2014年01月10日21時10分

ソニーがスマートウェア『Core』に挑む本当の理由:CES2014

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 CES2014で、4KテレビやXperia、VAIOといったメインストリーム以外にも、『Core』やテニスラケットをスマート化するセンサーの参考展示など、“王道のプロダクト”をしっかり進化させつつ、さらに+αの取り組みを見せたソニー。

 このスマートウェア系のデバイスにはどういう想いが込められているのか?またXperia CompactやZ1S発売の背景についてまでもをまとめて、UXデザイン&企画部門のVice Presidentを務める黒住氏にうかがった。
 黒住氏はソニーエリクソンを経て、その後商品企画畑をずっと担当してきた人物。現職は、その商品企画全体を横断的に俯瞰する立場になっている。

ソニーのスマートウェア『Core』

黒住吉郎氏
ソニーモバイルコミュニケーションズ
UXデザイン&企画部門
UX商品企画部
Vice President, Creative Director

●“スマートウェア”参入でソニーが思い描く、新しいエコシステム

 ソニーモバイルがCES2014で発表した大きな取り組みの1つは、身につけるライフログセンター『Core』を中核とする、“スマートウェア”という新ジャンルへの参入だ。

 2012〜2013年を通して、ソニーは既存の“穴のない手堅い商品企画”とは別の軸で判断されたと思えるような、面白くて挑戦的な商品をいくつも発売した。レンズスタイルカメラ『DSC-QX100・QX10』シリーズや、フルサイズCMOSを単焦点レンズを組み合わせた高級コンパクト機『DSC-RX1』、ひょっとすると7.5万円もする最上位ウォークマン『NW-ZX1』もそれに入ってくる。

 そうした既存の“いかにもありそうな製品”の枠から飛び出し、かつ魅力的な製品を次々にリリースする同社を見て、“あのソニーが帰って来た”という感じ方をしているのが僕だけではないことは、既報の記事(関連リンク)へのツイッターコメントやFbのいいね!数を見ても感じる。

 黒住氏によれば、(前述の商品群が該当するのかはイトーの想像に過ぎないわけだけど)企画書の手堅さではなく、“これ、いいよね”というある種のノリで商品企画を進められるような社内体制には、確かに最近変わって来ているそうだ。20年前にはできていたような担当者の情熱を良しとする前のめりな商品企画が、再びソニーの中に取り戻されつつある。今回のスマートウェアについても、そうした流れの中の取り組みだと黒住氏は語る。

 ウェアラブルデバイスというジャンルは、2014年、大きく飛躍するのは間違いない。実際、過去最大規模の実施となったCES2014の会場を見渡しても、スマホとつながるセンサー系ガジェットやヘルスケア系ガジェットは無数といえるほどにある。
 先行者という意味では、FitbitやJawbone UPなど強敵もいる。
 そのなかにあってソニーが考えていることは何か?

ソニーのスマートウェア『Core』

 黒住氏によれば、いまあるライフログセンサーは、極端にアクティブかヘルスに寄っているものが多い。『Core』で狙うのはそうした方向ではなく、毎日を記録するライフログ、ソーシャルネットワーク(での共感)、エンターテイメントという3つの軸を持つデバイスにしていくという。

 スマートウェアのコンセプトを訊いたなかで印象深かったのが、“あえて機能を増やさない”というアプローチをとったことだ。
 黒住氏が長年関わって来たケータイやスマートフォンは、集積技術の塊のようなデバイスだ。特にXperiaではデジカメと変わらないような画質を実現したいと、薄型筐体に大きなCMOSセンサーを搭載するようなことをやってきた。Coreではそのまったく逆のこと、つまり「必要最低限だけの機能にしたらどうなるか?」「取り外せるものはどんどん外していこう」とチーム内で議論し、製品を練り上げて来た。

 その結果生まれたガジェットの仕様は非常に割り切ったものだ。
 加速度センサーとバイブ機能とスイッチ1つ、ディスプレーすら持たない。その代わりに、親指ほどの大きさに収まる。これが『Core』だ。

 GPSを内蔵させたり、ディスプレーを載せて時計や情報を表示させてはどうか? という企画提案は実際に社内でもあったらしい。しかし、最終的にはそれは採用しなかった。
 そうした機能のチョイ足しによって、少しずつ大きく、わずかずつ重量が増す。その差異が積み重なると、毎日身につけるには微妙に大きい、なんでもできるけど本当に必要なのかどうかわからないようなものになる――デジタル業界では過去何度も繰り返されて来たことだ。
 僕としては、Coreは引き算の哲学でつくられた、というようにとらえた。

ソニー 『Core』

 Coreと組み合わせて使うライフログアプリは、CES2014時点ではこんなデザインでデモされていた。とはいえ、動画素材によるデモ映像で、実際に動いていたわけではない。
 会場で公表されていた資料によれば、以下のことができる

記録できる行動ログ 歩く、走る、サイクリング、列車での旅行、睡眠、撮った写真の閲覧、聴いている音楽、プレイしたゲーム、ソーシャル
機能 『ライフブックマーク』
生活の中で特別な出来事が起こったときに、Coreのボタンをプッシュすると、その瞬間を記録する
Core仕様 加速度センサー、バイブ、LEDインジケーター内蔵、重さ約9g

 

 現時点ではこのCoreと『ライフログアプリ』についてはこれ以上の情報はない。インタビューのなかでひとつわかった重要な点は、方向性として、Xperiaでしか使えないようなセンサーにするつもりはない、と明言されたこと。他社のAndroid端末や、ソニーの自前サービス以外のサービスとの連携など、Coreを中心としたエコシステムをつくっていくことを強く意識しているという。
 なお、詳細については2月24日から開催される通信機器ショウ『MWC2014』で明らかにされる予定だ。

(後編では、Xperia Z1Sなど北米の状況と取り組みを訊きます)

●関連リンク
SONY CES2014特設サイト

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