2013年08月30日22時10分

『艦これ』プロデューサー田中氏インタビュー 第二期実装と開発に込めた想いとは?

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艦隊これくしょんインタビュー001

 60万ユーザーを突破し、人気急上昇中のブラウザーゲーム『艦隊これくしょん-艦これ-』(以下『艦これ』)。一体、どのような経緯で開発されたのか? そして、今後どのように進化していくのか。株式会社角川ゲームス 開発本部 田中謙介氏にお話をうかがいました。

艦隊これくしょんインタビュー_田中謙介氏
↑株式会社角川ゲームス 開発本部 田中謙介氏。

提督と一緒に『艦これ』を育てている

――最初に『艦これ』の企画の始まりというのはどういうものだったのですか。

田中氏 そうですね、私がミリタリー好きで。趣味のモノづくりの仲間と海上自衛隊の観艦式などに行ったり、その趣味の本などをつくっていたんです。そのなかで、“この艦船はどんな最期を遂げたんだろう”と切ない気持ちになりながら、多くの人達に奮闘し、そして沈んでいった艦艇を忘れないでほしいな……という思いが強くなって。それで、ゲームというアプローチがあるなと思い、史実を踏まえた“ライトなシミュレーション”と軍事ファンにも目を留めてもらえる……と言いつつ趣味ですが“艦船のキャラクター化”という企画を考えていたのが当初の企画でした。
 提督が(プレイヤーの皆さんのことを敬意を込めて“提督”と呼んでいます)魂を込めて育ててくれるようなキャラクターであれば、その背景を知っていただけるのではないかと。「なるほど、このキャラクターのこのセリフはこういうことだったのか!」とゲームから連鎖して提督が自ら艦船について調べてくれるような広がりのあるものになればいいと考えました。
 そこに縁があってDMMさんにお話をしたところ「ぜひこれをやりたい!」という話になって(笑)。

――『艦これ』として提供される前はどのようなゲームだったのですか。

田中氏 もともとはPCやタブレット用のスタンドアローンの企画だったんですが、DMMさんのニーズを詰めていくうちに現在のブラウザーゲームでリリースする形になりました。

艦隊これくしょんインタビュー_母港
↑艦これのメニュー画面“母港”。艦隊編成や補給、開発などをして戦い進んでいくのだ。

――サーバーも少しずつ追加されていますね。

田中氏 いや、いろいろと猫的な意味でご迷惑をおかけして申し訳ないです。提督と一緒にシステムや世界感を作っていきたいと思っていたのですが。もともとが巨大プロジェクトからのスタートではなかったので、図らずも様々な意味で提督の皆さんと一緒に『艦これ』を育てている感じです。

 提督とのやりとりのなかで仕様を足していった部分もたくさんあります。例えばインターフェースのソート機能を強化するとか、提督の気持ちになった時に絶対欲しいと思っているものはできるだけ対応したいと思っています。それは初期から参加していただいている提督はもちろん、最近始めた提督たちの感想や想いも含めてみんなで作り上げていこうという気持ちです。

――提督、プレーヤーのユーザー層に変化はありましたか。

田中氏 初期の頃は年齢層も比較的高くミリタリーに興味のあるクラスタが中心でしたが、夏になってからは艦娘のキャラクターに注目される層も多くなってきているような感触も強く感じますね。最初の数ヵ月はサポートもひとりで対応していたので、その手応え感とユーザークラスタの遷移と拡大がとてもダイレクトに実感できていました。かなりそれぞれの提督の皆さんから勉強になったことも多いんです。
 

『艦これ』はキャラ×兵站という組み合わせのゲームなんです

――ゲームシステムのなかで、こだわっている部分ってありますか。

田中氏 いくつかありますが、ひとつはシミュレーションゲームなんだけどシミュレーションゲームじゃないという点です。歴史に忠実な本格的シミュレーションゲームはこれまでにもありましたが、『艦これ』についてはシミュレーションをやらない人でもシミュレーションとして楽しめるように努めてみました。ただし、自由にプレーはできますが、装備は火砲や魚雷とか電子兵装とかあって、それはある程度の知識があると、なぜこの装備や編成がいいのかが分かって、より楽しめるようになリます。
 最初から知らなくても、例えばネットや書籍などで調べたり、友人に聞いてみたりすることで知識が増える。これも“ソーシャル”ということなのではないかと思うんです。こういう柔らかいソーシャルを『艦これ』では大切にしているんです。また、戦争や戦いは戦術や作戦面を扱ったゲームが多いのですが、あえてそのなかで「兵站(へいたん)」に着目、注力しました。じつは心臓部的には「キャラクター×兵站」という組み合わせのゲームなんです。

 また、ゲームシステムのプライオリティとして提督同士を無理に競わせるようなことはせず、艦艇の魅力や先ほどお話した兵站…海上護衛の概念や大切さなどをエンタメの中で実感してほしいなあなどと思いながら仕様やデータ、セリフをつくっていきました。

 あと「張り付き」と「放置」のバランスも考えたいなあと思っていました。もちろん、ずっと張り付いて楽しめるようにもなってはいるんですが、ゲームにずっと張り付かなくても遊べる、このバランスをうまくとりたいたいなと苦心しています。

――よくわかります。戦いだけではなく、“入渠”(にゅうきょ)や“工廠”(こうしょう)で修理や開発することも重要になってますね。

田中氏 兵站と補給と修理、それこそが戦争なんだ!と(笑)。だから、普通にやっていると燃料がなくなるようになってくるんです。戦艦や空母だけでなく、駆逐艦や軽巡を組み合わせて燃料をやりくりしていくということをブラウザーゲームではあるのですが、ある程度表現したいな……と思っています。

艦隊これくしょんインタビュー_工廠
↑資材を投入して“艦娘”を作る「開発」。完成するまである程度の時間がかかる。

――艦隊の陣形についてですが、実際に戦いに関係はあるんですか。

田中氏 もちろん。ものすごく関係あります。最初から公表しているのは、“単縦陣”と“輪形陣”の使い方はお知らせしていて、海戦の陣形等がまったくよくわからなくてもその2つだけで進めていっていいですよと。“単縦陣”は基本形で、全兵装を横に向けられるし魚雷もあるから、投射火力が高い、戦闘形態として非常に強力なんです。ほかの陣形についてもそれぞれ使いどころがあります。

――メニューのところにある“友軍艦隊”という項目が気になるのですが。

田中氏 先ほどお話ししたとおり、連携前提の要素を無理に強化せず『艦これ』らしいやり方で第二期実装と呼んでいる大型アップデートができればと、現在仕様を調整しています。友軍艦隊より早く、潜水艦を実装したあとということで潜水艦関連の遠征や任務、そして海外艦の実装。旗艦の扱い方のアップデート、そして艦娘のさらなる成長や提督の絆などに鋭意着手していきたいと思ってます。

――艦娘のイラストについて、こだわった部分はどこですか。

田中氏 頑張ってくれる絵師さんの力、作家性とコラボすることです。例えばしばふさんが描いてくれた「赤城」は被弾場所については史実に基づいて実際と同じ箇所を再現しています。彼の力ですね! それと、全部がそうではないのですが姉妹艦はなるべく同じトーン&マナーにして姉妹と思われるように心がけてます(笑)。

 仕様やデータ、艦娘のセリフや図鑑に書かれているコメントも全て私が書いたのですが、にもかかわらず、声優さんが魂を込めて演じてくださり、はじめて音声として聞いたときは艦娘に魂が宿ったような感覚があって、収録現場でじつは半泣きしていました。スタッフにあきれられつつ(笑)。

――以前、運営からのお知らせで“夢がかなった”みたいなことを書かれていましたが。

田中氏 青島文化教材社さんから連絡があったときのことですね。嬉しかったですね! 艦船模型『ウォーターライン』シリーズは、私のなかで気持ち的に『艦これ』の父親みたいなもので。つい感激して……、提督の皆さんのおかげです!
 

艦隊これくしょんインタビュー_初期資料
↑インタビュー後に初期の資料を見せていただいた! 詳しく紹介できないのが残念だ。

 以上、開発責任者の田中氏のインタビュー、いかがだったでしょうか。お話をお聞きしながら、艦これにかける熱い想いが伝わってくるような気がしました。第二期実装のバージョンアップも楽しみですね。

 なお、Twitterなどで話題の艦隊これくしょん特集を掲載した週刊アスキーは、下に用意したAmazonリンクの左の表紙(表紙が“スマホ激安購入”になっている方です)をクリックすると、ご購入いただけます。 

『艦隊これくしょん -艦これ-』
●提供:株式会社DMM.com
●開発/運営:株式会社角川ゲームス
基本プレー無料(アイテム課金あり)

(c)2013 DMM.com/KADOKAWA GAMES All Rights Reserved.

(2013年9月2日13時 追記)本文中に誤字がありました。お詫びして訂正いたします。

●関連サイト
艦隊これくしょん -艦これ-

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