2014年05月08日23時35分

au WALLETを猛プッシュ au夏スマホ発表会レポート

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■ネットワークはキャリアアグリゲーションとWiMAX2+でさらに快適に

 KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は冒頭で、今年2月24日にau契約者数が4000万人を突破したことを改めて報告し、利用者に感謝の念を述べつつ挨拶を行なった。

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↑au WALLETカードを手にするKDDI代表取締役社長 田中孝司氏。
au契約者数が4000万人を突破
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 そのauの新しい目標は期待を超える価値であり、さまざまな面でサービスや製品ラインナップを拡充していくのが目標だという。最初のテーマとなったのはネットワークで、エリア面では800MHzの4G LTEプラチナバンドの人口カバー率が今年3月14日時点で99%に到達したことを報告した。

 ちょうど1年前の3月時点で人口カバー率が96%であり、数字のうえでは1年でわずか3%しか上昇していない。だが実は、カバー面積的にはこの間に1.5倍へと急拡大しており、この残り99%の壁がいかに高いかを物語っている。

800MHzの4G LTE人口カバー率は99%
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↑1年前の人口カバー率が96%で、その進捗はわずか3%だが面積カバー率でいえば1.5倍にまで拡大している。

 また「サボってるんじゃないの? といわれるかもしれませんが」(田中社長)という2.1GHz帯の4G LTEについても、今年3月26日時点で85%に到達したと報告している。今年度末にあたる2015年3月までには90%超を目指しており、後述のキャリアアグリゲーション(CA)実現のためにも重要な指標となりつつある。

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↑進捗が遅れていた2.1GHz帯の4G LTEも今年3月時点で85%に到達。来年度末には90%超を目指す。

 そして今回のメインテーマはauがCAの名称でブランディングを行なっているLTE Advancedへの対応だ。LTE Advancedでは、現行のLTE回線を2つ束ねる(つまり帯域を2倍使用する)ことで2倍の速度を実現する。

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↑先日話題となったLTE Advancedのキャリアアグリゲーション(CA)で2つの回線を束ねて速度を2倍にアップ。auのCAサービスの新ロゴ。 ↑具体的にはCA対応端末を用意し、800MHzと2.1GHz両LTE回線を揃えることで2つの回線を合算した理論上の最大速度150Mbpsを実現する。

 auの場合、800MHzと2.1GHzの2つの異なる帯域を用い、それぞれの75Mbpsを合わせることで最大150Mbpsの理論値の回線速度を実現できる。両LTE帯域のカバーエリア拡大が重要な意味をもつ理由のひとつがこれだ。

対応局数も順次拡大へ
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 今回、このCA対応端末が多数ラインアップされており、通常であれば別々でしか利用できないLTE帯域を2つ同時に利用し、さらに高速回線を実現する。同時に、CA対応基地局の数も急速に拡大しており、2015年3月までには2万局規模で展開を行なうと田中社長は説明している。

 auではこのほか、UQの2.6GHz帯を用いるWiMAX2+回線の有効活用を進めている。今回、CA対応と並んでWiMAX2+対応も実現した端末が8機種中6機種あり、特に都市部など混雑がみられるエリアで、ユーザーがより快適に利用できるようになるだろう。

 WiMAX2+は以前までのWiMAXとは互換性がなく、いわゆる“TD-LTE”の延長線上にある技術となっている。将来的な規格のアップグレードも約束されており、現行の110Mbpsから、将来的には1Gbpsも視野に入っている。CAと並び、高速化面での注目ポイントだろう。

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↑CAと合わせてWiMAX2+にも対応することで、さらに電波の有効活用を進める。 ↑WiMAX2+の対応エリアは東名阪を中心に順次全国拡大。今年度末までに2万局規模へ。 ↑WiMAX2+の規格そのものも現行の110Mbpsから将来的に1Gbpsを目指す。


■大画面&大容量バッテリー搭載の新スマホ

 今回、スマートフォン6機種とタブレット2機種が夏モデルとして発表された。田中社長によれば、ユーザーのニーズは高リテラシー層やコンテンツ消費層において「大画面化」が顕著となり、さらに携帯やスマートフォンに対する要求として「バッテリー駆動時間」が依然として高いことを受け、今回の製品ラインアップでは「5インチ以上の大画面」、「大容量バッテリー搭載」を中心に集めた形となっている。なお、全モデルが4G LTE対応だ。

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↑auのアンケートでは、高リテラシー層を中心に大画面端末への欲求が高まっているという。 ↑ ユーザーに端末に望むことを質問すると、やはりバッテリー駆動時間を気にする割合が高い。
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↑auは「大容量バッテリー搭載」を主軸にラインアップを進めた。 ↑ スマホ6機種にタブレット2機種の布陣。『ASUS MeMO Pad 8』と『TORQUE』以外の6機種は、前述のCAとWiMAX2+両方に対応。

●Xperia ZL2
 5インチフルHD解像度ディスプレーに3000mAhのバッテリー、4K動画撮影可能な2070万画素カメラにステレオスピーカー内蔵など、主に映像や音声出力面が強化されている。CA/WiMAX2+対応。

●GALAXY S5
 5.1インチフルHD解像度ディスプレーに2800mAhバッテリーを採用。指紋および心拍センサーも新たに搭載。シリーズのフラッグシップモデルとしては初の防水、防じん対応。CA/WiMAX2+対応。

●AQUOS SERIE
 5.2インチフルHD解像度のIGZO液晶に3150mAhのバッテリーを搭載。3面狭額縁で画面占有率80%という形状が特徴的。CA/WiMAX2+対応。

●URBANO
 5インチフルHD解像度ディスプレーに3000mAhバッテリーを搭載。最大3.1Aの超急速充電に対応するほか非接触充電モデルも用意。CA/WiMAX2+対応。

●isai FL(イサイ)
 5.5インチでWQHD(2560×1440ピクセル)の超高精細ディスプレーを採用。2.5GHzクァッドコアプロセッサを搭載し、4K動画撮影にも対応。CA/WiMAX2+対応。

●Xperia Z2 Tablet
 6.4ミリ厚で429グラムと薄型軽量の10.1液晶タブレット。フルセグアンテナ内蔵タイプで録画にも対応。CA/WiMAX2+対応で通話は非対応。

●ASUS MeMO Pad 8
 Intel Atom Z3580を搭載し、64ビット対応+クアッドコアによる強力なパフォーマンスが魅力。8インチサイズで重量が300グラム超と軽く、女性も持ちやすい。

●TORQUE
 以前の『G'z』シリーズの“高耐久性”という特徴を引き継ぐ新モデル。米国防総省の耐久基準(MIL-STD-810G)に準拠し、防水防じんだけでなく海水、耐圧などより厳しい基準や耐久性も考慮。非接触充電にも対応。

 今回発表された8機種に加え、HTCから新しい『HTC J』シリーズが間もなく発表される見込み。こちらについては完全に「ヒミツ」(田中社長)で、近々何らかの形で発表が行なわれるのを楽しみにしたい。

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↑今回は未発表だが、新『HTC J』シリーズの登場を予告。


■拡大するスマートパス、“au WALLET”のキャッチフレーズは「グッバイ、おサイフ!」

 ネットワークと端末に続いて紹介されたのがサービス群だ。動画配信などコンテンツを包含的に利用できるauスマートパス会員数は2014年3月17日時点で1000万人を突破し、一定のマイルストーンに到達した。

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↑auスマートパス会員は1000万人を突破。

 新サービスとしては月額400円の「アニメパス」、ディズニーコンテンツが利用できる月額372円の「ディズニーパス」が新たに用意され、dマーケットで先行するNTTドコモへのサービス面での対抗が強くなっている。

 サポート系のメニューでは「対面型サポート窓口」が開設され、周辺機器も対象に含まれる「スマホお試しレンタル」が新たにauスマートサポートに追加され、利用の窓口が広がっている。

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↑auスマートサポートはサービスメニューを拡充。

 そして今回、発表会の説明時間のおよそ半分を使って紹介された目玉サービスが“au WALLET”だ。サービス概要については今年2月に最初に発表が行なわれた際のレポート(関連記事)があるため省略するが、今回新たに発表されたアップデート事項に絞って紹介していこう。

 発表当時は「MasterCard加盟店で利用可能なプリペイド型の磁気カード」とだけ説明されていたau WALLET発行のカードだが、今回正式にデザインが公開された。下記がその特徴だ。

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↑“au WALLET”の電子マネーカードのデザインが公開された。

●MasterCard加盟店であればカードリーダーをかざして世界中どこでも利用可能
●名前やカード番号部分にエンボス加工は施されておらず、完全に表面が平ら
●カード番号を入力すれば、直接オンライン決済でも利用可能
●NFCを内蔵し、専用リーダーにかざすことで「タッチ機能」が利用できる(後述)

 なお、エンボス加工がなく、磁気ストライプのみのプリペイドカードという点から、一部利用制限があるとみられる。また、最初の発表時は「WebMoneyも同時利用可能」という点が強調されていたが、今回の発表では特に触れられていない。

 説明によれば「複雑でわかりにくいという話があったため、今回はあえてWebMoneyをメッセージに含めることを止めた」ということで、同じau IDでWebMoneyも利用できるという機能はそのまま残っているようだ。

「MasterCard加盟店であればどこでも」ということで、利用場面に困ることはほとんどないと思われる“au WALLET”だが、その大きな特徴は「チャージ手段」と「ポイントプログラム」にある。

“au WALLET”には「auかんたん決済」、「auショップ」、「じぶん銀行」、「クレジットカード」の4つのプリペイドへのチャージ方法が用意されており、このうち「auかんたん決済」がいわゆる「キャリア決済」となっている。

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↑“au WALLET”で提供されるプラスチックカードはプリペイド方式のため、事前チャージが必要。チャージ方法は4種類あり、「auかんたん決済」を選択するとオートチャージまたは都度チャージのいずれかで通信料金と合算して支払いを行なえる。

 auかんたん決済には「オートチャージ」、「都度チャージ」の2種類があり、いずれも支払いは毎月の通信料金と合算される形で上乗せが行なわれる。一般的なクレジットカードであれば審査が必要なため、社会人でなければカードを所有できないという問題がある。だがキャリア決済経由の支払い手段であれば、子どもであってもクレジットカードに近い機能のカードをもつことが可能だ。

「だれにでも気軽に使える」という電子マネーの特徴をもたせたのが“au WALLET”ということになる。

 そして、リアルまたはネットの店舗で“au WALLET”を使って買い物をすると、ポイント加算が行なわれる点もサービスの特徴だ。

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↑カード自体はふつうのMasterCardプリペイドカードなため、リアル店舗だけでなくオンライン決済を含む世界中3810万の加盟店で利用可能。 ↑“au WALLET”の特徴はポイントプログラム。特にau通信量支払いとで発生するポイントは他のポイント加算よりも高く、さらに携帯料金支払いにポイントを充てることも可能。

 ポイント付与率は“au WALLET”加盟店かどうかによっても異なり、例えば今回発表されたパートナーであるセブンイレブンの場合、6月1日~30日の期間限定で通常の10倍ポイント(つまり200円で10ポイント)が付与される。

 このほか、パートナー各社で期間に関係なく3倍ポイントが付与されることが発表されており、積極的にポイントを貯めるためにリピート率が上がることを見込むなど、“au WALLET”を中心にしたエコシステムを構築しようとしている。

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↑現在“au WALLET”ポイント加算対象店はセブンイレブンをはじめ、さまざまな大手チェーンで展開が進んでいる。 ↑“au WALLET”の残高確認や都度チャージはアプリを使って行なえる。ポイント加算対象店やお勧め情報も確認可能。

 期間限定のキャンペーンも多数展開されている。例えば、発表同日から6月30日までのキャンペーン期間に“au WALLET”を申し込むともれなく1000ポイントが付与され、さらに1万人を対象に各4万円が当たる総額4億円の抽選が実施される。

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↑“au WALLET”5月8日から受け付けを開始し、6月30日までに申し込みを行なったユーザーは1000円のポイントと、合計1万名に4万円が当たる総額4億円の入会キャンペーン対象となる。

 このほか、同期間中に“au WALLET”でチャージすると初回に限りチャージ金額の10%を増額(1回のチャージ上限は2万5000円、au WALLET自体のチャージ上限は10万円)、今年12月31日までの期間にじぶん銀行で5000円以上のチャージを行なうと5%増額が実施される。

 申請からカード発行までにかかる期間は1週間程度で、田中社長によれば「1日4万枚が処理能力の関係で発行限度」と説明しており、しばらくau WALLETカードが手元に届かない事態が想定される。興味ある方はキャンペーン期間が終了しないうちに申し込んでおくといいだろう。

 この“au WALLET”アピールのために新イメージキャラクターとして登場したのがタレントの所ジョージさんだ。auショップ店頭に設置予定の専用端末がステージ上に登場し、ここに自身のau WALLETカードをかざして「ウェルカムガチャ」を体験する様子が紹介された。また“au WALLET”の別バージョンのCMも用意されており、そちらのキャッチフレーズは「グッバイ、おサイフ!」。渋谷のスクランブル交差点で人々が財布を中に放り投げる様子が印象的なCMだ。

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↑ゲストには新CMのイメージキャラクターとなった所ジョージさん。
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↑“au WALLET”を使ったウェルカムガチャを体験。


■“au WALLET”の次なる可能性

“au WALLET”発表時、おサイフケータイやNFCの可能性を否定していたauだが、今回のサービスのキャッチフレーズは「グッバイ、おサイフ!」と、非常に皮肉の効いたものになっている。田中社長によれば「(財布が対象であって)“おサイフケータイ”を意識したものではない」としているが、コンスタントに利用率が1割を切っているといわれる「おサイフケータイ」の利用状況(関連記事)を考えれば、さもありなんと周囲が邪推するのも仕方がないことだろう。

 ひとつ気になるのが、最初の発表時にはまったく触れられなかったNFC機能がau WALLETカードに搭載されていたこと。現在は、前述のauショップ店頭での「ウェルカムガチャ」を使うためだけに利用されている同機能だが、説明によればふつうにICチップが内蔵されており、より複雑なアプリケーションを導入可能だという(そのための領域が空いている)。

 田中社長自身も「まずはウェルカムガチャから」と説明しており、将来のサービスのための布石であることを隠していない。複数の関係者の話を総合すれば、より高度な利用、たとえばおサイフケータイの「タップ&ペイ」に近いことが実現できるのではないかと考える。

 これがクレジットカードのような仕組みなのか、あるいは別の電子マネー規格なのかはわからないが、店舗誘導のためのO2Oソリューションも含め、auがより高度なアプリケーションを実現しようとしていることは間違いない。

 一方で、おサイフケータイのようなスマートフォンや携帯へのau WALLETカード機能搭載は現時点で否定している。これは筆者がここ半年ほどで世界中の関係者に聞いた話を総合して、「おサイフケータイの機能をスマートフォンに直接導入する」ことは主流トレンドではなくなりつつあり、むしろGoogleの“HCE(Host Card Emulation)”のようにセキュアチップを端末に内蔵せずにクラウド上に置いたり、NFCではない別の支払い方法の研究が各方面で進んでいる。

 複数の銀行やカード会社は口を揃えて「携帯キャリアを介してモバイルペイメントを提供する方式では、介在する業者が多いうえにセキュリティー検証の問題からサービス提供までの時間がかかってしまう」と述べており、むしろハードルの低いHCEやカード提供など、おサイフケータイのような仕組みを避ける傾向にある。

 理由としては、カード会社や銀行にとってカード発行枚数を増やして利用機械を増やすことこそが重要であり、その提供形態にはこだわらないからだ。その意味で“au WALLET”はNFC業界の現状を反映した現実解を進みつつあるようにも思える。

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↑“au WALLET”アプリのメイン画面。
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↑au WALLETカードとアプリ。 ↑auショップなどに置かれるウェルカムガチャ端末。1日1回、月に最大3回までガチャを引くことが可能で、最大3000ポイントが付与される。
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↑端末上部のタッチポイントにau WALLETカードをかざすとガチャが回りだす。

●関連サイト
au

(5月9日19:45更新)本文を追記しました。

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