTE”の文字。某社で話を聞いたところ、3Gのスマートフォンはすでに価格競争が激しいため、LTEスマートフォンで勝負をかけ始めているとのことです。日本でも最近は低価格なSIMフリースマートフォンが増えてきましたが、いずれはLTE対応でクアッドコアCPU搭載の5インチスマホが1万円前半、なんて製品も出てくるであろうということが、これら中国メーカーの動きを見る限りでは容易に想像できます。

 なお、低価格のフィーチャーフォンを出展しているOEM/ODMメーカーは、今回ひとつもありませんでした。ひと昔前なら、キワモノながらも注目度が高いということで人気だった中国の腕時計型携帯電話も、もうその存在意義は無くなってしまったんですね。

 一方で、Android OSを搭載したスマートウォッチの案内はいくつか見かけました。ところがどの会社もサンプル展示なし。やはり腕時計型のデバイスは、来場者の関心を集めるための“客寄せ”ってところなのでしょうか。

Windowsタブレットも発見
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 さて。スマートフォン以外にも気になった製品がいくつか。こちらも中国ODMメーカーの製品ですが、どうやらWindows 8.1のタブレットのよう(後ろのAndroidタブレットは製品の紹介を表示)。LTE対応、10インチなのですが説明してくれる人がつかまらずで詳細は不明。

中国メーカーは新興のthl、1社のみ出展
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 こちらは中国の新興スマートフォンメーカー、thl。中国ではそこそこ知られるようになりましたが、海外進出はまだこれからという状況です。thlは昨年“世界初のフロント1300万画素カメラ”という、自分撮りに適したスマートフォンを出したことで中国で有名になりました。そのようなとんがった製品を海外にも出してほしいものです。

ちなみにモスクワの街中でもthlスマホは販売中
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 なお、展示会の前日にモスクワ市内の携帯屋を回ったところ、thlのスマートフォンも結構売られていることに気が付きました。この写真はiPhoneや小米(Mi3)に注目して撮影したのですが、よく見ると最上段にthlのスマートフォンが4機種も写っていますね。全然気にしていなかったので写真では見切れてしまいましたが、中国の中堅どころが、このようにロシア市場にも着々と進出していることがわかります。

シベリアだろうがサハラ砂漠だろうがへっちゃらなノートPC
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 こちらで泥水の中に沈んでいるのは、完全に業務用……というか政府や軍など特殊用途向けのノートPC。ノートPCとしてのスペックよりも、高温で砂嵐が吹き付ける環境やら、多湿で土砂降りの中でも使えてしまうというタフを超えた強靭な製品。価格はたぶん100万円以上しちゃいそうです。

旧ソ連を思わせるケーブルメーカーのデモ
Sviaz-Expocomm-2014展示会レポート

 展示会の規模はそれほど大きくなかったものの、スマートフォンを中心にいろいろとおもしろい製品を見つけることが出来ました。このケーブルメーカーのようにきちんと品質管理を行っている姿をアピールしているところもあるなど、ロシアも変わりつつあります。ただ、雰囲気は旧東欧の地下工場みたいでちょっと怪しげですけどね(笑)。

 来年、2015年はどんな新製品を見るけることができるのか、機会があればまた取材してみたいと思います。

■関連サイト
Sviaz-Expocomm-2014

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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