2014年03月20日14時30分

Crucial『M550 SSD』をベンチ 定番メーカーに速度重視のシリーズが追加

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • Pocket

 3月18日、マイクロンはCrucialブランドで展開するメインストリーム向けSSDの新シリーズ『M550 SSD』を発表しました。Crucialといえばインテルと並ぶSSDのパイオニア、かつコストリーダーでもあります。

Crucial M550 SSD(2.5インチ)
●Crucial(関連サイト、プレスリリース
128GB 1万1550円前後
256GB 1万9950円前後
512GB 3万8850円前後
1TB  6万900円前後

 ちなみに価格は消費税5%で計算しましたが、8%だと1TBが6万2640円で1700円ほどアップします。今のうちに買っておきたいですね。

 

Crucial M550
  M550 M500
容量 128/256/512GB/1TB 120/240/480/960GB
製造プロセス 20nm MLC 20nm MLC
コントローラー 88SS9189 88SS9187
順次読み書き速度 毎秒550MB/500MB 毎秒500MB/400MB
ランダム4K読み書き速度 9万5000/9万 IOPS 8万/8万IOPS
消費電力アイドル/アクティブ 不明/150mW 100mW未満/150mW
信頼性(MTBF) 不明 120万時間
耐久性(TBW) 不明 72GB

 

 メーカーのリリースによると、すでに発売中の『M500』より速度重視の設計で、128GBの順次書き込み速度で約2.7倍、256GBで2倍、ランダム書き込み速度も128GBで約2.1倍、256GBで約1.3倍と大幅に速度が向上しているとのこと。まずはM550の注目すべきキーワードを中心に解説します。

●その1:容量が増えた!
 M550シリーズでは、2.5インチSATA版が128/256/512GB/1TBの4種類、mSATAとM.2版は4月以降順次出荷予定で128/256/512GBの3種類で展開されます。

 1世代前のM500はオーバープロビジョニング領域を設けているために、120/240/480/960GBと容量が減らされていましたが、M550では再び容量が増えました。オーバープロビジョニング領域は書き込み性能の確保や信頼性を稼ぐために使われますが、M550は後述する代替技術の採用でオーバープロビジョニングは不要になった、ということですね。

●その2:性能と信頼性の向上
 M550ではM500よりも順次、ランダムともに読み書き性能が向上しました。コントローラーが『88SS9189』に変わったせいもありますが、M550では書き込み速度を高める“Native Write Acceration”、メモリーセルをRAIDのように扱って信頼性とアクセスを高速化する“RAIN(Redundant Array of Independent NAND”という技術を採用しています。

●その3:データ破損に対し4重の備え
 SSDの信頼性の高さはかなり高まりましたが、SSDのデータの破損のリスクは残っています。これに対応する機能がM550で追加された“Multistep Data Ingegrity Algorithm”です。詳細な仕組みは不明ですが、マイクロン曰く“4重の備えでデータの破損に備える”としています。

 さらに先ほど触れたRAINもデータの破損を防ぐ手段として利用しています。RAINの働きにより、データを記録すると同時にパリティーデータも記録されるため、後々一部のデータが破損してもパリティーから破損したぶんを復元できるようになる、というものです。つまりM550のメモリーセルはRAID5に近い運用になっている、ということのようです。

Crucial M550

 上図はマイクロンによるRAINの解説資料から、働きを示したものです。M550の内部では、データはある一定の“ストライプ”の塊で管理され、一定数ごとにひとつのパリティーデータ(図中P)が設けられます(上)。仮にひとつのストライプが破損しても(中)、残ったストライプとパリティーから読み取れるデータが残る(下)、という訳です。当然読み取ったデータは破損がない部分へ移動されます。もちろんパリティーのぶん容量が少なくなるのでは?空き容量が少なくなっても大丈夫なのか?という疑問はつきませんが、今後調査したいと思います。

●中身はM500と共通点多し
 ではサンプルでお借りしたM550の1TB版をじっくり検分してみましょう。

Crucial M550

 外見はM500と同じ2.5インチ、7mm厚でした。パッケージにはM500と同じ貼付式のスペーサーも同梱されます。

Crucial M550

 裏面のラベルはM500より青が濃くなりました。

Crucial M550

 コントローラーは裏側、中央やや右のチップはキャッシュメモリーです。

Crucial M550

 メモリーチップは表裏あわせて16個、基板のこちら側にもキャッシュメモリーがありました。

Crucial M550

 コントローラーは熱伝導シートと密着していました。

Crucial M550

 MLCフラッシュメモリー『MT29F512G08CKCBBH7』が使われていました。

Crucial M550

 キャッシュメモリーは消費電力を抑えるためにLPDDR2でした。型番は『MT42L256M16D1GU-18』ですが、詳細なスペックは不明です。

検証環境
CPU:Core i5-4670K(3.4GHz)、マザーボード:Intel Z87、メモリー:PC12800 DDR3L 8GB×2、グラフィック:CPU内蔵、OS:Windows8.1 Pro(64ビット)

 まずは『CrystalDiskMark』を使います。テストデータは100MB/1000MB/4000MBの3種類、ランダムデータとゼロフィルデータの都合6通りのテストを実行します。Marvell製コントローラーなのでゼロフィルでも速度に影響は関係ありません。

 また、データを見やすくするためにウインドーの色をSSDごとに変えています。今回は比較用SSDの容量を合わせることができなかったため、あくまで各SSDの傾向をみることにします。

・ピンク……M550 256GB
・赤……M550 1TB
・水色……インテル『SSD 730(SSDSC2BP480G4)』(480GB)
・緑色……インテル『SSD 520(SSDSC2CW240A3)』(240GB)
・灰色……Crucial『M500(CT480M500SSD1)』(480GB)
・紫色……CFD販売『S6TNHG5Q(CSSD-S6T256NHG5Q)』(256GB)

 それではテストデータの小さい順に比較していきます。

100MB×5 ランダムデータ

M550 256GB
Crucial M550
M550 1TB
Crucial M550
SSD 730 480GB SSD 520 240GB
Crucial M550 Crucial M550
M500 480GB S6TNHG5Q 256GB
Crucial M550 Crucial M550

4000MB×5 ランダムデータ

M550 256GB
Crucial M550
M550 1TB
Crucial M550
SSD 730 480GB SSD 520 240GB
Crucial M550 Crucial M550
M500 480GB S6TNHG5Q 256GB
Crucial M550 Crucial M550

 まず順次読み書き性能については、所々でトップを取り損ねていますが、読み書きともに安定して速いことがわかります。M500と比較すると、書き込みが安定して速い印象ですね。RAINやNative Write Accelerationの効果が出ているようです。また、M550の1TB版は256GBに比べ、微妙に遅い結果が出ました。

 しかし、印象深いのはランダムアクセス性能でしょう。ランダム512KBの読み出しでは、M550はどのデータサイズでも安定して毎秒430MB前後の値を出しています。所々で他社製SSDに僅差でせり負けた部分はありますが、RAINによって効率良くアクセスできる、という効果の一端が見えた気がします。

 そしてランダム4Kでキューデプスが深くなると、いよいよM550の無双状態にはります。いちばん小さい100MB×5テストを除外すれば、安定して毎秒400MB超えというのが印象的です。ただ、個人使用のPCでここまでキューデプスが増える状況が続くことは考えにくいのですが、マイクロンもまた順次読み書きよりもランダム重視にシフトしていることがわかりました。

 次に、『AS SSD Benchmark』も使ってみました。圧縮率テストは使わず、シンプルな読み書き性能のテストとファイルコピーをシミュレートするテストを実行します。

M550 256GB
Crucial M550
M550 1TB
Crucial M550
SSD 730 480GB SSD 520 240GB
Crucial M550 Crucial M550
M500 480GB S6TNHG5Q 256GB
Crucial M550 Crucial M550

 M550の順次読み書き性能は毎秒500MB近く出ていますが、注目したいのは“Acc.Time”の値。M500は読み込み時0.04ミリ秒、書き込み時0.05ミリ秒でしたが、M550の1TBでは読み出し時0.035秒と微妙ながら短縮されています。読み書きどちらも0.03ミリ秒というSSD 730のスゴさが逆に際立ってしまいましたが、M550は軽快さにおいても旧製品を少し上回っているのかもしれません。

 最後に『PCMark8』のストレージテストを実行しました。まずは総合スコアーを比較します。

Crucial M550

 じゃっかんM550の1TBが低いスコアーになりましたが、ほかのSSDとのスコアー差はほとんどありません。SSD 730の5000スコアーには一歩及ばずでした。

●まとめ:性能は良好!あとは値下がりを待つだけだ!

 M550の性能を見てきましたが、現役最速とまではいかないものの、読み書きの特性に変なクセがない製品に仕上がっています。ただ、SSDに入れておいた写真がいつのまにか破損して困った経験をもつ筆者にとっては、長期間使った際にRAINやMultistep Data Integrity Algorithmが保全性にどう影響するかをじっくりテストしたいところではあります。

 ちなみに、現在発売中の週刊アスキームック『超速SSDにサクッと乗り換えられる本』では、現在発売中のSSDを徹底的にベンチしています。M550のデータとも比較してみてくださいね。

週刊アスキー
Amazonで購入は表紙をクリック

関連記事

あわせて読みたい

最新のニュース

アスキーストア人気ランキング

特集

Comic

アクセスランキング

Like Ranking