2014年03月27日13時00分

Mac II/SEなどが採用!フロッグデザインの創始者、エスリンガーの注目著書|Mac

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 初期のアップル製品のデザインを支えたプロダクトデザイナー、エスリンガーがデザインの戦略的利用をさまざまな角度から提示する書籍「フロッグデザイン創設者 ハルトムット・エスリンガー形態は感情にしたがう」がボーンデジタルから3月27日に発売されます。Apple IIcや初期のMacintoshデザインの誕生秘話も明かされた、ファン垂涎の一冊です。アップルの歴史に詳しいテクニカルライター大谷和利氏による書評をお送りします。

「フロッグデザイン創設者 ハルトムット・エスリンガー形態は感情にしたがう」
●ボーンデジタル(外部サイト) ●5040円

ハルトムット・エスリンガー
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デザインの正しい活用は最終的に利益を最大化する

 本書は、世界有数のデザインコンサルティング企業であり、1980年代半ばから90年代初頭にかけてアップル製品のデザインディレクションを手がけて同社の戦略的ブランディングを支えたフロッグデザインの創設者、ハルトムット・エスリンガーのデザイン哲学を複数の共著者とともに豊富な実例によって記した力作だ。

 いわゆるモダンデザインは「形態は機能に従う(form follows function)」というテーゼに基づいて発展してきた部分がある。これに対してエスリンガーは、本書の邦題ともなっている「形態は感情に従う(form follows emotion)」という方向性を打ち出し、求められる機能を満たしたうえでユーザーの感情に訴え、寄り添うデザインの重要性をさまざまなプロジェクトを通じて証明してきた。それと同時に、近年はデザイン教育にも力を入れ、人類の未来に貢献できるデザイナーを育てるためのシステム構築に時間を割くようになった。

 したがって本書も単なる彼の作品集ではなく「デザインの新しい文化を創る」「デザイン革命を促進する」「デザインでリードする」という三段階の構成を採ることで、ビジネスにおけるデザインの戦略的利用の有効性をさまざまな角度から提示する内容となっている。

 本書の中でエスリンガーは、多くの企業の経営者が一様に「アップルのようになりたい」と口にしながら、その実、目先の利益を追ってイノベーションをないがしろにした現状を嘆き、手厳しく批判する。そして、デザインの正しい活用こそが、加工費を低減し、開発の無駄をなくし、製品ライフサイクル管理を向上させ、ブランド価値を築き、消費者をファンに変え、最終的に利益を最大化してくれるのだとアドバイスしている。

 また、こうしたクリエイティブパワーシフトの実践者であった故スティーブ・ジョブズとの思い出を語り、「Apple IIc」や初期のMacintoshの外装を決定づけたデザイン言語「スノーホワイト」の誕生秘話も明かしている。当事者のみしか知りえないエピソードは、アップルファンならずとも興味をかき立てられるはずだ。

Apple IIcのデザイン開発秘話も
ハルトムット・エスリンガー
本書では「アップルのデザインをコンピュータ業界の最高ではなく、世界で最高のデザインにしたいんだ」という故スティーブ・ジョブズの言葉とともに、当事者のみが知る、Macintosh黎明期のデザイン開発秘話も明かされている。左ページのApple IIcは、1983年の製品とは思えないほど洗練され、当時のエスリンガーとフロッグデザインの意気込みが伝わってくる

 エスリンガーがこれからのデザイナーに求めるのは、単に製品のスタイルを表面的に再定義する能力ではない。デザインの影響力を単純な美化を超えた領域にまで広げて、さまざまな産業の定義を書き換え、天然資源の保全や世界の思考の方向性を変えるところまでカバーできる資質である。そのために彼はいまも志を高く持ち、創造的な人生と仕事をともに追い求めようと読者を誘う。アップルファンやデザイナーを志す人ばかりでなく、戦略的なデザイン活用を考える企業の経営者にも、ぜひ一読を勧めたい一冊だ。

未来の使い方まで想定された
ハルトムット・エスリンガー
角度可変式のモニターや2画面構成、モジュラー構造、さらには楽器としての利用など、エスリンガーたちは1980年代半ばのコンピューター技術や使用法にとらわれず、将来に渡る可能性を見据えたデザインアイデアを次々に具体的な形へと落とし込んでいった。左下隅のモックアップでは、ポインティングデバイスとしてスタイラス(電子ペン)が想定されている
iPadにも通じる「MACPHONE」
ハルトムット・エスリンガー
Apple IIcの発展形(左上)をベースに、フラットスクリーンを一体化したような成り立ちを持つMACPHONE(左下2点)は、ジョブズが初代Macintoshの次の展開として構想していた製品。同時期に右ページのような電話機とタッチスクリーンを融合したMACPHONEのモックアップも作られており、エスリンガーたちの発想は、1984年当時の業界のはるか先をいっていた

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4月号はPortableと両Airが目印
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(2014.3.27 13:30追記)タイトル部分の間違いを修正しました。

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