2013年09月24日16時50分

PS4の初年販売目標500万台、SNS連携搭載の背景とは? SCE社長アンドリュー・ハウス氏インタビュー

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PS4が見せる未来とは? SEC社長アンドリュー・ハウスに聞く

 先日開催された東京ゲームショウ2013にて、日本でのお披露目を済ませた新型ゲーム機PlayStation 4(PS4)。ゲーム機としての機能はもちろん、スマートフォンなどの外部機器を使ってソーシャルメディアとの連携が楽しめるエンターテイメントデバイスは、いかなる未来を目指すのか。

 東京ゲームショウでの基調講演が行なわれた翌日の20日に、ソニー・コンピュータエンタテインメントの代表取締役社長兼グループCEOであるアンドリュー・ハウス氏に、じっくりと語っていただいた。

PS4が見せる未来とは? SEC社長アンドリュー・ハウスに聞く

PS4はスマホと連携してゲームをエンハンスする

――PS4を日本の東京ゲームショウで初めて公開した手応えはいかがでしょう?

ハウス氏 私はショウの初日は限られた時間しか会場を回れなかったのですが、いくつかのゲームメーカーさんに話を聞かせていただいたところ、非常にポジティブな反応をいただきました。メディアの方からも「今年(のショウ)は賑やかですね」という声が多かったです。消費者の反応についてはこれから探っていくところですが、今朝の記事やニュースを見た限りでは、新ハードが多数出展され、今年は注目の年だと言ってましたね。

――北米では先行して発表が済んでいますが、日米でのプレスの反応に違いは感じますか?

ハウス氏 反応に関しての違いは感じていませんが、我々の目的としては昨日行った基調講演で行なったように、改めて日本国内でできるだけ丁寧にPS4の特徴、特にソーシャル機能との連携を中心に説明しました。今までは“スマートフォンvsゲーム専用機”という図式だったのが、みんながすでに使っているスマートフォンやタブレット端末と、どうやって連携を取って、ゲームのエンハンサー(強化装置)とするかということです。

――それはセカンドスクリーンとしてスマートフォンを使うという考え方でしょうか?

ハウス氏 基調講演で、うちの吉田(修平氏。SCEワールドワイド・スタジオプレジデント)がプレゼンしたとおり、スマホやタブレットをPS4のコントローラー代わりに使う機能があります。さらに、外出中などゲーム機の前から離れているときでも、友人とオンラインプレーの約束を取り付けたり、ゲーム中のイベント告知を見たりといったように、いつでもゲームの世界にアクセスできる。そういった活かし方をしたいと思っています。

――本体の発売日を北米では11月15日、日本を2014年2月22日にするという戦略的な意図は?

ハウス氏 日本での発売を発表したときに申し上げたとおりで、我々の統一された意思としては、PS4の体験を“完全な形”で日本の大事なお客様にお届けしたい。したがって、何よりもお客様が喜ぶようなコンテンツが揃ってから提供したい、ということです。私個人としては、厳しい判断とは思っていますし、ガッカリした日本のお客様がいることも知っています。それでもなお、準備が整っていないのに発売して、ユーザーを裏切ることは非常によくないと、真剣に考えて判断しました。

――基調講演の中で、2014年度の販売目標を500万台という大きな数字を公表されましたが、それを達成させるための販売施策やプロモーション展開は、どう考えているのでしょうか?

ハウス氏 8月にヨーロッパで行なわれたショー・gamescomで発表したのですが、その時点で100万台を上回る予約が入っていました。非常に大きなマイルストーンを達成していたわけです。その後も引き続き、ユーザーの関心がポジティブに高まっていることもあり、大きな目標を設定しました。
 好評価を受けている理由としては、PS3の10倍の性能を持つハードであるのに、お求めやすい価格に設定できた点。これは、価格に敏感だといわれるアメリカのマーケットで、非常に大きな反応をいただいています。
 もうひとつは、PS4は発売当初から多機能な総合的なエンターテイメントデバイスとなっている点です。PS3の発売当初は、最新のゲームやBlu-rayメディアが楽しめましたが、それはあくまでゲームに限定されたものでした。ですが今回は、PlayStation Networkなどのさまざまなエンターテイメントサービスを、サクサクと動作するすぐれたUI(ユーザー・インターフェース)で最初から楽しんでいただけます。このことで、早い段階から市場を育てて大きくできるのではないかと思っています。

もはや不可欠なソーシャルメディアとの連携

PS4が見せる未来とは? SEC社長アンドリュー・ハウスに聞く

↑左がPS4のコントローラー『DUALSHOCK 4』。SNSへスクリーンショットや動画を投稿できる“SHAREボタン”のほか、ステレオヘッドホン/マイク端子を新たに搭載するなど、見た目以上に進化している。

――たしかに、ネットワーク、特にソーシャルメディアとの連携機能にはワクワクするものを感じます。ところで、日本で人気のLINEなどに対応する予定はありますか?

ハウス氏 LINEやその他のサービスへの対応は、現時点で発表することはありません。ですが、昨日伊藤(雅康氏。SCE SVP 兼 第一事業部 事業部長)がプレゼンしたように、コントローラーにある“SHAREボタン”は、まさにソーシャルメディアを意識して搭載したものです。
 これは、プレー動画の録画及びニコニコ動画といった動画投稿サービスへの投稿をサポートするものです。数年前からアメリカのPC市場でも、自分のプレーを録画・編集した動画投稿が人気を得るという流れがあります。同様の楽しみ方は、コンシューマ機でも受け入れられるのではないかと考えました。個人的な話なのですが、自分の息子がゲームのブロードキャスターにハマっていたので、それに少し影響を受けたかもしれません(笑)。

――そういった個人的な経験も影響を与えているわけですね(笑)。

ハウス氏 もちろん我々の優秀な設計者が考えたことですけど、彼らにとってラッキーだったのは社長へのプレゼンで「それ、知ってる!」という反応が得られたことですね(笑)。

――話は戻りますが、スマートフォンとの連携については競合のXbox Oneも行なっていますし概念としてはわかるのですが、具体的にどのような魅力的なサービスとなるのでしょう?

ハウス氏 これは語りにくい部分もあります。コンテンツに絡んでくる部分なんですね。一例としては、先程も説明したように、ゲーム機の前にいなくても、ゲームの世界にアクセスできる点。もうひとつの変化は、購入の仕方です。PS3の場合は、友達から「新しく出たゲームをいっしょにプレーしよう!」と誘われても、一度PS3を起動してPSストアで購入する必要がありましたが、PS4ではスマートフォンでPSストアにアクセスするだけで、すぐにゲームが購入でき、しかも自宅のPS4にダウンロードされている。非常に便利だと思います。

――Gaikaiの技術を使ったクラウドゲーミングですが、日本ではいつごろ遊べるようになるのでしょうか?

ハウス氏 Gaikaiの買収にはふたつ意味があって、まず活用したのは、PS Vitaでのリモートプレー機能です。これはそう遠くないタイミングで体験できるようになります。
 もうひとつ、将来的な狙いとしては、コンソールゲームの体験を、なるべく低い遅延で、幅広いデバイスで楽しめる環境を作りたい。これには検証作業に時間がかかるため、まず米国で2014年内にスタートします。その後は、地域ごとに適切なサービスを展開していく予定です。

――米国でのスタート時はベータテストを行なうのでしょうか?

ハウス氏 おそらく、まずはベータテストの形で行なうでしょう。具体的なタイトルや、購入方法については、現段階では計画中です。

――基調講演では、インディーズゲームへの協力体勢を打ち出していましたが、具体的にどういうものが提供されるのでしょう?

ハウス氏 これはすでに、米国を中心にPS3向けに1年以上前から行なっている活動です。具体的には、「これはいい!」というインディーズゲームに対して、技術的・金融的な支援を行なうこと。そして、小規模の開発チームができるだけスムーズに、幅広いユーザーに届けられる環境を整えたということです。どんな小さなデベロッパーであろうとも、パブリッシャーを介すことなく、自社販売が行なえる。こうしたことが、インディーズゲームメーカーからの大きな評価をいただいています。
 そしていちばん大事なことは、人間関係。“いいゲームを探したい”という我々のスタッフが、“いいゲームを作りたい”と思っている多数のインディーズコミュニティーとのいい関係を築いて、最終的にユーザーに届ける。ディベロッパーリレーションズの関係ですね。
 もちろんユーザーへの利益はあります。AndroidやiOSでも非常に多くのゲームが出ている反面、いいゲームが見つけづらい。その点我々のプラットフォームだと、スタッフたちがいいタレント(開発者)を見つけて、なるべく早い段階でユーザーに紹介する。ユーザーにとっては、今まで知らなかったいいいゲームを楽しめる。プラットフォーマーであるSCEとしては、いいコンテンツが増えることでのメリットがあり、デベロッパーとしても新たなゲーム機の上でユーザー層を構築できる。Win-Win-Winの関係ですね。

――これまでにも行なってきた施策をさらに推し進めていく、と。

ハウス氏 加えて、PS4になっていちばん大きな変更点は、開発が容易になったということです。PS3は特徴的な開発環境なため、それがインディーズメーカーにとっての障壁となってしまっていました。ですが、PS4ではPCに似たアーキテクチャで開発がしやすいので、より多くのゲームが集まってくると思います。

PS4が見せる未来とは? SEC社長アンドリュー・ハウスに聞く


 いかがだったでしょうか、ソーシャルメディアや多くの人がもつスマートフォンとの連携と、新しいPS4には楽しみな要素が詰まっていて楽しみですね。
 来年の発売が待ち遠しい人は多いでしょうが、10月10日にはよりスタイリッシュなデザインとなった新型の『PS Vita』、11月14日には『PlayStation Vita TV』が発売されます。それに合わせ、多くの魅力あるゲームも登場します。これらはPS4とも緊密に連携できるという点で、PS4発売へのカウントダウンはある意味、もう始まってるといえるかもしれません。

■関連サイト
ソニー・コンピュータエンタテインメント

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