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遠く離れた森の音をリアルタイムに聴ける、不思議な木箱の正体は?|Mac

2013年06月05日 13時00分更新

 JVCケンウッドから発売されているBluetoothスピーカー「Forest Notes」は、見た目はただの木箱だが、岐阜県の飛騨高山と宮崎県の諸塚の山中に設置されたマイクが集める自然の音をリアルタイムに再生するスピーカーだ。木々が風に揺れる音、小鳥のさえずり、そんな自然界の音が木箱から聞こえてくる。

forestnotes

音が鳴る木箱「Forest Notes」。幅136×奥行き136×高さ136mmの小型の「YG-FA2HV」と、幅310×奥行き310×高さ310mmの大型の「YG-FA30HV」の2サイズを用意する。

forestnotes
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接合には釘やネジといった金属類を使用せず、大型の「YG-FA30HV」には高い強度とデザイン性がある「蟻型千切留組」、小型の「YG-FA2HV」には「挽込留接」という伝統工法が採用されている。

 専用の配信チャンネルがリアルタイムで音をストリーミング配信し、MacやiOSデバイスで受信する。その音を本体底面のBluetoothレシーバーが受信し、本体側面に内蔵された「エキサイター」が木箱を振動させて音にする。

 一般的な音楽を聴くことも可能だが、エキサイターによる振動では十分な音域をカバーできない。いわゆるワイヤレスで音楽を楽しむための「Bluetoothスピーカー」ではないのだ。

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底面にはBluetoothレシーバーが埋め込まれ、電源オン/オフやボリューム調整、ペアリング操作ができる。

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木箱の内側は緩く盛り上がっており、エキサイターが組み込まれているため、前後へ音を拡散させる効果を持つ。広い帯域の音用には設計されていないが、温かみのある音を再生する。

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 森の音は「Forest Notes」内の「配信チャンネル」から登録や再生をし、スピーカーにBluetooth送信する。森に設置したマイクで聴取した音は、MP3にエンコードされたうえでストリーミング配信される。ビットレートは320kbps(月額980円)と128kbps(月額490円)の2種類で、「Forest Notes」本体の有無に関係なく契約できる。

 開発元であるJVCケンウッドの担当者に話を聞くと、本スピーカーは音を出すだけの道具(ハードウェア)だけでなく、自然界の音を配信するサービス(ソフトウェア)とともに提供することで世界観も提供したい。この2つを合わせて「センスウェア」と呼んでいるという。

 また、ストリーミングはリアルタイム配信のため、台風など悪天候のときは岐阜/宮崎で録音している音源から録音済みのアーカイブに切り替える。今後マイクの設置場所は日本各地に増やす計画があるそうだ。そのほか、素材が栗の木に決まるまではヒノキなどほかの材木の候補もあったなど、面白い話が聞けた。

 この配信サービスは、本スピーカーがなくても利用できる。MacやiPhoneのスピーカーから再生して、自然の音を楽しめるのだ。Forest Noteの世界観を丸ごととはいかないが、ニュアンスは味わえる。スピーカーに6万円は高いと感じる人は、まずは配信サービスから利用してみてはどうだろう。

(2013年6月5日15:00追記)会社名に誤りがありましたので修正いたしました。

●関連サイト
JVCケンウッド
Forest Notes

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