いま、ゲーム業界だけでなく広告やアート、放送など幅広い分野で注目される開発環境がある。その名も「Unity」。なぜこれほどUnityが支持され、注目されるのか知るべく、Unity開発者の祭典「Unite Japan2014」を取材した。
Unity開発者の祭典「Unite Japan2014」
アップル製品の開発者にとって重要なイベントといえば、WWDC。そのUnity版といえるのが「Unite」だ。Unityは、全世界で250万ユーザーが利用している開発ツール。Uniteは2007年に米国から始まったUnityのカンファレンスイベントで、日本は今年で2回目。チケットは昨年の750枚から1200枚に増やしたにもかかわらず、事前に完売してしまうほどの盛況ぶりだった。
米ユニティ・テクノロジーズ社のCEO、デイビッド・ヘルガソン氏に加えて、米オキュラスVR社の創業者、パーマー・ラッキー氏が初来日したことで話題になった「Unite Japan2014」。
初お披露目はWWDC2005、アップルとも関連深い歴史
Unityがゲーム開発者から圧倒的な支持を集める理由のひとつが、マルチプラットフォーム対応という点だ。作ったアプリを、iOS/Android/Windows/Mac OS X/ウェブブラウザー/プレイステーション 3/Xbox360/WiiUといったデバイス向けに書き出せるため、限られた時間で効率よくアプリを開発できる。
プロ向けの高機能にもかかわらず、資金の少ない個人や小規模の団体なら無料で使えることもポイントが高い。3月には、グラフィック表現などを強化した「Unity5」を発表し、勢いを増している。
Unity5の目玉はグラフィック。例えば、リアルタイムでCGのライティングや拡散具合をすぐに確認できるので、ゲームの開発速度を短縮できる。
素材の充実や広告サービスで開発者を支援し続ける
Unityが急成長した理由のひとつとして、2010年に始めたAsset Storeがある。例えば、カメラを制御する「UFPS:UltimateFPS」というプログラムは、20ドル(約2000円)で配布して5000本売れたという。これは5000人が同じプログラムを書く手間やコストを軽減できたことを意味する。
近年では、スマートフォンのアプリ数が増えすぎてユーザーに気づいてもらえない問題が生まれた。そこでゲームプレー動画をネットで共有できる「Everyplay」のフィンランドのアプリファイヤー社を買収。現場目線で開発者を支援し続けているのがUnityなのだ。
上の「Everyplay」は、対応しているゲームのプレー動画を撮影し、ユーザーの肉声付きでSNSに共有できるサービス。3月に米ユニティ・テクノロジーズ社が買収した。
MacPeople6月号(4月28日発売)では、ゲーム開発環境の決定版、Unityの使い方から魅力、活用法まで網羅した「Unity超入門」を特集。リリースされたばかりの「ユニティちゃん」の使い方も掲載している。
そのほか、ネットワークを介して外付けの大容量ストレージを使う「NAS」の導入について徹底解説する「ネットワークデータ管理のススメ」、iPad 版OfficeとOffice Mobile、Office 365やOS X向けの無料版が登場した「OneNote」の活用法など盛りだくさんの内容でお届けします。
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