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「離陸なう」とつぶやける日が来た(ただし米国で)

2013年11月12日 08時30分更新

文● 中山智  編集●KONOSU

 アメリカの米連邦航空局(FAA)は飛行中の小型電子機器の使用制限の見直しを、10月31日に発表した。

FAA

 これまで、高度3048メートル(1万フィート)未満では、すべての電子機器の使用を禁じていたため、離陸・着陸中は電源をオフにして、安定飛行に入ってから電源をオンにする必要があった。
 アメリカではこの使用制限が改訂され、高度3048メートル以下、つまり離着陸中でも電子機器をオフにする必要はなくなるというのだ。さらに無線LANの利用もオーケーなので、機内で無線LANサービスを提供している場合は、その利用も問題なし。離陸中の風景を撮影できるのも、地味ながらうれしい。

FAA
↑FAAから発表されたリリース。公式サイトで確認できる。

こんな使い方が可能に!
●Bluetoothキーボードやヘッドセットの使用
●離着陸中のデジカメでの撮影
●電子書籍端末での読書
●タブレットでのビデオ鑑賞
●音楽プレーヤーの使用

●機内無線LANを利用してのゲームなどの通信対戦

 ただし、飛行中の“電話回線”を使っての通話、通信は、高度にかかわらず禁止されている。スマートフォンに限っては機内モードなどにするか、電源を切る必要がある。これは、連邦通信委員会(FCC)が携帯信号発信を禁止しているためだ。

 また、この規制解除は、航空会社が乗客の端末からの電波に対して、飛行機が影響を受けないように対策が施す義務があるため、航空会社、さらには飛行機によっては利用できないケースも考えられる。

 アメリカではまず最初に大手のデルタ航空やジェットブルー航空が、続いてユナイテッド航空とアメリカン航空がこの対策をクリアーしたと発表した。

FAA
↑デルタ航空公式サイトでの説明も書き換わっており、国内線、国際線別に利用できるケースを解説している。

 デルタ航空のサイトをチェックすると、離着陸中に使用できるデバイスは2ポンド(900グラム)以下。離着陸中、大きな荷物は頭上の物入れや、座席の下に収納するよう規定されているため、これと同じルールと考えられる。

 ちなみに、上記の内容は、アメリカ国内での規制となっているため、日本を初めとするほかの国では相変わらず禁止。解禁されたアメリカの航空会社でも、アメリカから日本へ向かう便では離陸時にオフにしなくても問題ないが、日本での着陸時にはオフにする必要がある。

 とはいえ各国の国内法も、これまで連邦航空局(FAA)を参考にして制定されてきた。航空業界は安全性の問題もあり、ルールは世界的に統一して運用される傾向にあるので、いずれ日本をはじめ各国もこのルールを追随すると考えられる。

 また、日本でも徐々に通信環境の見直しが進んでおり、すでにJALは国際線での無線LANサービスを行なっている。また、2014年からは国内線への導入も予定。より使いやすいルールとサービスの導入に期待したいところだ。

FAA
↑JALは2014年、国内線飛行機内で無線LAN接続によるインターネットサービス提供を予定。日本でも「離陸なう」とつぶやける日が近い!?

■関連サイト
FAA「FAA to Allow Airlines to Expand Use of Personal Electronics」
デルタ航空
ユナイテッド航空
アメリカン航空
ジェットブルー航空
日本航空「国内線機内インターネットのサービス導入について」

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