『RADEON R9 280X』などの発表から遅れること約2週間、コードネーム“Hawaii”を採用するハイエンドGPU『RADEON R9 290X』の詳細と性能が判明した。下位機種と同様に、Graphics Core Next(GCN)を4K出力などに対応した強化版で、まったく新しいアーキテクチャーでなはい。今回は下位のRADEON R9 280Xのほかに、ライバルのNVIDIA製ハイエンドモデル『GeForce GTX TITAN』と『GeForce GTX780』も合わせて検証した。
製品名 | RADEON R9 290X | RADEON R9 280X | RADEON HD7970 GHz Edition |
製造プロセス | 28nm | 28nm | 28nm |
SP数 | 2816基 | 2048基 | 2048基 |
コアクロック | 最大1GHz | 最大1GHz | 1GHz(最大1.05GHz) |
メモリー | 4GB GDDR5/5GHz相当 | 3GB GDDR5/6GHz相当 | 3GB GDDR5/6GHz相当 |
補助電源 | 8+6ピン | 8+6ピン | 8+6ピン |
※検証環境は、CPU:Core i5-4670K(3.4GHz)、マザーボード:ASUS『Z87 GRYPHON』(Intel Z87)、メモリー:PC12800 DDR3 8GB×4、ストレージ:インテル『SSD 335 240GB』、電源ユニット:850W(80PLUS GOLD)、OS:Windows8.1 Pro(64ビット)、ドライバー:Catalyst 13.11 Beta V5、GeForce 326.80(beta)
●ゲームによってはTITANすら越える性能
最適化が進む3DMarkではTITANを越え、新生FFXIVでは、GTX TITANとGTX780の中間という結果になった。ほかにも、『Tomb Raider 2013』ではTITANを越えることもあるが『ARMA3』では負ける、といったケースも見られ、最適化勝負といった様相になってきた。
●弱点は消費電力
あくまで今回用意した環境とベータ版ドライバーでの結果という条件付きではあるが、TITANをも越える消費電力はある意味衝撃的だ。また、温度が非常に高いように感じた。これについてAMDは「95度で動作するように設計しているので問題がない」と説明しているものの、やや不安な結果だ。
●GTX780Tiと“Mantle”次第か
NVIDIAは、早速『GeForce GTX780Ti』を11月にローンチすると発表している(関連記事)ため、再度GeForceが首位を奪い返す可能性がある。しかも、AMDがアピールする臨場感あるゲーム音が実装できる“True Audio”機能より、NVIDIAが発表した描画改善機能の“G-Sync”のほうが、ユーザーにとっては魅力的に見えてしまう。とはいえ、RADEONだけの特権として、Direct3Dを置き換えるようなAPI“Mantle”がある(関連記事)。超人気タイトルのバトルフィールド 4のMantle対応版が年内にリリース予定という情報もあり、対応ゲームでの圧倒的なパフォーマンスに期待したい。
ちなみに、メーカーの希望では549ドル(約5万5000円)で販売されることを希望しているとの情報もあるが、R9 280Xが299ドル(約3万円)希望で実際には4万円~5万円で販売されているという実情がある。また、日本ではGTX780が9万円前後で販売していることも考えると、高額な製品になるのは間違いないだろう。
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AMD
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