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いまどきCDの概念を覆す小型CDプレーヤーを試してみた|Mac

2013年06月07日 14時00分更新

 個人的には、CDをCDのまま再生することがなくなって10年以上経つ。購入するとすぐにMacのiTunesに読み込むというスタイルに移行して以来、自宅にはCDプレーヤーすら置いていない。

 そんな僕が今回試したのが東和電子のCDプレーヤー「NANO-CD1」だ。普段はCDから聴いていないためか、実際に使ってみると逆に新鮮に楽しめた。そんなリポートをお届けする。

nanocompo

 「NANO-CD1」は、卵型スピーカー「Olasonic」を手がける東和電子が新しく提案するオーディオ「NANOCOMPO」シリーズのCDプレーヤー。すでにUSB DAC内蔵のプリメインアンプ「NANO-UA1」を発売しているが、これと同じくCDケースを3枚重ねたほどの小さな筐体が特長だ。本体サイズは幅149×奥行き149×高さ33mm、重さは1.2kg。NANO-UA1と重ねて置くと、コンパクトな本格オーディオシステムになる。

nanocompo

 このように、テレビラックの空きスペースにも設置できる。ちなみに右奥に写っているのは他社のアンプだが、そちらはアンプ単体で、NANOCOMPOの2段重ねと同程度の幅と高さで奥行は2倍。

nanocompo
nanocompo

 アンプとの接続端子はデジタルのみ。オレンジ色のデジタルケーブルが付属する。それを使ってNANO-UA1のように、デジタル入力端子を搭載しているアンプと接続。あとはスピーカーを接続すればセッティング完了だ。

 セッティングを終え、スロットインドライブにCDを挿入。動作音と共にCDが吸い込まれていき、回転音が聞こえてくる。僕はPowerBookにスロットインドライブが搭載された初期に、ディスクが排出されなくなるなどのトラブルで痛い思いをしているので、スロットインは苦手だ。

 しかし、NANO-CD1の音楽再生専用の新開発ドライブと頑強な筐体は不安を感じさせない。使っていて安心感がある。というか「高精度で動作してます!」感が伝わってきて、メカ好き男子としてはむしろ心が高まる。擬音でお伝えするならば「シュイーン、カシャッン! シュルルルル……」みたいな。iTunesでは味わえない「再生開始の儀式」的な気分が懐かしくも新鮮だ。

nanocompo
nanocompo

 スロットインのおかげで、設置の都合に合わせて縦置きも可能。ディスプレーの表示も回転できるのが気が利いている。

 再生される音質も、この価格と小ささにして完全に“本格”オーディオの範疇だ。試しに、ポップユニットである相対性理論の「シンクロニシティーン」を聴いてみた。シンバルの一打一打のニュアンスの違いがわかる解像感だとか、ベースの低音を緩くせずに明確に描き出す駆動力だとか、オーディオのポイントを見事に押さえている。シンバルの細かなグルーブとベースの力強いドライブ感でリズムが躍動する。

 なおアンプのNANO-UA1には、USB入力と光デジタル入力端子も用意されていて、前者でMac、後者でAirMac Expressを接続することもできる。後者の場合はCDの音をAirPlayで楽しめるというわけだ。iTunesライブラリ内の楽曲を音質劣化のないApple Lossless形式で構築しているなら、CDと同等以上の音質での再生が可能。僕の普段のスタイルにはこちらがマッチするし、皆さまにもお勧めしたい。

 また、CDから音楽をiTunesに読み込む際にAACまたはMP3形式を使っている場合は、NANO-CD1でのCD再生は音質面でのメリットも大きい。AAC/MP3で読み込むとデータの圧縮に伴い、音質も損なわれている。それに比べるとCDの生データは情報量が豊かで、前述のように音が生き生きとするのだ。

 なので、気軽に音楽を聴くときはiTunesからAirPlay、じっくり聴き込みたいときはNANO-CD1、というようにシステムを使い分けるといいだろう。

nanocompo

 個人的な収穫は久々のディスク再生に浸れたことに尽きるが、ノスタルジー抜きで考えても高い実力を持つシステムだとも実感できた。本格オーディオに興味を持ち始めた方には、ちょっと注目してみてほしい製品だ。

●関連サイト
東和電子(Olasonic)
相対性理論(みらいレコーズ)

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