2014年04月03日23時30分

Windows Phone8.1はWP界の起爆剤になるだろうか?:BUILD2014

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 4月2日(現地時間)より、米サンフランシスコで開幕したマイクロソフトによる開発者向けカンファレンス『BUILD 2014』では、Windows 8.1やWindows Phone 8.1に関するアップデートが一挙に発表されました。

 基調講演の最初のトピックとしてオペレーティングシステム部門コーポレート・バイスプレジデントのジョー・ベルフィオーレ氏は、『Windows Phone 8.1』を正式発表。2月のバルセロナで行われた記者説明会など、これまで何度となく語られてきたWindows Phoneの次期アップデートですが、こうして正式なバージョン番号が披露されるのは初となります。

Build2014 Windows Phone8.1
↑ついにWindows Phone 8.1が正式発表。キャリアやメーカーにもよるが、夏頃には既存のWindows Phone 8端末に届きそうだ。

 Windows Phone 8.1の提供方法は2通り。まずは既存のWindows Phone 8端末向けに、今後数ヵ月以内に、OTAによるアップデートとして配布するというもの。もう1つは、最初からWindows Phone 8.1を搭載した新端末を、4月後半から5月の上旬にかけて発売するというものです。

 BUILD 2014ではWindows Phone 8.1の端末OEMも追加発表され、インドのMicromaxと、キプロスに本社を置くPrestigioの2社が参加するとのこと。さらにベルフィオーレ氏は、これらの新しいOEMによるWindows Phone 8.1端末を披露し、パートナー企業が着々と増加していることをアピールしました。

Build2014 Windows Phone8.1
↑MicromaxとPrestigioによるWindows Phone 8.1端末を披露。


■Windows Phone 8.1には新機能が続々追加

 Windows Phone 8.1については多数の新機能が発表されました。そのうちの1つが、以前から“通知センター”の追加として噂になっていた新機能、“Action Center”です。

Build2014 Windows Phone8.1
↑Action Center。画面上部から画面内へとスワイプすることでメニューが降りてくる。スマートフォンではお馴染みのスタイルだ。

 Action Centerはどのような状態からでも呼び出せるメニューとなっており、さまざまなアプリからの通知をまとめて管理できるほか、WiFi、Bluetoothの切り替え、機内モード、インターネット共有といった設定項目に素早くアクセスできるようになっています。

 これまでもライブタイルやアプリを駆使すれば似たようなことは可能でしたが、OS標準でサポートされた点、タイルに登録していないアプリからの通知も見逃さないという点で優れているといえます。

 ほかにもWindows Phone 8.1では細かな新機能がいろいろと追加されています。ロック画面やスタート画面はカスタマイズ性が強化され、カレンダーは待望の“1週間”ビューに対応。WiFiホットスポットのパスワードを管理する“Wi-Fi Sense”も、要望の多かった機能といえます。

Build2014 Windows Phone8.1
↑ロック画面が多機能に進化。さまざまなテーマを適用できるようになるという。
Build2014 Windows Phone8.1
↑スタート画面のタイルの背景には任意の画像を設定できる。
Build2014 Windows Phone8.1
↑カレンダーには新たに“Week”ビューが追加。1週間の予定を一目で確認できる。

 多数の新機能の中でも、基調講演において特に時間をかけてデモンストレーションが行われたのが、音声認識によるアシスタント機能“Cortana”(コルタナ)です。

Build2014 Windows Phone8.1
↑従来の音声認識機能を大幅強化したアシスタント機能“Cortana”がデビューした。当面は米国向けだが、英国や中国、その他の地域にも順次対応するという。

 特徴は、自然言語による問いかけに対して答えてくれるという点。英語の音声を認識して文字列化することで、その構文を解析しています。また、データソースとしてBingの各種サービスと連携している点が特徴となります。

Build2014 Windows Phone8.1
↑「バナナのカロリーは?」など、唐突な質問でもしっかり答えを出してくれる。
Build2014 Windows Phone8.1
↑就寝中に電話を鳴らさない“Quiet Mode”は、Cortanaが着信を管理する。家族からの電話や、複数回電話が来た場合など、例外を定義できる。まさに“デジタルアシスタント”的な機能だ。

 新しいキーボード入力法としては、“Word Flow”が追加されました。マイクロソフトが以前から研究を進めていた入力法で、一見すると従来通りのQWERTYキーボードですが、入力したい単語のアルファベットを順番になぞっていくという、独特の入力法を採用しています。過去のWindows Phoneの発表会同様、ベルフィオーレ氏自ら早打ちを披露し、高速入力ができることを示しました。

Build2014 Windows Phone8.1
↑Word Flowでは、キーボード上をなぞるように入力する。すでにスマートフォンによるタイピング速度の世界記録を塗り替えたという。

 アプリの実行環境も進化しています。Windowsストアアプリと共通の仕組みを利用できる“Universal Windows apps”により、WindowsとWindows Phoneの両方に対応するアプリの開発が容易になります。基調講演では、Visual Studioを用いてWindowsストアアプリと同じUIを備えたWindows Phoneアプリを開発するというデモが行なわれました。

Build2014 Windows Phone8.1
↑Windowsストアアプリ(写真左)と同じUIを持ったWindows Phoneアプリ(写真右)の開発も容易になる。

 さらに基調講演の中で言及されたのが、企業向け機能の強化です。社内ネットワークに安全にアクセスできるVPNや、メールの暗号化が可能なS-MIMEに加え、使えるアプリをブラックリストやホワイトリストで管理する機能に対応。企業内アカウントとの連動により、退社時には自動的にアクセス権を失うなど、企業用スマートフォンに求められる管理機能が充実しています。

Build2014 Windows Phone8.1
↑ポリシーによるアクセス制御や、退社時のアプリ削除など、管理機能も充実した。


■ノキアのエロップ氏がLumiaシリーズの新機種を発表

他にもWindows Phone関連では、4月中にもマイクロソフトによる買収が完了するノキアから、ステファン・エロップ氏が登壇。Windows Phone 8.1を搭載するLumiaシリーズの最新機種を発表しました。

Build2014 Windows Phone8.1
↑ノキアのステファン・エロップ氏登場。買収完了後は、マイクロソフトのデバイス部門のトップとなる。
Build2014 Windows Phone8.1
↑新機種ではないが、新色としてLumia 1520のブライトグリーンを披露した。

 フラグシップモデルとなるWindows Phone 8.1端末『Lumia 930』は、5インチ・フルHDのハイエンド端末。米ベライゾン向けの『Lumia Icon』のグローバル版とでもいうべき位置付けとなっています。

Build2014 Windows Phone8.1
↑Lumia 930。どことなくLumia Iconに似ているが、スペック上の外形寸法や重量は全く同じとなっている。

 一方、Lumia 520がベストセラーとなるなど絶好調の低価格帯には『Lumia 630/635』を発表しました。型番は600番台と、最も安価な500番台ではないものの、いずれも100ドル台と非常に魅力的な価格に設定されています。

Build2014 Windows Phone8.1
↑Lumia 630。3G版にはデュアルSIMモデルも用意。635はLTEモデル。

 特徴は、Lumiaシリーズとして初めてデュアルSIMに対応。さらにWindows Phone特有のハードウエアキーを初めてソフトウェア実装とするなど、Windows Phone 8.1の新要素をふんだんに採り入れた新機種となっています。

 カメラボタンは見当たらず、フロントカメラも搭載しないなど、機能面では限定的となっているものの、注目したいのは5月からという発売時期。これはLumia 930の6月よりも早く設定されています。Windows Phone 8.1を最速で入手したいという人にとっては有力な選択肢となりそうです。

 また、既存のLumiaシリーズについてもWindows Phone 8.1へのアップデートを提供することをエロップ氏は発表しており、Lumia 520から1520までの全機種が対象、提供時期は今夏とのこと。“Lumia Cyan”という名前でアップデートを配布するとしています。

■Windows Phone 8.1はOS、アプリ、端末が大きく進化

 このようにWindows Phone 8.1は、OSが機能向上し、アプリはWindowsストアアプリとの共通化が視野に入りつつあり、端末はOEMパートナーが一気に増えるなど、全方位から大きく進化しているのが特徴です。米国のBingサービスと連携する音声認識機能など、日本では実現の難しそうな新機能はあるものの、今後のWindows Phone巻き返しに大きく期待できそうな基調講演になったのではないでしょうか。

■関連サイト
Build 2014

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