週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

iBeaconに似た技術で現在地を測位する国立博物館の『トーハクなび』がスゴイ

2014年04月20日 11時00分更新

 東京・上野にある東京国立博物館のガイドアプリ、『トーハクなび』が4月15日にバージョンアップしました。Android版ではかねてよりGPSとPlaceEngine、Place Stickerの技術を利用して、屋外と屋内のユーザーの現在地を測位し、それに応じたガイド映像を再生できましたが、この度iPhone版向けに新たにビーコン(BLE端末)を利用した測位技術を採用。

 ビーコンというと今話題のiBeaconの発信機と同様です。そこで、さっそく東京国立博物館に行ってアプリを試してきました。

東京国立博物館に行ってきました
トーハクなび

 天気のいい平日の午前中に、東京国立博物館に行ってきました。緑が多い上野は春のお出かけにぴったりです。

アプリ『トーハクなび』
トーハクなび

 『トーハクなび』は、東京国立博物館の総合文化展を鑑賞するためのガイド映像を6つのコースで収録。

現在地をビーコンで測位してガイドが流れるのは本館の2階
トーハクなび

 東京国立博物館の敷地内には、東洋館や法隆寺宝物館などいくつか建物がありますが、ビーコンの測位によるガイドを楽しみたい方は、本館の2階に行きましょう。アプリは“本館2F 日本美術の流れコース”を選択。

 また、コースごとにコンテンツのダウンロードが必要になるので、実際にビーコンを試しに博物館に行きたいという人は、あらかじめアプリだけでなくコースごとのコンテンツまでダウンロードしておくのがオススメ。博物館は重厚な建物で窓も少ないのでLTEの電波が入りづらいうえWiFiも設置されていないので、現地でダウンロードすると終了まで時間がかかる可能性があります。

この画面にしておけばオーケー
トーハクなび

 こちらは“本館2F 日本美術の流れコース”の画面。博物館の本館2階まで行ったらこの画面で準備オーケー。実際に展示室に進んでみましょう。

1室に入ると……
トーハクなび

 アプリが自動的に1室のガイド映像ーを再生。『トーハクなび』では、本館2Fに複数ある展示室のひとつひとつのガイド映像が用意されています。もちろんアプリ画面から手動操作で再生させられるのですが、ビーコンによる測位技術によって該当する展示室に入っただけでアプリが場所を認識し、対応する展示室のガイド映像を自動で再生してくれます。

各展示室でガイドが流れる
トーハクなび
トーハクなび
トーハクなび
トーハクなび

 10つほどある展示室をぐるっとまわってみましたが、部屋を移動するとかなり正確なタイミングで、現在地の展示室に合わせたガイド映像が流れます。ただし、ガイドムービーが流れている最中は自動的に中断されないので、ムービーが流れ切ってから部屋を移動するのがいいでしょう。

 ビーコンは各展示室の間あたりに、目で見える位置に設置されていました。実際に東京国立博物館に行く人は、展示室のドア上部に設置されている15センチ大ほどの箱型端末がBLEを発信するビーコンとのことなので確認してみてください。

個別の展示ごとにコンテンツの再生も
トーハクなび
トーハクなび

 展示室ごとのガイドのほかに、いくつかの展示物については単独でガイドムービーが流れます。ディスプレー付近にビーコンが設置されていて、展示物に近づくとアプリが反応するということ。どの展示物が対象かが明確ではなかったのですが、今回実際に確認できたのは第10室にある根付けや、クシ、カンザシの展示でした。

ビーコンとGPSの組み合わせ
トーハクなび

 『トーハクなび』では、以前よりGPSとPlaceEngine、Place Stickerの技術を利用しており、今回ビーコンが追加されました。iPhoneに関しては、ビーコンとWiFiを利用したGPSであるPlaceEngineを組み合わせることで、精度の高い位置測位を実現しています。

スタンプラリー機能も
トーハクなび
トーハクなび
トーハクなび

 『トーハクなび』には敷地内のスタンプラリー機能もあってiPhone版、Android版どちらでも楽しめます。屋外なのでビーコンではなくGPSで測位してますが、こちらもおもしろい。

スタンプラリーの景品は風神のピンバッジ
トーハクなび

 スタンプを集めた景品として、ただ今東京国立博物館の特別展で展示されている“風神雷神図”の、風神のバッチをらうことができました。やったー!!

スマホを片手に東京国立博物館に行ってみよう
トーハクなび

 こちらは東京国立博物館のマスコットキャラ、トーハクくんとユリノキちゃん。『トーハクなび』のビーコンを用いた位置測位技術は、アプリの特定の画面時でしか反応しないなどiBeaconとは異なる点もありますが、仕組みとしてかなり近い体験ができます。

 最新技術で博物館の展示物をガイドしてくれる『トーハクなび』は実用的でかなりオススメ。日本の歴史的美術品、文化財の勉強のためにもぜひスマホ片手に週末や5月の連休に行ってみては。

 ただし、特別展が開催されている平成館などは館内の作品の撮影はすべて禁止なので、スマホを手に持って歩いているだけで係の人が全力で飛んできて注意されます。スマホを取り出していい場所か確認してから利用しましょう!

iPhone版
AppStore アプリをダウンロード

Android版
アプリをダウンロード

●関連サイト
リリースPDF
東京国立博物館

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう