週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

モトローラブランドで出してほしいレノボのスマホ

2014年02月05日 12時00分更新

 グーグルからレノボへのモトローラの売却が決まりました。ここ数年のモトローラはアメリカ市場に特化した少数精鋭の製品ラインアップで事業を続けていましたが、レノボ傘下となることで製品種類の大幅な増加が期待されます。

レノボ

↑モトローラの現状は?

 グーグルが2012年半ばにモトローラを買収して以来、実はモトローラのスマートフォンは製品数が一気に減ってしまいました。2013年に大々的に発表したデザインをカスタマイズできるMoto Xは残念ながらヒット商品にはなれず。また2011年秋から投入した往年のヒット製品『モトレーザー(Motorola RAZR)』の名前を復活させたスマートフォン『ドロイド・レーザー(Droid RAZR)』も2013年にシリーズ終了。世界中からモトローラのスマートフォンが急激に無くなりつつあるのが現状なのです。

レノボ

↑中南米でも強いモトローラ。

 とはいえモトローラのブランド力は完全に失われてはいません。アメリカでは各キャリア向けにスマートフォンを定期的に出していますし、中南米でもミッドレンジモデルのラインナップを揃えています。一方、今回モトローラを買収するレノボはPCの世界では世界各国で知名度を大きく上げているものの、スマートフォンは中国以外ではごく一部の地域で製品を販売するにとどまっています。

レノボ

↑レノボ製のモトブランドスマホが登場か。

 世界市場でシェアを拡大したいレノボにとって、今回のモトローラ買収はそのブランドを手に入れるだけでも大きなメリットがありそうです。ではレノボは今後どのような製品を展開していくのでしょうか。IBMからThinkPadを買収した際はそのブランド力と製品力の高さからThinkPadのラインは従来製品を引き継ぎLenovo独自のPCとは異なる製品として投入しました。これに対してモトローラのスマートフォンは現在製品数が少ないため、おそらくレノボのスマートフォンの一部が市場によってはモトローラブランド製品として投入される可能性も高そうです。

レノボ

↑Vibeシリーズはモトローラとして出してほしい。

 レノボのスマートフォンの新しいブランド“Vibe”シリーズは、シェアの高い中国でもまだあまりその名前は知られていません。これから世界に打って出るレノボとしてはこのVibeの名前を広げていきたいところでしょうが、無名のブランドを数あるライバルメーカーの中で浸透させていくのはかなり困難でしょう。各国で発売予定の『Vibe Z K910』はLTE対応、5.5インチフルHDディスプレイ、2.2GHzクアッドコアCPU搭載のフラッグシップモデルですが、モトローラの名前を付ければより多くの消費者から注目を集めることができるのではないでしょうか。

レノボ

↑6インチファブレットも悪くないぞ。

 Vibeシリーズには6インチHDディスプレイ搭載の『Vibe S930』もラインナップされています。大画面ながらも価格は300ドル台と低めに抑えられていることから、タブレット代わりや2台目用にも向いている製品です。これにモトローラのロゴを付けても違和感は無さそうです。

レノボ

↑オクタコアCPU機もモトから出してほしいね。

 6インチで解像度がHDでは物足りないって人にはフルHDの『S939』もあります。しかもCPUはMTK6592。中国で今、各社が搭載を競い合っているオクタコアCPUを採用しています。グローバル市場でもアルカテルが同CPU搭載スマートフォンをいち早く展開する予定ですが、レノボが先進国に入り込むためにはこの高速CPU搭載機をモトローラブランドで出すのが早道になるかもしれません。

レノボ

↑ミッドレンジもいい製品出しているレノボ。

 ハイエンド市場ばかりに目を奪われがちですが、ミッドレンジでもレノボは売れ筋商品をよく出しています。こちらの『A656』は1万円台半ばながらも5インチqHDディスプレイに1.2GHzのクアッドコアCPUを搭載、ボディーの色もカラフルです。モトローラの低価格スマートフォン『Moto G』に画面解像度は負けるもののサイズでは上回り、価格もほぼ同等。レノボがMoto Gをシリーズ化してミッドレンジの主力モデルにしていく、なんてことも十分可能でしょう。

レノボ

↑モト・パッド(あるいはXOOM)の登場は?

 さてスマートフォンとタブレットの境界があいまいになっていく中で、レノボはThinkpad 8など意欲的なタブレットPCもリリースしています。現状ではタブレットはIdeaPadとThinkpad、そしてYogaなどのブランドで展開していますが、市場によってはモトローラブランドでのタブレットの投入もありうるかもしれません。モトローラのタブレットは久しく出ていないだけに、レノボからの復活は個人的にちょっと期待したいところです。

レノボ

↑新生モトローラのこれからに期待。

 もちろんモトローラ独自の新製品もこれから出てくるでしょうが、手っ取り早く製品を増やすためにハイエンドモデルはレノボの製品と本体のカラーやロゴ変更程度で製品を共用するかもしれません。果たしてレノボがモトローラをどのように扱っていくのか、これから興味が尽きないところです。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう