ベルリンで毎年秋に開催される家電展示会のIFA。今年のIFA2013は例年以上にモバイル関連の発表会や製品の出展が増え、秋のモバイル見本市そのものでした。各社の様々な製品のなかから、ちょっと気になるものをいくつかご紹介しましょう。いずれも日本でも出して欲しいものばかりですよ。
再生紙ボディーのレーザープリンタ |
サムスン電子が出展していたプリンターのコンセプトモデルがこちらの『ORIGAMI』。スマートフォンの時代になってもまだまだプリンターは必需品で、最近はワイヤレスで印刷できる製品が出てくるなど多機能化が進んでいます。一方こちらのORIGAMIはベーシックなレーザープリンター。ところが本体は再生紙を使ったダンボール製で、結構ちゃんとした強度を持っています。
リサイクルも簡単! プリンターの未来の姿かも |
最近は個人利用のレーザープリンターの価格も1万円を切るなど大幅に安くなっています。トナーを買い換えるよりも本体を買い換えたほうが安い、なんて安売り品に出会うこともあります。構造がそれほど難しくない普及価格帯のプリンターであれば、再生紙をボディーに使うことは十分アリでしょう。
海外で流行のスマホフリップカバー |
アルカテルが出品していたスマートフォン『Hero』。6インチフルHDディスプレーに1.5GHzクアッドコアCPU、13メガカメラとファブレットとしてなかなかのスペックを備えています。海外では大き目のスマートフォンやタブレットにはフリップ式のカバーをつけることが流行っていますが、このHeroも純正でカバーが提供されます。
実はカバーが電子ペーパーだった! |
ところがHeroのフリップカバーは、本体とはマグネットで装着し、そこに接点がいくつかあるのです。つまり機能性を持ったカバーが用意されているのです。発売予定のものはワイヤレス充電のQi対応カバーや、音楽再生時に音量を表示できるLEDカバーなど。そしてこちらは製品化を検討中という電子ペーパーカバー。カバーを開いたときはHeroの6インチディスプレーを使い、閉じれば今度はカバー上の電子ペーパーを使うことができるのです。これはなかなかのアイデア製品。ぜひとも商品化してほしいですね。
パナソニックのコードレスフォン? |
携帯電話関連で最近あまりいい話の出てこないパナソニックですが、海外ではGSM携帯電話などを出しています。こちらは最近発表された、家庭用のコードレス電話ですがOSはAndroidという“多機能電話”。
3Gも対応、これはスマホだ! |
この製品は3種類のラインナップがあるのですが、最上位モデルのKX-PRX150はなんと携帯電話も内蔵。しかも3Gなんです。家庭内ではコードレス電話&WiFiで接続し、外に持ち出せば3Gスマートフォンとして使えるわけです。ニッチな商品かもしれませんが、スマートフォン部分を高機能化した製品も出てくれば、販売先はもっと広がるかもしれません。
らくらくスマホにライバル登場 |
ヨーロッパでは高齢者向けのらくらく携帯電話がここ数年流行で、IFA2013の会場でも多くの製品が展示されていました。まだまだフィーチャーフォンが主流ですが、スマートフォンも少しずつ出てきています。オーストリアのBeafonが展示していたT950はワンタッチSOSボタンや高音量での通話再生機能などを備えています。年明けにヨーロッパ各国で販売される予定で、富士通がフランスで出しているらくらくスマートフォンの強力なライバルになりそう。
太陽電池で充電する外付けバッテリー |
スタートアップのCliccはカラフルな太陽電池バッテリーを出展。500mAhのバッテリー本体の上に、カラフルな太陽電池パネルを装着して利用します。パネルの色は黄、赤、青、緑、白の5色。
パネルをつなげて拡張可能 |
太陽電池パネルは着せ替え感覚で色を変えられるだけではなく、横につなぐことで直列接続となり、太陽電池の出力をパネルの数だけ増やすことができます。
パネル9枚をセットすれば短時間充電もOK |
友達同士で持っている太陽電池パネルを貸し借りすることで、バッテリー本体の充電を早く終わらせるなんてこともできるわけですね。またつねに高速で充電したい人には最大9枚まで太陽電池パネルをセットできるドッキングステーションも用意されています。
スマホで米が炊ける炊飯器登場 |
ここまでのものはいずれもまぁ普通に出てくるかもしれないアイデアの製品かもしれません。しかしやっぱり驚くべき製品が出てくるのがIFA。インターナショナルホールには中国企業も多いのですが、Bensが出していたのがスマートフォンで制御できる自動炊飯器。
出来立てのご飯がいつでも食べられるかも |
市販の炊飯器よりかなり大きい本体は、後部にお米のストッカーを備えているとのこと。また本体には水の供給パイプを接続しておきます。あとはスマートフォンのアプリを使い、外出先からお米の量や炊き上がり時間を設定すれば、自動的にお米と水が釜に入れられ炊飯が始まるというもの。すでに中国で販売されているそうで、実際の使い勝手が非常に気になります。
iPhone5Cのカバーは見当たらず |
ということで中国メーカーは毎年何かしら新しいアイデアの製品を出してくるので目が離せません。そうそう昨年のIFA2012ではiPad miniのケースをフライングで出している中国メーカーがありましたが、今年は残念ながらiPhone5Cの製品は見当たらず。本来出してはいけないものだけに「個別に相談してね」なんて表示をしているメーカーもありました。ということで今年も楽しい製品が見つかったIFA、来年も今から楽しみです。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
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