2014年02月19日07時00分

SmartNews人気の秘訣Smartモードでは何が行なわれているのか?

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 2012年12月のリリースから14ヵ月で300万ダウンロードを達成し、人気急上昇中のニュース閲覧アプリ『SmartNews』。ソーシャル上からURLのある投稿をリアルタイムで解析し判定、いままさに注目されているニュース記事を自動的に選定し、カテゴリーに分けて表示する。わかりやすくサクサクした動きで操作しやすい“ユーザーインターフェース”と、電波がつながりにくい場所でも読み込みの早い“Smartモード”が特徴だ。2013年12月にはGoogle Play Best of 2013の“アプリオブザイヤー 2013”にも選出されている。

SmartNews

 Smartモードは配信される記事ページの中から、テキストと画像だけを簡易的に表示するもので、それがコンテンツ配信者が意図せぬ表示であると議論の的にもなった。現在は“チャンネルプラス”機能で多くの媒体とパートナーシップを組み、JOC公式メディアの読売新聞からソチ五輪のニュース記事配信を受けるなど良好な関係を築きつつある。SmartNewsの今後について、藤村厚夫執行役員に話を聞いた。

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――SmartNewsの特徴は何でしょうか?

 2つの特徴があり、ひとつは手触り感のある記事の閲読体験、きびきびした操作性に、ウェブモードとSmartモードと2つの表示モードも見た目もわかりやすいと評価いただいています。2つ目は良いコンテンツだけを選び出す仕組みがあります。ツイッターの投稿にあるURLを収集し、リアルタイムに注目あるコンテンツを集めて、どれが注目を浴びているかがわかります。それを適切なカテゴリーに分けて、レイアウトを含めて考えられています。コンテンツを選び出すエンジンは、SmartNews設立以前から運用しているウェブサービス“Crowsnest”のものです。このサービスは、2つの特徴のうちのひとつはできていましたが、刺さりませんでした。モバイルでネイティブアプリでやろうと思えば、とことんできる。操作性は0.0何秒を付きつめて、気持ちの良い閲覧体験を提供したいです。

――確かにサクサクした操作性は使っていて気持ちが良いです。

 苦労しています。ネイティブはとことんチューニングはできますが、機種への依存度が高まってしまいます。アップルは機種が絞られていますが、Androidは多用でこちらは気持ちよくめくれるのに、こちらは遅いなど、フラグメンテーションは技術的には難題なんです。チューニングをこだわっているので大変です。気持ちよさは操作性のチューニングだけではなく、フォントの長体だったり、フリップで行ったり来たりしているとき、ユーザーの多くはめくったとしても見出しは頭に入るよう、そのめくりながらもどう認識を高められるか考えています。

――紙の編集者のような感覚ですね

 ウェブの時代になって、印刷の時代では考えられていたページレイアウト、見出しの使い方、自由さなどに比べてできることが限られていました。なので読みやすさに意識が希薄になっていました。ネイティブアプリになることでできることが増え、表示の美しさ、工夫は着目されてくる時代になっていると思います。禁則処理などもです。

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――記事のカテゴリー分けはどのように行なわれているのでしょうか?

 表示する記事はTwitterパブリックストリームのURLから記事内を言語判定させています。それを機械学習でカテゴリー分類しています。政治であれば、いったんサンプルにあたるものをエンジニアが政治として一定の規模を集めてコンピューターにスキャンさせる。それで政治というカテゴリーに判定できるようにする。ただ限界が生じやすく、政治か国際かなどあいまいな判定ができません。政治と決めきれない場合、配信されないことになってしまう。それが良いコンテンツであってもなので、”処理できない”を減らしていきたいです。

――もっとカテゴリーが欲しいという声はもあるのでは?

 おっしゃるとおりです。ただトップページは現在、10個のカテゴリーを設けています。より詳細なカテゴリーに分類していきたいというのと、一方ではカテゴリーは増やさないほうが良いと、なぜかはユーザービリティーが落ちていくのを社内的に気にしているからです。今でも漏らしている分野はあります。スポーツをさらに細かく割っていく、音楽、ライフスタイル、ファッションなどもやりたい。タブを増やすことはユーザービリティーとトレードオフと侃々諤々の議論になってしまします。カテゴリーが増える一方ではリスクが高く、ソチ五輪は期間限定などでどうにか潜り抜けました。

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――Smartモードでは何が行なわれているのでしょうか?

 SmartNewsではトップページの見出しをタップすると、内蔵ブラウザーで媒体社様のサイトへつながり記事が表示されます。Smartモードは非常に軽くコンテンツを表示する仕組みです。記事の読み込み中に“すぐに読む”をタップすると主要なグラフィックとテキストがすぐに表示されます。回線が途切れ途切れのときなどでも、たくさんの記事を読むことができる。Smartモードで読まれたらサイトがいらなくなってしまうと声も上がりますが、基本はウェブモードと一体でSmartモードで読んでいても最終的にウェブモードを表示することになります。Smartモードからトップページに戻るには、ウェブモードを経由します。記事のアクセスそのものを損しているわけではありません。ウェブモードからSmartモードへすぐに遷移するユーザーも半分くらいです。今はLTEも普及し、スマホでもウェブモードでリッチな状態で読めますし、ウェブモードだけで済ませたいというユーザーも多くなっています。

――オフラインで読める機能でキャッシュは端末側にあるのでしょうか?

 そこは媒体社さんのご懸念、ご心配をお掛けする部分でもあって、プロキシサーバーにキャッシュを持たせて短いサイクルで消滅させていく仕組みです。つまりどこかに複製ををがっつり持つのを避けるという観点で、アーキテクチャーをいじってきています。今、完全に通信を途切れている状態では、プロキシと端末のキャッシュと限定的な時間でしかコンテンツを読めなくなっています。完全にオフライン状態で読めるという状況からはシフトはしてきています。

 サーバーは優れたエンジニアが開発してくれているので、利用体験は過去のアーキテクチャーと変わらないモノになってきています。新しいコンテンツを見つけて表示させると、場合によるとコンテンツの表示まで時間が掛かってしまうかもしれません。そこは媒体社様やユーザーの中でも権利関係を気にされる感覚を大切にしようとする変化の中で、利用感も変わってきています。

 当初はSmartモード大歓迎の中でスタートしました。過去、地下鉄の中ではコンテンツが読めないのが普通でした。通信環境がよくなるにつれて、そこだけに力を入れなくても、利用者の快適さは担保できるかなと思っています。いろいろな関係者の方々に安心なアーキテクチャーのほうがいいと思ってい、改修を進めています。

――逆に公式にキャッシュを持って快適化するというのは?

 Smartモードが圧倒的な支持が常にあり続けるのであれば、逆にキャッシュを持たせていたくこと、コンテンツの複製を持たせていただくことを媒体社様と契約をして、媒体社様とユーザーとの間でお金のやり取りをしていく課金モデルも可能性はあるのかもしれません。ただ、どうでしょうか。Smartモードへの満足感、期待感は通信環境の向上の中で、相対的になってきている。Smartモードを使い、オフラインで読めるから閲覧できるからお金をください。それでオーケーと言ってくれるかは微妙かなと思っています。

――SmartNewsがニュース業界の新しい収益モデルをつくり出していくというのは?

 それは良いお話ですね。欲求としてはありますね。今お話ししたことを実装するつもりはありませんが、プラスアルファの快適さを機能的に実装できれば、快適にもっと記事を読めるというなら、そこの差分だけは課金はしても許されるかもしれない話はあるかもしれない。もともとフリーで読めるもの、いきなり課金という転換はあり得ないです。有料はサブスクリプションなど、そういうスキームに持ち込まないといけません。こういう実りの可能性はSmartNewsはかろうじてあると思いますので、チャレンジしていきたいテーマです。

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――これからやりたいことなど話せる範囲で伺えますか?

 ひとつめは基本は利用体験の向上です。ユーザーの快適さを大きく落とさずに、チャンネルやコンテンツを増やしていくやり方を考えていく段階にきています。突っ込んだ情報がほしいというニーズがある一方で、複雑すぎてもう読めなくなるとなげ出されるリスクも背負っています。両方をプラスに統合するためには、増える機能があるなら減る機能も、リコメンゼーションもそうかもしれません。ユーザーインターフェースも日夜取り組んでいます。

 2つ目は収益の上げ方、広告と課金という方法があると思います。両方ともやってみたいですが、広告はなかなかモバイルの広告は十分な実入りはなかなか期待できない。新しい機能だとか、新しいフォーマット、ユーザーターゲティングをできないと厳しいと思っています。過去の文脈にとらわれてしまうと、ユーザービリティーを最終的に落としてしまう。機能上、意味のある広告を我々が発明するかがテーマでもあります。課金の仮説は先ほど話したようにあります。

 3番目としては精度を上げていきたい。判断に困って捨ててしまっているのが悪いんですが、精度を上げていくというテーマがあります。誤報、デマ、悪意のあるもの流通することに荷担してしまわないようにしたい。人為的なミスをリカバリーするのもあります。あえて意図する、間違ったデマを流通することを抑止するか技術的なテーマがあります。これは人間的な努力を超えてしまっている事象が多いので、技術をベースにした対抗力が必要です。ビッグデータをリアルタイムにマイニングしていき、このパターンのものはデマであると早いタイミングで断定できるようにしていきたい。比較的、安心なコンテンツ流通の世界をつくりたい。そのための投資、研究開発はやっています。地味ですけど重要です。

 4番目は海外進出を考えています。URLをリンクを解析するというのは言語依存ですので運用できている。現在は日本語でしかやっていないが、さまざまなドメスティックな領域に適応していくのはやっていきたい。機械的にできるものではないので、その地の言語を使っているパートナーやスタッフは必要ですね。

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