2014年04月12日18時00分

祝Macintosh30周年!! Mac OSXの原点となったPublicBeta|Mac

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 1984年1月24日の初代Macintoshの発売とともに、同じく30年の歴史を歩んできたMac OS。初代Macintoshに搭載されたSystem 1.0から始まり、最新のMac OS X Mavericksまで、歴代OSが受け継いできた仕組みや機能の数々を紹介します。

Mac OS X Public Beta

 1990年代半ばからMacOSの後継問題に頭を悩ませていたアップルは、ゼロからの自社開発をあきらめ、外部の有望なOSを購入してMac用に最適化する道を選んだ。定評ある米ネクスト社のOPENSTEPを次期MacOSのベースとして採用する。

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ユーザーを安心させるための妙案

 PublicBeta版には、消費者にまったく新しいユーザー体験を試してもらい、フィードバックを得る目的があった。しかし、期待を集めながらなかなか登場しないMacOSXに対する世間の懐疑心を払拭する狙いから、未完成であってもここまで開発されている内容を公にすることも重要だった。

 従って公開ベータ版という形態は、新OSを一応リリースしたという実績を残しつつ、動作が異様に遅かったり、インターフェースに使いにくい部分が散見されても言いわけが立つ点がアップルにとってのメリットと言えた。

 この時点ではインターフェースのデザインも完全に固まり切ってはおらず、メニューバーのアップルマークも中央に位置していたのが、かえって斬新に感じられました。しかし、このアップルマークは機能を持たず、MacOS9までの特別な役割に慣れたユーザーには違和感もあった。

 また、OSにバンドルすべき純正アプリの種類についても依然として試行錯誤の時期にあり、PublicBetaにはMP3プレーヤーやドローイングツール、HTML編集といったアプリが付属していたものの、正規版の10.0からは割愛された。

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↑米国などで発表後、1カ月して日本語版がリリースされた。Finderをはじめとする多くのアプリで日本語のメニューが使えるようになった。

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↑「ことえり」の単語登録も日本語入力に対応。辞書機能も使え、より充実した日本語環境を構築できるようになった

Mac OS X 10.0/10.1

 2001年3月24日、世界中のMacユーザーたちの期待を一身に背負ってリリースされたのが、MacOSXの最初の正式版となったバージョン10.0だ。そのわずか半年後にリリースされた10.1は第一期のMacOSXの完成形と言えた。

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満を持して登場したバージョン10.0

 OSとして強固で安定したUNIXの基本技術と、GUIのメリットを世の中に知らしめたMacOSのユーザーインターフェースを融合したMacOSXは、iMacの成功が三段跳びの「ホップ」だったとすれば、「ステップ」に相当する重要な製品だった。

 水の透明感や流れを思わせる滑らかなAQUAユーザーインターフェースは、確かに新時代の到来を感じさせ、万国共通の信号機の色を参考にしたウィンドウの操作ボタン(閉じる=赤、Dockへの格納=黄色、最大化=青)も非コンピューターユーザーにとってわかりやすい色使いと言えた。

 また、元になったNEXTSTEP/OPENSTEPが持つカラム構造のファイルブラウザーやDock機能、よく使うファイルやアプリへのリンクをまとめた「シェルフ」と呼ばれる仕組みも巧みにアレンジされて組み込まれ、新たな使い勝手のよさをもたらすことになった。

スムーズな移行のためのClassic環境

 OSXはまったく新しいOSプラットフォームであったため、10.0の登場時には対応するサードパーティーアプリは皆無に近かった。また、既存ユーザーはMacOS9のソフトウェア資産を持っており、MacOSXへの移行に伴ってそれらが使えなくなる事態は何としてでも避けたかっただろう。

 そこで開発されたのが、Classic環境と呼ばれる旧MacOS用アプリ(=Classicアプリ)を実行するためのハードウェア仮想化レイヤーだ。MacOSXのハードディスク内にMacOS9(MacOS9.1以降)を直接インストールし、双方を並列に起動させるというもので、ハードウェアに直接アクセスするようなアプリを除けば互換性は高かった。

 Classicアプリの利用時には、アピアランス(ウィンドウ枠やメニューバーなどの見かけ)や日本語入力のためのインプットメソッドもMacOS9のものとなるほか、MacOSXのメモリー保護の恩恵も受けられないため、あるアプリのクラッシュがClassic環境自体のフリーズにつながった。また、Classic環境があまりうまく機能してしまってもMacOSXへの完全移行が遅れる可能性もあり、諸刃の剣のような側面もあった。

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↑MacOSXにはネイティブアプリが不足していたため、Classic環境と呼ばれるMacOS9.1以降の旧MacOSをインストールして実行できる仕組みが備わっていた

デジタルハブも視野に入れた展開

 2001年と言えば、アップルがデジタルハブ戦略を打ち出した年でもあった。デジタルハブとは世の中にあふれているデジタルカメラやMP3音楽プレーヤーなどのデジタルライフスタイル製品を束ね、それらの機能性を高めるハブとしての役割をMacが担っていくことを指し、MacOSXもそれに向けて進化し始めていた。

 例えば、10.0ではiTunes上でオーディオCDしか作成できなかったが、10.1ではFinderから直接CD-RやDVD-Rへのデータの焼き込みが可能となり、デジタルカメラやスキャナーからのイメージデータの受け皿となる「イメージキャプチャ」アプリもバンドルされた。こうしてMacOSXは、ようやくメインで使えるOSへと育っていったのだった。

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↑10.0から10.1の機能面での大きな進歩としては、前者ではサポートされていなかったCD/DVDの作成や再生が可能になったことが挙げられる

Mac OS X 10.2

 10.2は処理速度だけでなく、Classic環境の起動時間も大幅に短縮された。日本以外では開発コードが製品名に添えられた最初のMacOSXとなり、これ以降、マニア以外にもコードネームが浸透していく。

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世界中のユーザーを意識した拡張

 前バージョンの10.1でMacOSXの基礎固めを終えたアップルは、2002年8月にリリースした10.2で新たな領域の開拓に乗り出していく。そのひとつがローカライズだ。


 1984年に初代Macintoshを作り上げたときから、アップルは米国や英語圏だけでなく世界のさまざまな地域で使われることを意識。プログラムと、メニューやメッセージのテキストデータを切り離したことで、ローカライズ作業の環境を整えていた。また、その進化の過程で漢字のような2バイトコードや、アラビア語のように右から左に向かって書き進める言語もサポートする「WorldScript」という仕組みもOSに組み込んでいった。


 また、1台のMacを子供や初心者がいる環境で利用することを考えて、「Finder」の外観と操作を簡略化し、シングルクリックでファイルを扱える「シンプルFinder」モードも選べるようにした。この機能は、いまでも「システム環境設定」の「ペアレンタルコントロール」から選択することが可能だ。ほかにも、障がいのある人にMacOSXの環境を使ってもらうために、各種操作のカスタマイズや外部装置の接続などを可能にする「ユニバーサルアクセス」を導入。10.2を幅広いユーザーにアピールする機能のひとつだった。

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↑連絡先に入力したデータが、ほかのアプリケーションからも利用できるようになった。システムワイドな情報共有の仕組みが採り入れられたのも10.2からだ

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↑連絡先のデータは、業界標準だったvCard形式にも対応。同形式をサポートしたアプリやiPodでも利用できた

Mac OS X 10.3

 10.3は、USB端子標準装備のMacをサポートする最初のMacOSX。デザイン面ではブラッシュドメタルの金属調になり、
iTunesのウィンドウデザインがFinderでも採用された。

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MacOSX初の大幅なデザイン改訂

 2003年10月にリリースされた10.3は、MacOSXとなって初めてデザイン面での大幅な変更を遂げた。初代iMacのような透明感のあるストライプの地紋を採用していたメニューバーやウィンドウのディテールが、ブラッシュドメタルと呼ばれるヘアライン仕上げの金属調に切り替わったのだ。これはPowerBookやPower Mac G5、サーバー専用機のXserveといったMacのボディーにアルミが採用されたことに伴う変更だった。

 それと同時に、iTunesに見られたサイドバーのあるウィンドウデザインが「Finder」に採り入れられ、登録されたアプリケーションや書類、ピクチャーなどの主要なフォルダーにワンクリックでアクセスできるようになった。

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↑10.3ではウィンドウデザインやFinderのインターフェースが刷新され、必要なフォルダーに素早くアクセスできるサイドバーが採用された

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↑起動やログイン、「このMacについて」に現れるリンゴマークが10.3からクロムシルバーに変更された

Mac OS X 10.4

 10.4は、10.3に引き続いて検索性の向上が図られた。新しい64ビットCPUのフルサポート、日常的な情報処理の簡便化や自動化を進め、インテルMacにも対応させた歴史的転換点ともいえるメジャーリリースだった。

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ユーザーの負担を減らす処理の自動化

 ユーザーの操作負担の軽減という点で、MacOSXは従来からAppleScriptによってさまざまな処理を自動化させてきた。しかし、多少複雑な処理を行う場合には、自分でプログラムを書く必要があり、それがネックとなっていた。そこで開発されたのが、「アクション」と呼ばれる基本処理モジュールをドラッグ&ドロップで組み合わせ、必要な設定値を選択するだけで実用的なワークフローを作り出せる「Automater」だ。

 Automaterはいわば、自動化の手順自体を自動化してくれる頼もしい存在であり、定型作業の多い現場で盛んに使われるようになっていった。また、Safariでは「RichSiteSummary」フォーマットに基づいて要約配信する「RSSフィード」も新たにサポートされ、ウェブサイトの情報を自動的にリスト化して一覧表示する機能が追加された。複数のサイトにまたがってコンテンツ検索もかけられるため、登録キーワードに該当する最新のニュースを複数のソースから手間なく得ることが可能となった。

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↑複数のアプリケーションが持つ機能を組み合わせてワークフローを作り、さまざまな自動処理を実現できる高度なマクロ環境のAutomatorも10.4から加わった

 このように、MacPeople5月号(3月28日発売)ではMacintosh30周年特集第3弾として「History of Mac OS」を大特集。System 1.0からMac OSと名称を変えたSystem 7.6、初代iMacにプリインストールされていたMac OS 8、最新のOS X Mavericksまで歴代Mac OSが受け継いできた仕組みや機能を隅々まで紹介しています。

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