週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

iPad Airを常用してわかった“悩ましい”ポイント(石川温氏寄稿)

2013年10月30日 10時01分更新

iPad Air

 「悩ましい」
 iPad Airを少しの間使っている。この数日を振り返っての最初の感想だ。
 なぜ、悩ましいのか。
 今回のiPad Air、初代iPadから数えて5世代目ということもあり、とにかく完成度が高いのだ。

iPad Air

↑左から第4世代iPad、中央がiPad Air、続いて初代iPad mini。

 まずサイズ感。
 従来モデルと比べて薄く軽くなった。このインパクトがとにかく強烈。これまでのiPadは携帯性に優れているとは言っても“ずっしり”した感があるのだが、iPad Airはそういったことを全く感じない。これまでのiPadはいつの間にかリビング専用タブレットと化していたが、iPad Airであれば、いつでもどこでも持ち歩きたいと感じさせてくれるサイズ感に収まっている。
 画面サイズは9.7インチと従来通りでありながら、ベゼル部分が狭くなったことで、これまでとは違った持ちやすさを実現することとなった。

iPad Air

↑下から初代iPad、iPad2、第3世代iPad、第4世代iPad、iPad Air。

 今回、薄型化を実現するにあたり、アップルでは画面のガラス面も70%も薄くしたという。そのためか、タッチの感度も上がっているように感じる。
 小さくなって悩ましいのが、iPad miniと比べて“どちらを買うべきか”という由々しき問題が発生するということだ。iPad miniは11月中の発売が予定されている。しかし、先にiPad Airを触ってしまうと、iPad miniを待てずにiPad Airを購入したくなってくる。これまでのiPadも気に入っていたが、その重さに辟易したところがあった。しかし、iPad Airは違う。この画面サイズでこの重さであれば、携帯性が増し、いつでもどこでも相棒となって活躍してくれる期待感がある。iPad miniのことはいったん忘れ、まずはiPad Airを買ってしまうそうな気持ちになっている。
 なぜ、ここまでiPad Airが悩ましいと感じるのか。もうひとつの理由としてあげたいのが「処理能力」だ。
 今回、iPad AirではA7チップとなり、Pages、Numbers、Keynoteがバージョンアップされた。普段、Pagesで原稿を書き、Keynoteを使ってプレゼン資料を作る身からすれば、これらのアプリがiPad Air上でバリバリ、快適に動くとなると、俄然、iPad Airの活躍の場が増えそうな気がしてわくわくしてくるのだ。
 実際に、Macで作成した文書ファイルをiPad AirのPagesやKeynote上で扱ってみたが、KeynoteなどはiPad Air上でもページ送りの装飾が施せるようになり、出先でもそれなりに仕事がこなせそうなスペックを持ち合わせている。
iPhotoもブラシだけでなく、様々な画像処理を大画面でちゃちゃっと行える。
 特に仕事とは直接関係しないが、iMovieでは、動画の編集がサクサクと行え、映像のなかにもうひとつ小さな映像を重ね合わせると言った加工もお手の物だ。
 iPad Airのカメラは残念ながら5メガピクセルであり、大きなiPad Airを使い、出先で撮影するというのには不向きと言える。しかし、8メガピクセルのiPhone 5sを使い、静止画や動画を撮影。Airdrop機能を使い、撮影したファイルをiPhone 5sからiPad Airに飛ばせば、その場で編集、加工してメールで飛ばすと言ったことも可能だ。
 iPhone 5sと組み合わせることで、iPad Airはいままで以上に活用できるシーンが広がっている感があるのだ。

iPad Air

↑背面に小さなマイクが2つ付いている。

 地味な進化として上げられるのがマイクだ。iPad Airでは、本体の上部と背面に小さなマイクが2つ着いている。ノイズキャンセルなどには非対応だが、Siriなどの音声認識が向上するとされている。iOS7から設定の変更などもSiriにお願いすることが可能となった。実際、「画面の明るさを最大に」とお願いすると、一番明るくしてくれたりするのだ。

 また、個人的に期待しているのがLTEの国際ローミングだ。iPhone 5s/5cの場合、国によってLTEの対応バンドが異なるため、地域のキャリアによって、対応するLTEバンドが異なるiPhoneを発売しているという状況がある。しかし、iPad Airでは、ひとつのモデルですべての国のLTEに対応する。
 iPhone 5s/5cではLTEローミングできない国でも、iPad AirならLTEで接続できる可能性がありそうだ。現在、ソフトバンクモバイルは韓国、KDDIは韓国、シンガポール、香港でLTE国際ローミングができる。これらの国が増えてくれるとありがたい。

iPad Air

↑純正のケースはソフトレザーで触り心地もいい。

 iPad Airは携帯性が増し、パワフルで、さらに前モデルからラインナップされているが、最高128GBモデルも選択できる。LTEでクラウドと連携しつつ、様々なデータを詰め込んで、あらゆる出先で活用するには申し分のないスペックに仕上がっている。
 9月にiPhone 5sを買ったばかりだというのに、11月1日にはiPad Air。11月中にはiPad miniが発売される。何気に新しいMacbook Pro 13インチ Retinaディスプレイも欲しい。お金がいくらあっても足りない。まさにいつ決断すべきか、悩ましい秋になりそうだ。

2013/10/30 11:40追記 初出時、キャプションの一部に誤りがありました。お詫びして訂正致します)

iPad Air

●関連サイト
iPad Air製品情報ページ
アップル

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう