週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

エルザジャパンの自信作 グラボ用クーラー“S.A.C”のヒミツに迫る!!

2013年12月25日 15時30分更新

 唯一の日本グラボメーカー、エルザジャパンは静音高冷却な独自クーラー“S.A.C”で人気。その秘密を性能検証とインタビューで探ってみた。

ELSA GeForce GTX 780 S.A.C
実売価格 6万8000円前後

エルザジャパン“S.A.C”

ELSA GeForce GTX 770 S.A.C 4GBモデル
実売価格 5万5000円前後

エルザジャパン“S.A.C”

ELSA GeForce GTX 760 S.A.C 4GBモデル
実売価格 3万8000円前後
エルザジャパン(関連サイト)

エルザジャパン“S.A.C”

●静かで冷えるを突き詰めたクーラー“S.A.C”をばらしてチェック!
 放熱の役割をもつフィンは、フィンブロックをリファレンスの3倍近くまで大型化。細かく設置された羽根で表面積を限界まで増やしている。4本のヒートパイプで、フィンの隅々まで熱を行き渡らせ、効果的にファンの風を利用できるよう計算されている。さらに、グラボのメモリーやVRMも熱をもつので特製の鉄板プレートで冷やしている。後部のギザギザは冷却効率を上げるための工夫だ。

エルザジャパン“S.A.C”



●ジサトラアキラおすすめS.A.C入門機『ELSA GeForce GTX 760 S.A.C 4GBモデル』の実力をチェック
 エルザ製グラボの魅力が、強力な冷却力と静音性を誇るクーラー“S.A.C”だ。今回は『GeForce GTX 760 S.A.C 4GBモデル』をリファレンス品と比較してみた。どちらも動作クロックなどは共通だが、クーラーの冷却力が高いぶんGPUのブーストがより強く発動するのだ。ゲームを動かすとエルザ製品のほうがより滑らかに描画し、より静か。長く安心して使えるグラボが欲しいならエルザ製品で決まりだ。

描画がより滑らかでしっかり遊べる

エルザジャパン“S.A.C”

↑最高品質設定にした『コール オブ デューティ:ゴースト』のフレームレートはリファレンスだと30fpsを割り微妙にカクつくことがあるが、S.A.Cは常時30fps以上をキープ可能。平均fpsも全体的にリファレンスより高めだ。

しっかり静か!集中力を乱さない!

エルザジャパン“S.A.C”

↑リファレンスクーラーはゲーム開始から5分程度でファンがうなり始めるが、S.A.Cはファンの回るわずかな風切り音が聞こえるだけ。深夜にプレーするときでも、ファンノイズで集中が途切れる、ということもなくなる。

しっかり冷えてGPU性能を引き出す!

エルザジャパン“S.A.C”

↑S.A.C搭載グラボはGPU温度が上がりにくい。最終的には両者とも82℃が上限になるが、冷却力に余裕のあるS.A.CのGPUクロックは1150MHz(リファレンスは1097MHzが限界)まで上がる。S.A.Cの早さの秘密は冷却力にあるのだ。

●S.A.Cの秘密は性能と“安心感”!
エルザジャパン技術本部 金村和幸さん

エルザジャパン“S.A.C”

ジサトラアキラ S.A.Cという製品が生まれた背景について教えてください。

金村氏 まず当社は昨年よりグラボの新ブランドをつくるにあたって、グラボメーカーの原点に帰ろうと考えました。その拠り所になったのが、店頭イベントのアンケートなどから吸い上げてきたお客様の声です。アンケートで最も多かった回答は「性能の高さ」でしたが、「よく冷えて静か」といった声も多く寄せられました。この「高性能でよく冷えて静か」という声を形にしたのが“S.A.C”です。こういった声をすぐに聞けるというのが国内メーカーの強みだと思います。

アキラ S.A.Cはどういった部分から形にしていったのですか?

金村氏 当社は日本に本部がありますが、製造などは外部に委託するファブレスメーカーです。基盤は変更できる余地が少ないので、他社製クーラーの研究から、エルザ流のクーラーを模索しました。

アキラ エルザの基準的に、リファレンスクーラーをどう評価しますか?

金村氏 GTX780以上のクーラーはコストもかかっていて良いものですが、ブロワーファンなので静音性がやや犠牲になっていますね。あと排気しやすいデザインですがホコリで目詰まりしやすいのがリファレンス共通の弱点です。もちろんS.A.Cはこの辺も考慮して設計してあります。

アキラ クーラー設計で特に力を入れたのはどの部分ですか?

金村氏 当社の場合はヒートシンクの設計ですね。フィンの枚数や大きさやヒートパイプの走らせかたを細かく検証していきました。ただ、静かで冷えるクーラーでも大型化すると組み込みにくくなるため、コンパクトでも冷える形を目指しました。またGTX760を例にすると、メモリーも6GHz相当で動作するため、基板表側のメモリーにもリファレンスボードにはない冷却用の鉄板を付けているのも安心感へのこだわりです。メモリーが熱で故障するケースが多いんですよ。

アキラ S.A.Cの基準みたいなものはあるのですか?

金村氏 当社ではファンノイズは無響室で騒音が28デシベル未満、GPU温度もリファレンスが80℃なら70℃台を目指して設計しています。以前GTX650の1スロット版も試作したのですが、発熱量が多いため爆音になってしまい、S.A.Cを名乗れないためボツにしたこともあります。こういったクオリティーを守り続けていきます。

幻の1スログラボが!

エルザジャパン“S.A.C”

↑GTX650を1スロット化したら発熱量があまりにも大きく爆音化。そのためボツになった。

●国内でサポートする唯一のメーカー
 エルザジャパンは本社にユーザーサポートと技術部の部屋を用意しており、自作PC用からプロ用GPU製品の対応をしている。トラブルに対し代替品を送って終わらない、“相談ができるサポート”が可能なのが強みで、ユーザーからも購入前にも相談できるのが高評価のようだ。ちなみに、UEFI関係の問い合わせが多く、最新グラボのUEFI対応は旧式マザーで起動しないことがあるため、エルザはそのグラボのレガシー専用BIOSを提供し動作させた実績もある。

“まな板”の上でひとつひとつ検証

エルザジャパン“S.A.C”

↑“まな板”の上に組まれた検証環境が複数セットあり、そこで製品の検証を行なっている。

●関連サイト
エルザジャパン

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう