週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

WP8初のフルHD端末、ノキア『Lumia 1520』レビュー

2014年01月02日 15時00分更新

 ノキアの『Lumia 1520』は、Windows Phone 8初の6インチ・フルHDの大画面と、クアッドコアCPUを搭載した、正真正銘のハイエンドスマートフォンです。

ノキアLumia1520レビュー
↑Lumia 1520。フルHD解像度の画面や、クアッドコアCPU“Snapdragon 800”をWindows Phone 8として初めて搭載する。

 ノキアはスマートフォンと呼んでいるものの、いわゆる“ファブレット”級のサイズとなるこの端末を、フランス・パリへの出張中に使ってみたので、さっそくレビューしてみたいと思います。

■6インチは大きいが見た目より軽い

 これまでのLumiaシリーズで最大のディスプレーは、Lumia 625の4.7インチ。Lumia 1520はそれを大きく上回る6インチを採用しています。また、画面解像度はWindows Phone 8 Update 3にた新たに対応したフルHDとなっており、高精細な表示が特徴です。

 スマートフォンのように片手で握ってみると、かなりの大きさであることを実感できます。また、重量も数字の上ではLumia 920の185gに対して、Lumia 1520は209gと、24gほど増えています。それでもLumia 920が見た目以上にずっしり重いのに対し、Lumia 1520は見た目よりも軽い印象です。

ノキアLumia1520レビュー
↑手に持ってみると思った以上に大きいが、重さはそれほどでもない。

 4.5インチのLumia 920、7インチのNexus 7(2013)と比較してみたところ、ちょうど中間くらいの大きさとなりました。

ノキアLumia1520レビュー
↑4.5インチのLumia 920に比べて、明らかに大きい。
ノキアLumia1520レビュー
↑7インチのNexus 7(2013)よりは確実に小さい。

 ボディにはポリカーボネートを採用しており、従来のLumiaシリーズの質感を踏襲しています。ただしレッドのみ光沢のある塗装となっています。目立ちたい人はレッドを選択すると良いでしょう。

ノキアLumia1520レビュー
↑マットな質感のすべすべしたポリカーボネート。レッドのみ光沢あり。

 本体右側に音量調節、電源、シャッターの各ボタンを集約し、上面にヘッドフォン、下面にmicroUSB端子を搭載するというデザインもシリーズ共通です。カーブのかかったディスプレイもお馴染みのものです。

ノキアLumia1520レビュー
↑Lumiaシリーズの特徴でもある、丸みを帯びたディスプレイは健在。

 一方、SIMカードはLumiaシリーズとして初めて、iPhoneやiPadを中心に採用されるNano SIMサイズとなりました。また、ハイエンドのLumiaとしては珍しくmicroSDカードスロットも搭載。いずれのスロットも、ピンを利用して引き抜くことでカードを交換できます。

ノキアLumia1520レビュー
↑Lumiaシリーズとして初めてNano SIMを採用。microSDカードスロットもある。

 今回入手したのはAT&T版のため、SIMロックがかかっており、フランス滞在中もSIMカードを用いて通信することはできませんでした。できることなら、グローバル版を購入したほうが良いでしょう。

■フルHD化にともない、画面の情報量もアップ

 実際にLumia 1520の画面の広さを検証してみます。ここではLumia 920の画面キャプチャを、画面サイズの比率に近いサイズで並べてみました。

ノキアLumia1520レビュー
↑Lumia 1520のスタート画面はタイル数が増加し、全体的に小型化していることが分かる。
ノキアLumia1520レビュー
↑Webブラウザは縦方向の情報量がわずかに増えた。
ノキアLumia1520レビュー
↑日本語の10キーボードは巨大化し、指を大きく動かす必要がある。
ノキアLumia1520レビュー
↑HEREマップで同程度の縮尺にしたところ、Lumia 1520のほうが見やすいものの、情報量はそれほど変わっていない。

 なお、HEREマップが日本に未対応である点は変わっていませんが、海外では地図をダウンロードすることで快適に利用できます。たとえばフランスは地域ごとにオフライン用の地図が提供されており、パリ市街は117.6MBの地図をダウンロードすることで、ネットワークがない状態でも地図を見ることができます。

ノキアLumia1520レビュー
↑Lumia 1520のHEREマップでパリ(左)と東京(右)を表示した様子。

■Lumiaシリーズならではのカメラ性能を継承

 Lumia 1020と比べて気になるのが、カメラ性能です。Lumia 1520のカメラは2000万画素とかなりのハイスペックですが、レンズはLumia 1020のように出っ張っておらず、収納時に邪魔になることはありません。

 アプリはLumia 1020と同等の『Nokia Pro Camera』を利用可能で、最新の『Nokia Camera』にもアップデート可能です。

ノキアLumia1520レビュー
↑Lumia 1020と同時に公開された特徴的なUIのカメラアプリを1520でも使える。

 それでは実写サンプルを見ていきましょう。

ノキアLumia1520レビュー
↑サンクレール寺院。まるで一眼レフカメラで撮ったかのような、すばらしい描写となった。
ノキアLumia1520レビュー
↑等倍での鑑賞にも堪える画質だ。
ノキアLumia1520レビュー
↑モンマルトルの丘から見たパリの町並み。手前から遠方まで、しっかり描写できている。
ノキアLumia1520レビュー
↑室内のため、ISO 250での撮影となった。わずかにノイズが載っている。ISO感度は800までは実用的、1600からは大きく画質が落ちる印象。
ノキアLumia1520レビュー
↑夕暮れの東京。わずかに青みがかっているが、西日の温度感をうまく表現できている。
ノキアLumia1520レビュー
↑ブツ撮りに使ってみた。こちらも青かぶり気味だが、見た目に近い色が出ている。
ノキアLumia1520レビュー
↑スーパーで買ってきた普通の刺身を接写しただけでも、なかなか美味しそうに撮れた。

 なお、Lumia 1020同様に、撮影した写真は2種類のファイルに保存されます。オリジナル画像は1600万画素(5376×3024ドット)でファイルサイズは3~5MB程度。縮小画像が500万画素(3072×1728ドット)で1~2MBとなっています。

 バッテリー容量は6インチの大画面に対して3400mAhと、やや駆動時間は不安だったものの、思ったよりも長持ちしました。WiFiでルーターに接続し、撮影しながら1日持ち歩いてみましたが、3ぶんの1近くバッテリーは残った状態でした。

 残念なのは、やはり日本国内への対応です。電子ブックリーダーとして使おうとしましたが、Kindleアプリは英語版しかなく、日本のAmazonのアカウントでログインすることはできませんでした。また、日本でサービスが始まったXbox Musicについても、まだ利用できませんでした。
 このあたりは今後の改善に期待したいところです。

■関連サイト
Nokia Lumia 1520 - Large screen smartphone

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう