2014年05月15日11時30分

Wカップ開催! コナミのサッカーほか、コナミのMSXゲーム伝説7:MSX30周年

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MSX30周年スロット&スプライトロゴ

 もうすぐ(2014年6月12日~)サッカー界最大のお祭りFIFAワールドカップがブラジルで開催されるということで、世は4Kハイビジョンテレビとかで盛り上がっておりますが、MSXユーザーたるもの、サッカーゲームの最高峰(MSXA基準)である『コナミのサッカー』を4Kテレビでまずは遊ぼうではないですか。持ってないけど4Kテレビ。

 ということで今回はシステム的にグラディウスの遠いご先祖様っぽい『スーパーコブラ』と、『ビデオハスラー』、そして『コナミのサッカー』の3本でいってみよう。


■スーパーコブラ(1983年)

MSX30周年:コナミ第7回

 原作は同名のアーケード作品なのだが、『スクランブル』に比べるとちょっとマイナーである。家庭用ゲーム機にも移植されず、あえてMSXに移植した理由はよくわからないが、デキはいい。ちなみに他に移植されたハードとしてPC-6001のROMカートリッジ版があるにはあるのだが、MSX以上にレアな代物である。そしてアーケード版も今日では『スクランブル』に比べて圧倒的に見る機会は少なく、この『スーパーコブラ』はMSX版によってどうにか語り継がれている。

 さてこの『スーパーコブラ』、コナミMSXゲーム初の横スクロール作品である。銃撃と爆撃を同時にこなせる戦闘ヘリを操って敵の奥地深くに突入し、軍事物資を回収するのが大きな目的だ。ところが、“敵”が何者なのか、“軍事物資”を取りにいく目的が何なのか、パッケージをいくらひっくり返しても何も全くわからない。ちなみに説明書はない。

 コナミのMSXゲームはメガロム以降にマニュアルのボリュームも増えて、ゲームの目的が設定にも影響を与えるようになっていくのだが、この頃は『わんぱくアスレチック』の坊やがどうしてアスレチックに行くのか説明が全くなかったように、ヘリで戦う相手のこともよく分からなくても何の不都合もないのであった。まあ、そういう時代だったのである。

MSX30周年:コナミ第7回
↑天井ミサイルが雨のように降ってくる! 気分はもう“ガミ〇ス本土決戦”そのものだ。燃えるぜ!!


 ステージは1から4に分かれているが、敵の攻撃に当たらず、かつ燃料切れにならないよう地上の燃料タンクを破壊しつつ、補給を行ない先に進むことが全てのステージの基本となる。

 ステージ1は“謎の異生物、ミュータント”と高射砲の攻撃を避ける。このミュータント、自分が近づくとピョーンと飛び上がった後、放物線を描いて左へ飛んで行く……のだが、なんと画面左に消えるとそのまま右から出てくるという面白いシステムが取り入れられている。始めて見るとかなり驚くが、このアイデアのせいで、避けた後の敵がまた障害となる一方で、軌道を読むこともできる。

 ステージ2はフラフラ飛ぶUFOである。ここは割と単純。ステージ3は天井があり、自動落下するミサイルが据えつけられている。そしてステージ4は地上の敵がミサイルになるが、見た目はステージ1のミュータントと一緒だ。軌道が単に上に飛んで行くだけなので、それほど難しくない。ステージ途中にある物資に触れて吊り上げると1周クリアとなる。

MSX30周年:コナミ第7回
↑苦労のすえ、ついに荷物の奪還に成功! でもこの荷物の具体的な中身は謎。


 実は4ドットスクロールをしているなど地味に技術も光っているのであるが、『けっきょく南極大冒険』、『わんぱくアスレチック』などに比べるといささかレア気味である。敵基地の最後にやることが敵基地の破壊ではなく“荷物の吊り上げ”というのもなかなかにナゾである。何か回収しに行ったのだろうか。ちょっとだけ設定世界に想像が膨らむ。

 『スーパーコブラ』は当時としては十分以上に面白いのだが、演出面がいささか寂しい。この少しあと、第2回に取り上げた『イー・アル・カンフー』が発売されるのだが、この頃から急に垢抜けてコナミのMSX伝説が不動のものになっていくのである。
 


■ビデオハスラー(1984年)

MSX30周年:コナミ第7回

 コナミのMSXゲームの中でも屈指の地味さを誇るこのゲーム、ゲーム名そのままに、ビリヤードをテーマとしたゲームである。いや、テーマとした……というよりは、限りなく素に近いビリヤードのゲームだ。

 発売された1984年当時、“ハスラー”という言葉がビリヤードのプレイヤーを意味することを知っていたお子様はほぼ存在せず、大人ですら少数だったと思われる。日本でビリヤードのブームが起きるのはこの数年後、1986年に公開された映画『ハスラー2』によるところが大きい。2というからには1もあるのだが、初代『ハスラー』は1961年の映画であり、'84年当時では忘れ去られた映画だった。

 というわけで、このゲームが発売された背景としては“物理現象のシミュレート”的な意味合いが大きかった。MSXはスプライト機能により滑らかにキャラクターを動かせたので、白球をボールにぶつけて弾け飛ぶ様はコンピューター界においてもなかなかに目新しかったのだ。

MSX30周年:コナミ第7回
↑まずは(1)を落としたぞ。ボールどうしの衝突や跳ね返りはリアルだ。


 ルールとしては一般的なナインボールからボールを減らしたシックスボールに近い……のであるが、別に番号順にポケットに落とす必要もなく、6番ボールを最後に落とした方が勝ちでもない。ボールの番号×100点の点数が入ることと、連続してボールをポケットに入れると倍率が上がっていくこと、3回連続でポケットに入れられないか、白球をポケットに入れたら1ミスするだけの単純ルールとなっている。分かり易さ重視というわけだ。その分かり易さによって、なんとなくいつまでも遊び続けてしまう隠れた佳作でもある。

 そんな佳作っぷりが口コミで広まっていたのか、このソフト結構人気があったようで、コナミから発売されたパッケージの他に、ソニーからも『コンピュータービリヤード』という名前で同じ中身のソフトが発売されている。この手のソフトとして当時トップクラスの出来なのだが、いかんせんルールが1通りしかなく、演出も素っ気ない。もともと1981年に出ていたアーケード(ゲームセンター)版も地味だったのではあるのだが、ルールも違うし、まんま移植版というわけではない。ただ、なぜかゲームオーバーの時の音楽はほぼ同じだったことが“系列作品”らしさの唯一の証明なのだが誰も気づかないだろう。

MSX30周年:コナミ第7回
↑ゲームクリア。クリア時のBGMがアーケード版とよく似ている。もちろん音源は違うので音色はまったく違う。


 さて映画『ハスラー2』の公開後、このソフトの続編とも言える『ブレイクショット』というビリヤードゲームが企画され、『THEプロ野球 激突ペナントレース』と共に大きく広告が出ていたことを覚えている方も多いだろう。だが残念なことに『ブレイクショット』は発売中止ととなってしまう。広告でもわざわざ「ビデオハスラーから約4年」なんて書かれていたことからも、続編として考えられていたのだろう。広告からはストーリーモードや4種類のルールがあること、SCC対応などが書かれている。

 『ビデオハスラー』もそこそこ売れたし、映画『ハスラー2』のお蔭でビリヤードブームだし「続編行ってみようか!」な雰囲気だったのだろう。結局、未発売のゲームとしてMSXユーザーの心に残ってしまったことが惜しまれるのであった。うーん残念。すごく続編やってみたかったのに。


■コナミのサッカー(1985年)

MSX30周年:コナミ第7回

『ウイニングイレブン』のご先祖様……と無理して言いたいところだが、『激突ペナントレース』シリーズと『実況パワフルプロ野球』シリーズの関係とは異なり直接の繋がりはない。

 コナミはMSXにおいて色々なジャンルの作品をリリースしていたが、本作は初期のスポーツ系作品のひとつである。この時期の作風に共通するのは、それぞれの種目における基本ルールを“がんばって”かなり忠実にゲームとして再現していることである。そもそもMSXの、というより1983年当時の家庭用コンピューターの性能で11人対11人のフィールドを描くことがそもそも不可能なのだ。

 というわけで、説明書には「赤き血潮に燃えるイレブン」と書いてはあるもののキーパーを除いて6対6の12人しかいない。いや、スプライトを5枚横に並べると消えてしまうMSXにおいては、「12人も!」と驚くべきであろう。ボールと、滑らかに動かすべき人物はスプライトで描画し、目立たないキャラクターは背景に回すという工夫で多数の人間を描き、サッカーらしさをどうにか表現している。どうだ凄いだろう、と言っても今どきのお子さまにはわからないか。

MSX30周年:コナミ第7回
↑大混戦中。選手も限界ですがMSXの性能も限界です(一部、消えているでしょ?)。


 黎明期の作品だけに、ゲーム自体は1試合の勝敗を決めるだけで終わってしまう。同点の場合はサドンデスのPK戦で決着をつけるのみだ。しかし5段階のレベル、ハーフタイム時間の設定、8色から選択できるチームカラーとチーム名の設定までできるようになっている。5段階のゲームレベルはコンピューター相手の1と2ではオフサイドが取られない、また高レベルになるとコンピューターのシュート先が表示されず、シュートの軌道を読んでのダイビングキャッチが必須となるなど、様々に工夫されている。

 以前も書いたように、MSXはジョイスティックの規格の上限は2ボタンだったが、1ボタンしかない製品も認められていた。そこに対応するために様々な操作が1ボタンに押し込められている。特にMSXでは珍しく対戦ができる作品で、そこには熱い駆け引きがある。マニュアルにオフサイドトラップまで書かれているのは注目すべきだろう。

MSX30周年:コナミ第7回
↑「ゴーーーーーーーーーール!」 全身で喜びを表現する青チームの選手たち。細かい演出がゲームを盛り上げる。こういう表現自体、まだまだ珍しかったのよ。そういうところに感動したな〜。


 発売時期や画面の構図が似ているせいかよく比較されるのだが、同時期のファミコンのあのサッカーゲームよりも画面に出てくる人数や選べるチームカラーは多い。この“最大12人同時描画”は単純にボールを持っている人物をスプライトで描いているわけではなく、よーく見ると実はかなり複雑な処理をしている。「MSXだからと言ってあっちには負けん!」というコナミMSXチームの気概を強く感じ取れる作品である。

(C)Konami Digital Entertainment


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 はい、ではここらでいつものようにおたより行ってみましょう。前回の記事(魔城伝説三部作)に対するツイッターでの反応より。

naonabe@naonabeさん
関連商品に明治ポポロンがw。パンパースは出て来ない?

――ポポロンは魔城伝説の主人公の名前と同じですね。受け狙いで入れてみました。そうか、パンパース(ポポロンの子供)も入れておけばよかったな。

inly@inly_さん
初代の魔城伝説だけクリアできなかった。 あとガリウスはポポロンがトイレに溺れる。

――魔城伝説は結構ハードなシューティングゲームでしたもんね。そこで、『アスキースティック』ですよ!

※今回もみなさんの思い出などぜひぜひつぶやいてください。次回のこのコーナーで取り上げさせていただくかも!


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