2013年05月20日22時30分

auの夏モデルが厳選4機種となったワケ

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 auが夏モデルとして投入したスマホは、『HTC J One HTL22』、『Xperia UL SOL22』、『AQUOS PHONE SERIE SHL22』、『URBANO L01』の4機種。すでに新端末を発表済みのライバルと比較しても、端末数がかなり少ないと感じる。

 ラインアップを大幅に絞り込んだ理由について、代表取締役社長の田中孝司氏は「夏商戦は、冬や春の商戦期と比べ昔よりも盛り上がりに欠けるようになってきた」と話す。

 事実、昨年の夏商戦向け製品を振り返ってみても、auが投入したのは、スマホに絞れば『HTC J ISW13HT』など6機種と、当時から機種数の絞り込みを進めていた印象があった。

 ほぼ1年継続して販売できる『iPhone』をラインアップに加えた影響もあるだろうが、夏商戦はこの機種数で十分対抗できるとauは判断したようだ。

auの夏スマホは4機種
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↑夏商戦に投入される4機種の位置付け。機種数が少ないぶん、それぞれの特徴と端末の立ち位置を際立たせることで差別化。

 機種数が少ないだけに、個々の端末の差別化をはかって個性を際立たせているのが、au夏スマホの大きな特徴といえるだろう。

 『HTC J One』は、アルミを採用した背面のボディーデザインや、上下に備えたデュアルフロントスピーカー、ホーム画面でニュースやSNSが見やすくなる“HTC BlinkFeed”、あえてメインカメラの画素数を400万に抑え、いちどのシャッターで連射や動画撮影が行なえる“HTC Zoe”を備えるなど、フラグシップ、かつグローバル端末がベースならではの新しさを主張する機種だ。

au夏スマホのフラグシップはHTC
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↑夏商戦のフラグシップに位置付けられる『HTC J One HTL22』。ニュースなどが見やすくなるホーム画面や、独特の機能を備えたカメラ、アルミボディーなどが特徴。

 同じく世界展開しているブランドのスマホでも、『Xperia UL』はドコモから販売された『Xperia Z』をベースとし、5インチフルHD解像度液晶に加え、秒間15連写ができるカメラ機能を備えるなど、日本人が好むスタンダードな機能を搭載。

Xperia ULは秒間15枚の連写が可能
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↑『Xperia UL SOL22』は『Xperia Z』がベースとなるモデルで、5インチフルHD液晶と高いカメラ性能を備えるのがポイント。

 『AQUOS PHONE SERIE』はさらに、IGZO液晶と3080mAhの大容量バッテリーで長時間利用できるなど、長時間駆動への要求が高い国内ユーザーに応える、国内メーカーならではの正常進化を遂げている。

AQUOS PHONE SERIEは最長3日間駆動
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↑『AQUOS PHONE SERIE SHL22』はIGZO液晶と3080mAhの大容量バッテリーを備え、“3日間使える”とうたう長時間駆動を実現。

 そして『URBANO』は、急速充電機能を備えるなどバッテリー消費に対するニーズに応える機能を備えるのに加え、見やすく操作しやすいインターフェースを搭載。

 さらに、液晶面の振動で音を伝える“スマートソニックレシーバー”による安定した通話性能、安心して操作できるよう、ホームキーやバックキーなどに物理キーを採用。フィーチャーフォンから乗り換えたスマートフォン初心者に対し、わかりやすさを提供するモデルと位置付けられている。

URBANOは物理キー搭載で扱いやすさを重視
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↑スマホ入門者をターゲットにした『URBANO L01』。フィーチャーフォンふうの“エントリーホーム”や物理キーを備えるなど、分かりやすさを重視。

 一方で、ライバルが揃えるフルセグ対応機種を用意しないのも特徴的だ。これについて田中氏は「バッテリー消費などさまざまな要因を考慮した結果、今回は見送った」と話しており、今回は周辺機器でフルセグに対応する形をとっている。

auはフルセグ機能を周辺機器で提供
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↑フルセグ対応機種は投入されないが、無線LAN経由でフルセグを視聴するチューナーを周辺機器として提供する。

 

スマートリレーションズ構想でスマホを日常に
 端末ラインアップを絞り込む一方、プレゼンで多くの時間を割いて説明がなされたのが、サービスに関する施策、ひいてはauの今後の方針に関する施策についてだ。

 auは昨年まで“スマートパス構想”を掲げ、固定ブロードバンド回線とのセットでスマホの価格を割引く“auスマートバリュー”や、390円の定額でアプリなどさまざまなサービスを利用可能にする“auスマートパス”などを推進。

 これらの施策はauの顧客獲得の強力な武器となり、auスマートパスの会員数は600万を超えるなど、大きな成果を上げている。

 その上で田中氏は、「スマートフォンを購入してもらう段階から、スマートフォンで何をするか、何ができるかを提案する段階にきた」と話す。

 そして“何ができるか”を実現するための新たな取り組みとして、“スマートリレーションズ構想”を提案している。この構想は、スマホを“ディスプレーの中の世界”に閉じるのではなく、買い物や交通、レジャーなど現実の生活につながっていくことをサポートしていくものだ。

スマートリレーションズ構想
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↑auがスマートパス構想に続いて提案するのが“スマートリレーションズ構想”。スマホを現実の世界と連携させる取り組みを進めていく。
スマートパスを大幅リニューアル
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↑新構想の一環として“auスマートパス”が大幅にリニューアルされ、タイムラインふうのシンプルな表示に。
ぴあのチケット先行予約が可能に
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↑資本参加したぴあを活用し、チケットの先行予約や映画の試写会など、リアルに結び付けたauスマートパス会員限定のサービスも増やしている。

 

サポートを強化してスマホ乗り換えを強力に推進
 もうひとつの取り組みが、新サービス“auスマートサポート”だ。これは、加入時に3150円、さらに月額399円支払うことで利用できる、会員制のスマホサポートサービス。

 初期費用が必要な分ハードルは高いが、24時間365日対応の“auスマートサポートセンター”や、15日間端末の使い勝手を試すことができる“スマホお試しレンタル”、別途料金を支払うことで、スタッフが自宅に訪れて端末の使い方などを教えてくれる“訪問サポート”など、スマホ初心者に向けた手厚いサポートを提供するのが大きなポイントだ。

スマホの訪問サポートも提供開始
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↑初心者向けの手厚いサポートを実施する“auスマートサポート”。1回8925円と高額だが、自宅に訪れて使い方を教えてくれる訪問サポートも用意。

 こうした取り組みを実施するのには、フィーチャーフォンからスマホに移行するユーザーを増やすだけでなく、移行したユーザーにスマホを使い続けてもらいたいという狙いがある。 スマホに消極的なユーザーを単にスマホに移行させただけでは、使い方がわからない、使用するメリットが感じられないなどの理由から、フィーチャーフォンに戻ってしまう可能性もある。

 この層ををスマホにしっかり繋ぎとめるには、ネットサービスだけでなくリアルに結びついたわかりやすい価値、そして使いこなすまで手厚くサポートしてくれる体制が必要と判断したのだろう。

 端末、サービスについては明確な姿勢を見せたauだが、今年に入ってネットワークに関する障害を相次いで起こしていることもあって、ネットワーク面の施策については大きく触れられなかった。

 なお、田中氏からは2GHz帯を使って4G LTEの100Mbps化が一部で進められていること、そしてドコモと同様に、2GHz、800MHz、1.5GHzの3周波数帯をLTEに用いることなどが示されている。

 田中氏はプレゼンでスマホ利用者は今年度中に5割を超えると話し、“スマートフォンで何をするか”の提案を進めようとしている。

 一方で、囲み取材では「スマートフォン契約者は現在、全体の37パーセント程度」と話しており、フィーチャーフォン利用者の取り込みが急務との印象も受ける。

スマホへの移行を強力に推進
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↑スマホ利用者が5割を超えることを見越し、スマートリレーションズ構想を展開するau。だが当面は、スマホ利用者を増やすことが命題となる。

 

 auの夏商戦は、機種数を絞り特徴を打ち出したわかりやすいラインアップや、“auスマートサポート”による利用者の手厚いサポートの訴求などで、先を見据えつつもフィーチャーフォン利用者をスマホに移行させる土台作りの段階といえそうだ。

●関連サイト
au

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