2013年10月02日17時00分

Windows情報局ななふぉ出張所

“2in1”でWindowsとAndroidが競合する?

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 9月25日、インテルは説明会を開催し、IDFで発表した内容やUltrabookに関するプロモーションを振り返りながら、今後のモバイル戦略を説明しました。

2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑9月25日の説明会に登壇したインテル代表取締役社長の吉田和正氏。

 そのなかでも重要な“2in1”は、2013年後半から2014年のPC市場に大きな影響を与えるキーワードになりそうです。そこで今回はこの2in1について、掘り下げて考えてみたいと思います。

■“2in1”はコンバーチブルやデタッチャブルの新しい呼び方

 インテルが2in1という概念を初めて発表したのは、6月のCOMPUTEX TAIPEI 2013でのこと。一言で言えば、PCとしてもタブレットとしても使えるデバイスのことを意味します。

2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑COMPUTEX TAIPEI 2013で発表された2in1。

 このような新しいスタイルのPCは、Windows8の発売前後から、コンバーチブル型やデタッチャブル型として存在していました。

 コンバーチブル型の例としては、レノボの『IdeaPad Yoga』シリーズやソニーの『VAIO Duo』シリーズが挙げられます。これらのモデルではディスプレーのヒンジに工夫が凝らされており、変形させることでタブレットとして使うことができます。

2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑コンバーチブル型の2in1 PC。

 一方、デタッチャブル型とは取り外し可能(detachable)という意味。ディスプレー部分をキーボード部分から取り外したり、合体したりできるようになっています。たとえばレノボの『ThinkPad Helix』やHPの『ENVY x2』が例として挙げられます。マイクロソフトのSurfaceシリーズも、2種類のキーボードカバーを脱着できるという意味ではデタッチャブル型に分類することができます。

2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑デタッチャブル型の2in1 PC。

 コンバーチブルやデタッチャブルという名前には、やや説明的すぎるきらいがあり、日本では馴染みの薄い言葉です。そこで、これらを総称するために考案された便利なキーワードが2in1というわけです。

■インテルが提唱する2in1はWindows8を想定

 2in1デバイスの定義について、10月1日にCEATEC JAPAN 2013で基調講演を行なった米インテルのカーク・スカウゲン氏は、「10インチ以上の画面サイズ」や「PC向けのOS(Windows8)」といった要件を挙げて説明しました。

2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑CEATEC JAPAN 2013で基調講演を行なった米インテル上席副社長兼PCクライアント事業本部長のカーク・スカウゲン氏。
2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑2in1デバイスはWindows8が必要。

 要するに、2in1デバイスはあくまでPCとして十分な性能があることが前提で、そのうえでタブレットとしても使えることが求められていると言えます。2in1デバイスのOSとしてはWindows8が挙げられていますが、逆にWindows RTやAndroidを搭載したデバイスは2in1とはみなされないようです。

2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑2in1に関する別のスライド。Ultrabookと非Ultrabookの2in1が存在する。

 ただし、2in1という言葉はインテルが独占的に使えるキーワードではありません。たとえばUltrabookが登場したとき、インテルはUltrabookの要件を定め、商標として登録しました。PCにはロゴシールを貼られ、量販店にはUltrabookコーナーが設けられました。さらにインテルはテレビCMや全国各地で展開したイベントを通じて、Ultrabookというブランドの認知度向上に努めてきました。

 しかし2in1について同じようなプロモーションが展開されるかというと、ちょっと事情が異なります。2in1という言葉はインテルが提唱する前から存在した一般用語で、すでにNTTドコモは1台の携帯電話に2つの電話番号を割り当てる“2in1”サービスを展開しています。あるいは“リンスインシャンプー”を思い浮かべる人もいるでしょう。

 この点について、インテル執行役員マーケティング本部長の山本専氏によれば、2in1はインテル固有のブランドではなく、「特徴をわかりやすく説明できるキーワードとして、キャッチフレーズのように使っていくことを考えている」としています。

 このように、2in1というキーワードが世のなかにどのように理解されるかは、まだ曖昧な状態と言えます。“インテルが考える2in1”と、“エンドユーザーが考える2in1”の間に、ずれが生じる可能性があるということです。

■2in1コーナーではWindowsとAndroidが競合する?

 今後、2in1というキーワードをメディアやパワーユーザーが多用するようになれば、エンドユーザーにもじょじょに浸透するでしょう。その結果、家電量販店には“2in1コーナー”が新設され、2in1デバイスが陳列されるといった光景が想像できます。

 ここで気になるのはAndroidの存在です。たとえば日本HPの『HP SlateBook10 x2』やASUSの『ASUS Pad TF701T』は、ディスプレーとキーボードを分離できるAndroidデバイスです。

2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑日本HPの『SlateBook10 x2』。
2in1デバイスでWindowsとAndroidが競合する?
↑ASUSの『ASUS Pad TF701T』。

 Windows8などPC向けのOSが必要というインテルの定義によれば、これらは2in1デバイスではありません。しかしタブレットとしても、ノートPCのようにも使えるという点では、これらを“2in1”デバイスと認識するユーザーも出てくるはずです。

 日本HPやASUSの担当者は、「スマートフォンやタブレットで使い慣れたAndroidをそのまま、ノートPCのようにも使える」という点をメリットとして挙げています。これらのOEMメーカーからは、PCとしてWindowsに優位性があることは認めつつも、Androidによる“プランB”を模索しておきたい、という空気が感じられます。

■重要なのはどちらが使いやすいか

 このように、インテルによる2in1の定義がそのまま普及すれば、2in1はWindows PCにとって大きなチャンスとなります。その一方で、2in1の解釈次第では、Androidがさらにシェアを拡大する余地もあると言えます。

 重要な点は、2in1デバイスとして使う際に、WindowsとAndroidのどちらが使いやすいのかという点です。アプリの少なさも相まって、Windows8のタブレットは当初予測されていたほどには伸びていません。まずは10月18日発売のWindows8.1による盛り返しに期待したいところです。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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