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祝 Macintosh 30周年!! 初のPowerPC搭載機!PowerBook 5300|Mac

2014年03月05日 18時00分更新

 1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。

 ノート型マシンとして6回目に紹介するのは、PowerBook 5300シリーズです。68Kの最高峰シリーズであったPowerBook 500シリーズの後継のPowerPC搭載機種でした。しかし、このモデルも寿命は長くはありませんでした。68KとPowerPCの過渡期とはいえ、AppleのPowerBookシリーズが混沌としていた状態だっといえるでしょう。

 特に最上位モデルのPowerBook 5300ceは、PowerPC 603の117MHzを搭載するなど当時のノートとしては最強スペックでしたが、価格が60万円以上と一般ユーザーには到底手の届かない超高級機でした。このあとAppleのノートマシンは、PowerBook G3シリーズの登場までは、かなりの紆余曲折を経ることになります。

Macintosh PowerBook 5300シリーズ
(5300/100/5300cs/100 /5300c /100 /5300ce/117)

 最初にPowerPCを採用した記念すべきモデルにもかかわらず、5300はPowerBookの歴史の中では比較的地味な存在だ。おそらくPowerPCの採用以外にこれといった特徴がなかったのが原因だろう。

PowerBook 5300
PowerBook 5300ce。ほかの3モデルとは異なり、PowerPC 630の117MHzを搭載するなどハード仕様が頭ひとつ抜けていた

4種類のモニターによる4種類のモデル

 1995年8月にPowerPCを標準搭載する初めてのPowerBookとして登場した5300には、4種類の内蔵液晶モニターを搭載した4モデルがあり、すべて同時に発売された。最初に登場した4機種以外に、新たなモデルが追加されることはなく、5000番台の型番を持った後継機も登場しなかった。5300シリーズのエントリーモデルは、後ろに何も文字が付かないPowerBook 5300だ。このモデルだけ、当時としてはやや時代遅れの感が否めない対角9.5インチサイズの液晶モニターを採用していた。解像度は上位モデルと同じ640×480ドットながら、本体サイズに比べて液晶パネルはいかにも小さく、そのぶんベゼルの幅が広くなっていた。しかも4ビットで16階調の表示が可能なパッシブマトリクス方式(デュアルスキャン)のグレースケールモニターという仕様だった。

 5300の残りの3モデルは、後ろに「cs」「c」「ce」という3種類の文字を付けて区別される。いずれも10.4インチの液晶パネルを採用していたが、仕様はそれぞれ異なっていた。2番目に価格の安い5300csは、パッシブマトリクス方式ながらカラー表示が可能な液晶パネルを採用していた。次の5300cは、アクティブマトリクス方式のカラー液晶パネルを採用し、下位2モデルに比べて格段に優れた表示品質を実現していた。しかも、1ドットあたり15ビットを使用して約3万2000色の表示が可能となっていた。PowerBook 5300のCPUは全モデルがPowerPC 603eを採用していた。下位3モデルは、いずれもクロック周波数が100MHzだったのに対し、最上位の5300ceのみは117MHzで動作するCPUだった。内蔵液晶パネルは、当然ながらアクティブマトリクス方式で、このモデルのみ最大解像度が800×600ドットとなっていた。ただし価格は、5300の約3倍でcsとcを合計した程度の高い定価に設定されており、なかなか手が出せない高根の花だった。

リムーバブルドライブベイを採用

 500にはなかった5300ならではの特徴としては、着脱式のドライブベイを装備したことが挙げられる。標準状態ではフロッピードライブが装着されていたが、それを外せば、当時書き込み可能なディスクメディアとして一般的だったMOドライブなどを代わりに装着できた。実際に日本では、このドライブベイに適合したMOドライブがサードパーティーから何種類も発売された。またこのベイに着脱するドライブは、PowerBookの電源を入れたまま、つまりMacを使用中でも交換可能な「ホットスワップ」機能を実現するという特徴を備えていた。このようなドライブの着脱機構の採用は、ほかにこれといった特徴が思い浮かばない5300にとっては、大きなメリットだったのは間違いない。ただし、ベイのサイズの制限により、適合するドライブは3.5インチ(約9cm)メディア用までに限られていたため、CD-ROM(12cm)ドライブなどを利用できなかったのは残念な点だった。

PowerBook 5300
PowerBook 5300
PowerBook 5300シリーズの側面。液晶面に向かって右側面にフロッピードライブ、左側面にPCカードスロットを搭載していた

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 さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。

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 また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

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