シャア専用オーリスが10月1日に発売 専用ナビは900台限定

　8月26日、トヨタマーケティングジャパンは、機動戦士ガンダムに登場するキャラクター『シャア・アズナブル』の専用機をイメージしたコンセプトカー“シャア専用オーリス”の発売を10月1日より行なうと発表。これに先立ち、8月26日から全国のトヨタ ネッツ店にて予約受付が開始された。

　販売はベースとなる『オーリス』にネッツ店にてパーツを取り付ける方式となっており、パーツ構成はユーザーが任意に選ぶことができる。このような販売前に車体にカスタマイズパーツの取り付けて販売するのはトヨタとしては初の試みとなる。カスタマイズパーツをすべて装備した場合の価格は273万2175円（150X“C Package”/2WD/CVTベース）～330万6825円（RS“S Package /MTベース）となる（別途取り付け工賃が必要）。すでにオーリスを所有している場合でも、ネッツ店でパーツを購入し取り付けを依頼できる。これにより、「外観であまりシャア専用を主張したくない」という場合でも、インテリアだけシャア専用にしたり、外装パーツはそのままにデカールだけ無し、逆にデカールだけ付けるといったさまざまなパターンを作ることができる。

　なお、カスタマイズパーツはシャア専用をイメージした赤色の塗装済みのもののほか、無塗装のパーツも用意される。例えば、白いオーリスに白い塗装のカスタマイズパーツを装備して、“シン・マツナガ専用機”にしたり、黒いオーリスをベースに“黒い三連星専用機”というバリエーションを楽しむこともできそうだ。とはいえ、オーリスのモデルによっては、取り付けができないパーツもあるので注意しよう。特にモビルスーツのバーニヤをイメージした“テールエンドニット”は2WD車のみのパーツとなる。

　発表会では、シャア・アズナブル役の声優 池田秀一氏やSKE48/ジオニックトヨタ広報部 特別広報部員“アイリン・フルカワ”こと古川愛李さん、ジオニックトヨタ特別サポーターで“政界のガンダムファン”として知られる衆議院議員 平将明氏が登場。ガンダムとシャア専用オーリスに対する熱い想いを語った。

市販モデルで大きく変わった外観

　市販モデルは、今まで展示されてきたコンセプトモデルとは外観が大きく変わっている。例えば、車体の塗装はコンセプトモデルでは、ツヤ消しの赤だったが、市販車がベースとなるためツヤ有りの赤となった。

　代わりに、フロントスポイラーとサイドスカート部分が赤のトーンが1段階濃いツヤ消しパーツとなった。これは、ジオンのモビルスーツ特有のツートンカラーをイメージしたものとのこと。確かにシャアザクは胴体部分が同じように濃い赤色だ。これだけでもシャア専用機の雰囲気は十分に出ている。

　さらに、シンボルの“ツノ”ことブレードアンテナ部分は可動式となり、格納することが可能になった。

　フロント部分のトヨタマークを“ジオニックトヨタ”のマークに変更したり、“ZEONIC TOYOTA”の文字が入った専用のタイヤホイール、テールエンドニット、スタータースイッチなどはコンセプトモデルそのままだ。

　また、コックピットパネル部は走行時はジオンのモビルスーツ特有の“モノアイ”をイメージしたデザインが新しく取り入れられた。

　車体デカールはコンセプトモデルであった大きな側面のジオンマークはなくなり、やや大人しめになった印象。これだけ見ると、まるでガンプラに付属しているデカールのようだ。

専用カーナビが登場

　900台限定で専用カーナビも登場。G-BooK mX Proモデル（25万3575円）とG-BooK mXモデル（20万9475円）が用意される。専用カーナビは、池田秀一氏によるオリジナルボイスが500語も収録されており、シャアの名言がカーナビから聞ける。とはいえ、シャア専用機のカーナビがシャアの声でナビゲーションするのは矛盾があるとのことで、一般的なナビゲーション音声は既存の女性のままとのこと。これについては、平将明氏が「ララァの声で導いて欲しい」と希望を語っていたが、筆者もそれに同意したい。また、効果音などは機動戦士ガンダムの作中で使われた、モノアイの点灯音やニュータイプ同士がお互いを察知したときの“ニュータイプ音”などが使用されている。

【池田秀一氏による音声の例】

・ハートフル音声（1日1言、366パターンを収録）：「1月9日 認めたくないものだな。自分自身の、若さ故の過ちというものを。」、「12月30日 チャンスを最大限に活かす。それが私の主義だ。」

目的地案内開始音声：「私を導いてくれ！もちろん、交通規制に従ってな。」

・県境案内：「埼玉に入った。悪くない感覚だな。」、「千葉に入った。はやる気持ちを抑えろ！」

　さらに限定パーツとして、オリジナルデザインのフロアマットも900個用意される。完璧なシャア専用機を目指すならこれもぜひ装備したいところだ。

付加価値が産む新しい車の販売方法

↑トヨタ自動車 ネッツ営業部 グループマネージャー 嶋津晴之氏（写真左）、トヨタモデリスタインターナショナル 商品部デザイングループ主任 松本雅治氏（写真右）。

　トヨタ自動車 ネッツ営業部の嶋津晴之氏にシャア専用オーリスの販売についてうかがったところ、“シャア専用オーリス”の販売目標は限定パーツと同じ900台。本モデルをビジネスとして売り上げを上げていくというよりも、ベースとなるオーリスの認知度と売り上げ向上を狙っているとのこと。実際に、“シャア専用オーリス”キャンペーンによって、車に関心が無い層や今までトヨタ車に乗らない人々まで感心を寄せるようになってきたという。さらにウェブ上で募集したジオニックトヨタの一般公募社員数は2万6000人にも及んだ。このような形で新規ユーザーを開拓できたという点はトヨタにとって新しい車の売り方のヒントになったのではないだろうか。

　“シャア専用オーリス”のデザインを担当したトヨタモデリスタインターナショナルの松本雅治氏は、「今のところこうしたガンダムとのコラボキャンペーンは今回だけ」と語っていたが、その表情からはまた次の企画を考えているようにも見えた。“シャア専用オーリス”の売り上げがトヨタの予想を大きく越えるような展開になれば、また次のユニークなコラボ企画が生まれてくるかも知れない。本キャンペーンがどうなるか今後も注目していきたいところだ。

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