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Apple基調講演22 劇的進化を遂げたiPhone5登場。iPodも新世代へ|Mac

2013年08月18日 20時00分更新

ジョブズが乗り移ったかのようなクックのプレゼン

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 iPhone4Sが発表されたのは、このイベントの約1年前のスペシャルイベントだった。また、米国のホリデーシーズンを前にしたこの時期は、iPodシリーズのアップデートも毎年恒例となっている。大方の予想どおり、この日に発表されたのはiPhone5と新世代のiPod touchおよびiPod nanoだった。

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 この日のティム・クックCEOはいつになく興奮気味で、かつにこやかだった。いつもの「お堅い優等生」といった雰囲気はどこへやら、まるでスティーブ・ジョブズが自慢のプロダクトを披露する時のような精気に満ちた口調と立ち居振る舞いだった。冒頭のいつもの業績発表にも力がこもっていた。

 この1カ月ほど前にAppleは株価の最高値を更新し、時価総額世界一の企業になっている。それがクックのハイテンションの一因になっていたのは間違いないだろう。しかしそれ以上に、自分たちがこれから発表する製品がいかに革新的でエキサイティングなものであるかという、自信の現れでもあったはずだ。

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 それでも、講演における自分の役割は変更しないところがクックらしい。業績報告を終えた彼は、「今日はiPhoneについてすごい発表があるんだ」と言うと、マーケティング担当上級副社長のフィル・シラーにあっさりとステージを譲った。

 自身はあくまでホスト役に徹し、メインプロダクトのプレゼンはシラーに任せるという、ここ最近定着してきたスタイルを貫いた。
 

本命のiPhone5はフィル・シラーが紹介

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 ジョブズ時代、Appleのこの種の製品発表イベントは「焦らし」が基本だった。あくまで「メインディッシュ」は終盤まで残しておき、序盤〜中盤にかけては「前菜」や「副菜」を供するというスタイルが多かったのだ。

 一方、クック体制になってからは、メインディッシュをいきなりドカンと出し、その勢いに乗ったまま最後まで突っ走る方式が増えてきた。このイベントも、まさにその典型と言える。シラーは初代モデルからのiPhoneの歴史を簡単に語ったあと、さらりと「今日はiPhone5を紹介する」と言ってのけたのだ。

iPhone 5をいきなりお披露目
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 「さあ、新しいiPhoneの実機をお目にかけよう」とシラーが言うと照明が暗くなり、ステージの下から光る物体がスーッとせり上がってきた。もちろんiPhone5だ。小さすぎてよく見えない、と観客が思い始めたころ、背後のスクリーンにその姿が大映しになるという演出だ。

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 続いてiPhone5の説明に入る。ボディーを真横から見た写真を表示し、iPhone4Sよりも18%薄くなり、20%軽くなったとシラーは言う。本体を大きくして機能を強化するのは簡単だ、前モデルより優れたものをより小さいサイズで実現することがチャレンジなのだと。そう豪語した後、シラーはiPhone5の新機能を披露していく。

iPhone 5の新機能群
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 iPhone5の主要な新機能は下記の通り。

●対角4インチのRetinaディスプレイを搭載
●Wi-Fiが11n規格に対応し、2.4/5GHzの2帯域をサポート
●新型の「Apple A6」プロセッサーを搭載し、処理速度が約2倍に
●800万画素でフルHD動画の動画撮影にも対応したカメラを搭載
●オーディオ機能の改良
●Lightningコネクターの採用
●iOS6の搭載

 

本当のフォーストールの最後の雄姿
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 なお、前回の記事で早トチリして、iOS担当上級副社長のスコット・フォーストールが出演するのは最後と書いてしまったのだが、正しくはこの講演が最後だ。本公演でのフォーストールの出番は、iOS6の機能紹介。内容的には前回のおさらいといったところ。
 

アイブはいつも通りビデオで出演
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 デザイン担当上級副社長のジョナサン・アイブは、例によってビデオでの出演。このあたりはお約束の展開だ。
 

iPod touchとnanoもフルモデルチェンジ

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 この講演は約2時間の長尺だが、iPhone5の紹介が終わった時点で1時間が経過していた。第1部終了といったところだ。ステージには再びクックが現れ、第2部の始まりを告げた。音楽関連のプロダクト、つまり新しいiPodとiTunesをこれから披露するという。

iOS機器からの購入に最適化したストア
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 iTunesは、アプリではなくiTunes Storeのほうに大きな変化があった。プレゼンターはインターネットサービス担当副社長のエディ・キューだ。iOSデバイスからのコンテンツ購入が急増していることを踏まえ、ユーザーインターフェースを刷新。音楽、アプリ、電子書籍の販売窓口としての最適化を図っている。

大きく路線変更したiPod touch
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 一方、新しいiPodシリーズのプレゼンを担当したのは、iPod担当副社長のグレッグ・ジョズウィアック。目玉はもちろんiPod touch。それまでの「電話機能を省いたiPhone」のような位置づけから、ミュージックプレーヤー兼ゲームプレーヤーとしてのエンタメ路線へと大きく舵を切った。デザインも一新し、5色のカラーバリエーションを展開。専用ストラップである「iPod touch loop」という独自要素も加わって、一気に魅力が増した。

大型画面に戻ったiPod nano
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 iPod nanoもフルモデルチェンジし、2世代前のモデルに近い縦長ボディーになった。また、iPod touch、nanoともにLightningコネクターを採用したほか、付属のイヤフォンが新型の「EarPods」になった。これはiPhone5も同様だ。
 

スペシャルライブはFoo Fighters

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 Appleの音楽関連イベントで定番だったスペシャルライブも復活し、ロックバンドのFoo Fightersが3曲を披露。イベントの大トリを飾った。

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 ライブが終わると、クックが再登壇。朗らかな笑顔とともに観衆に謝辞を述べ、講演を切り上げた。

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