iTunesで観たいクルマ好きのための映画スピードレーサー、ドライヴ｜Mac

2013年11月30日 20時00分更新

　現在、東京ビッグサイトでは「第43回東京モーターショー2013」が開催中です（明日12月1日までですが）。国内で2年に1度開かれる、クルマ好きにはたまらない祭典ですよね。今年はハイテク満載のEVなど、ギーク的にも注目の新製品やコンセプトカーが多数展示されているもよう。ワクワクしますよね。

　そういうわけで今週は、モーターカーつながりということで「クルマ映画」がテーマ。三宅編集長代理は「スピードレーサー」、諸富デスクは「ドライヴ」を選びました。

スピードレーサー

　「ルパン三世」が実写になるそうで。昔人気があったアニメの実写化は、そのとんでも仕上がりが話題になるものの、なかなかヒットが難しいようですね。「ドラゴンボール」はそのジャンルで不動のタイトルになってしまったけれど、「キャシャーン」や「ヤッターマン」、「宇宙戦艦ヤマト」や「デビルマン」、「キューティーハニー」などなど、どれも伝説級の作品です。

　この「スピードレーサー」は「マトリクス」のウィシャウスキー兄弟の作品ということで、これでダメなら誰かやっても実写化ムリなのでは？　と思っていたら、やっぱり厳しい収益でした。特に日本では「崖の上のポニョ」と同時期公開で、そりゃそうですな。

　さて、今見返してみると、さまざまな伝説級作品が公開されたおかげで、かなりの良作でしたよ。ちゃんと原作の世界観を再現しようとしているのが好感です。俺流に味付けしてやる、という余計なところがない点で、頭ひとつ抜けています。

　とはいえ、CGで作られた世界がPIXAR作品くらい色使いが派手で、画面がグルグル動き、過去と現在が入り乱れる序盤で、だいたいの人は目が回って引いてしまう。ここが好き嫌いわかれるところ。ひたすらレースが繰り広げられるので、落ち着けるシーンがないんですね。

　「パシフィック・リム」のようなお金をかけた真剣なおバカ映画好きにはオススメです（三宅）。

スピード・レーサー（字幕版）
HD版レンタル：400円、SD版レンタル：300円

ドライヴ

　いやあ、意外な拾いもの。正直あんまり期待せずに見たのですが、相当によく出来た作品でした。期待せずに見た映画が存外に面白いと、妙に得した気分になりますな。

　ぶっちゃけ、クルマ映画ってB級作品が多いじゃないですか。いやB級とは少し違うかな。それなりに予算を掛けた作品でも基本的にノーテンキというか、DQNくさいというか……。いやいいんですけどね、そういうの映画があっても。ただ個人的には、カーアクション以外にも見応えのある演出とか演技とかドラマとか、そういうのが欲しいんです僕は。

　その点、本作「ドライヴ」は良いです。余分な説明のない、ハードボイルドな仕上がり。寡黙で無表情な主人公を、ライアン・ゴズリングがうまく演じています。本作を見るまでこの俳優さんは知らなかったんですが、いい役者ですね。これから人気が上がっていくはず。ヒロインのキャリー・マリガンも可愛らしいし。この2人を含め、全体的にキャスティングがうまくハマっているのが大きな魅力となっています。

　ストーリー自体は、かなりシンプル。昼間は映画のカースタントマンを務める凄腕ドライバーが、夜は犯罪者の逃走を助ける裏稼業もやっていた、という。そしてラブロマンスが絡む……あれ、ちょっと「トランスポーター」入ってね?　という感じですが、ああいうお気楽な感じではないです。ストーリーはよくある話でも、奥行きがある。これはひとえに巧みな脚本と演出のなせる業。監督はニコラス・ウィンディング・レフンという、これまた知らん人でしたが、本作を見る限り、かなりの実力派です。

　何かをお勧めする時の常套句として「騙されたと思って試してみ?」というのがありますが、「ドライブ」は、まさにそんな風にお勧めしたい。派手さはないけど見応えがある。いい映画というのはこういう作品です（諸富）。

ドライブ（字幕版）
HD版レンタル：500円、SD版レンタル：400円