2013年08月03日10時30分

いま話題のNFCに関する最新活用事例をまとめた業界ミーティングが開催

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 春夏モデルで携帯キャリア各社のNFC対応スマホも出揃い、つい先日にはVISAが三井住友カードと共同でNFC(Type A/B)の非接触決済サービス“payWave”のアプリ提供を発表する(関連記事)など、いまモバイル業界でホットなトピックになりつつある“NFC(Near Field Communication)”。

 今回、NFCの通信規格の標準化を進める世界業界団体のNFC Forumが東京都内で“ジャパンミーティング”を8月2日に開催し、国内の最新事例の数々を紹介した。

■端末は出揃った、NFCはその先を目指す

NFC Forum
↑NFC Forum会長でソニー在籍の田川晃一氏。

 NFC Forum設立は2004年、およそ10年間にわたってNFCの標準化活動を続けてきた同団体だが、当初は対応デバイスもほとんど存在しなかった。つい昨年2011年くらいまでは「いつごろ端末が出揃うのか?」、「使える環境がないから対応端末が登場しない」などと水掛け論が業界全体に蔓延しており、いわゆる“鶏と卵”の議論が続いていた。

 だが日本でも最新の夏スマホにはNFC搭載機種が増え、世界的に見てもミッドレンジ以上の端末を中心にNFC対応が標準化しつつある。すでにNFC普及の初期ステージはクリアしつつあり、次を見据えた動きが活発化しつつある。

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↑端末はすでに普及し、サービスも立ち上がりつつある。NFCは次の段階へ。

 挨拶を行なったNFC Forum会長の田川晃一氏は「端末はすでに普及し、サービスも立ち上がりつつある。いよいよアーリーアダプターからマジョリティへとユーザーのトレンドが移りつつあり、NFCが産業として成り立ちつつある」と指摘する。

 一方で技術に明るくないユーザーが増加することで発生する諸問題が大きくなる段階でもあり、「NFCって使えないよね」とユーザーに認識されてしまうと“NFC不要論”さえ出かねない。NFCはいまこうした移行期にあり、「みんなで頑張って盛り上げていきましょう」というのが今回のジャパンミーティングを主催するNFC ForumのJapan Task Forceの役割となる。そして国内での最新事例がいくつか紹介された。

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↑ただ端末があっても使えなければ意味がない。NFC不要論が出ないよう努力が必要。

 “JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)”は国内自動車メーカー大手5社らが集まった業界団体で、車載システムのソフトウェアや通信システムを共通化することで開発効率向上やユーザーの利便性向上を目指している。

 過去にもハンズフリー通信技術としてのBluetoothや高速インターネット通信のためのWiFi技術を活用してきた実績があり、今後普及が見込まれるNFCへの取り組みを強化していく計画だ。

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↑日本の自動車業界団体“JASPAR”の活動状況を紹介する本田技術研究所の古川英夫氏。 ↑車載システムは適時IT業界の通信トレンドを取り込んできたが、Bluetooth、WiFiに次ぐ軸としてNFCをプッシュ。

 JASPARでは自動車業界でのNFC活用事例として5つのケースを想定しており、スマホをかざすことで、さまざまなデータ交換や情報取得が行なえる仕組みを想定している。

 JASPARの説明によれば、日本での活用方法はカーシェアリング時代を見越したレンタカーの鍵情報のスマホへの記録だが、海外での活用事例でいえば、かざすことで認証を行ってスマホの画面を車載システムの画面とリンクさせる“ミラーリング”や“通信ハンドオーバー”といった仕組みが多いようだ。

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↑実際の利用ケースについて説明するトヨタ自動車の花岡健介氏自動車業界におけるNFC活用の5つの利用ケース。レンタカー向けサービスやシート設定のカスタマイズが新しいが、実際に海外で多く研究が進んでいるのが5番目の通信ハンドオーバー技術。

■誰もがチャレンジできるNFCを使ったサービスと製品

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↑日本酒の銘柄偽装防止にNFCのRFタグを活用。タグはキャップ部分にあり、一度開封するとタグが破壊されて読み取れなくなり、ここで真贋を判別できる。

 ジャパンミーティング後半は関連各社が最新事例を持ち寄りアピールするライトニングトークの場となった。トップバッターを飾った東洋製罐の黒沢高博氏は、日本酒等で用いられる偽造防止容器『LOSIST PLUG』を紹介した。

 高級酒などではボトルやラベルの再利用でニセモノ品が流通するケースがよく報告されるが、このNFCのRFタグが埋め込まれた銘柄偽装防止キャップを用いることで、スマホをキャップにかざせば真贋が見極められるというわけだ。

 キャップは一度はめ込むと、中のタグを破壊しない限り開封できない。つまり一度開封した時点で偽装できなくなる仕組みだ。東洋製罐ではタグだけでなく、アプリや関連サービスも提供しており、これまでの酒コレクションの閲覧や酒に関するSNSなど、単に偽装防止に留まらない仕組みを用意しているのがポイントだという。

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↑オライリージャパンは今秋に『NFC Hacks』というプログラマー向けの解説書を発行予定。 ↑日経BPが主催する最新のAndroid Application Award(A3)において、受賞作の半分がNFC関連のものだった。

 続くトークではオライリージャパンの伊藤篤氏が今秋発行予定のプログラマー向けNFC解説書『NFC Hacks』を紹介したほか、日経BPの菊池隆裕氏が同社主催のアプリコンテスト“Android Application Award(A3)”の概要を説明し、同コンテストにおいて最新の受賞作の半数近くがNFC対応アプリであったことを報告した。つい昨年まではNFC関連書籍や対応アプリはごく数えるほどしか存在しなかったものだが、1年で随分と情勢が大きく変化したようだ。

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↑本誌副編集長ACCNも最新号を手にNFC事例紹介に参戦。付録のサンプルと本誌特集の中身や8月5日に実施されるキャンペーンの内容を紹介した。

 そしてトークの最後では本誌副編集長の @ACCN が登場し、携帯画面クリーナーにもなる8月5日発売号の付録“プログラマブルNFCディスク”を片手に、活用法や最新事例が多数紹介された16ページの大特集をアピールしている。

 なお、来場者全員には週アスPLUS仕様の特別版NFCディスクが配布されたほか、NFCを付録につけるまでの背景や、付録製作工場でのエピソードをユーモアを交えて紹介したトークはなかなか好評だった。とくに「NFCはオープンで誰でもカンタンに利用できる」と従来のFeliCaと比較してのハードルの低さをアピールした部分は、関係者のやる気を刺激するのには十分だったと考える。

 

 帰り際にACCNから「売れなかったらどうしよう……」と弱音を吐露されたときはドキッとしたものの、NFC普及の第2フェイズに意欲的な付録と特集を掲げて発売される最新号、ぜひ売れてほしいものだと筆者も思う。

●関連サイト
NFC Forum公式サイト(英文)

【週刊アスキー 2013年 9/10増刊号はこちら!】

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