2013年05月09日14時00分

700名を束ねる日本のコアゲーマーに訊く「EVE Onlineの魅力」:EFf2013

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ユーザーの大規模戦闘に発展することもある独特のゲームデザイン

 第2回のレポートでは、イブオンラインのユーザーに焦点を当ててみよう。(第1回のレポートはコチラ
 欧米ではかなり知能の高い男性ユーザーというのがイブオンラインの典型的なユーザーだ。

 イブオンラインはPRGの中でも魔力などのファンタジー性が極端に少ない非常にハードコアな設定でゲームを進めるのが特徴。宇宙船や兵器などのパラメータを考えて自分で計画を立てなければならない。そのハードコアというか理詰めの舞台設定の中で活動を展開して他のプレイヤーともコミュニケーションしながら自分の組織(イブオンラインではコーポレーションと呼ばれる集団。普通のPRGならギルド)を作っていく。

 他のコーポレーションの人たちとゲーム内のチャットで会話しながら作業(星で鉱物を掘ったり、マーケットで販売したりとまさに作業と呼んだほうがふさわしい)を進めていく。コーポレーション同士がアライアンスを作って同盟になることも出来る。
 結果的に複数のコーポレーションが同盟に所属し、アライアンス同士が大規模な戦闘に入ることもある。過去の大きな戦闘では数千人のプレイヤーが同時に参加した例(Battle of Asakai)もある。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第2回

 システムからのメッセージに従ってゲームを進めていくPRGとは違い、自分で計画を立てて実施するためには他のプレイヤーとの会話が必要、それには共通の言語である英語によるコミュニケーションが必須なのだ。
 英語が母国語のアメリカやイギリスに多くのユーザーが居るのはごくごく自然なのだ。勿論、日本語のクライアントを使えば日本語で表記されるし、会話も日本語が使える。ただ、それでは全てのプレイヤーが同じ空間にいる利点が活かせない。
 特に自分の領土を拡大したい野望を実現するためには英語圏のプレイヤーとの対話が必要なのだ。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第2回

 どうしてこんなに硬派で萌え成分が少ないゲームに熱狂的になれるんだろうか?今回、日本から参加しているヘビーユーザーであるDEXSARという名前で知られるユーザーに現地でインタビューを行った。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第2回 EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第2回
DEXSARこと坪井さん。本名にすると途端に所帯じみてくるのが不思議。 DEXSAR愛用の特製iPhoneケース。こだわってます。

 DEXSARは2006年からのイブオンラインユーザーであり、既に700名を超える参加者を抱える日本最大のアライアンスのCEOだ。CEOはその組織の持つ資産を管理する立場にあるユーザーとなる。つまり700名の組織(12のコーポレーションで構成)の文字通りの管理者なのだ。
 DEXSARはウルティマ・オンラインのユーザーの知り合いから紹介されてイブオンラインにハマったと語った。最初は何をしていいのかわからなかったが、だんだん何でも出来ることに魅力を感じたとのこと。ただ、組織を統括するためには他のCEOともコミュニケーションが必須であり、その場合はほぼ必ず英語となる。
 ゲームはリアルタイムで稼働しているため、地球上の多くの時間帯で活動をしてくれるメンバーがいないと組織の運営は難しいと語る。つまり日本が寝ている時に攻撃されても対応出来ず、日本の裏側で作業をしてくれるメンバーが必要だということだ。

 実際にはゲーム内のチャットだけではなくSkypeを使ってネット経由でコミュニケーション(彼の言葉では「外交」)が必須となり、英語がそれほど得意ではないという彼には荷が重いと語る。
 イブオンラインには何の制約も無いためにやりたいことが出来る、しかしそこが初心者にとっては何をしていいのか分からない難しさだ、という。ネットには様々な情報が大量に公開されているが、チュートリアルに沿ってプレイしていてもうまくいかないことがある。つまりは親切なハウツー本の様な物が無いと難しい、と語る。
 ファンタジー性に「萌え」を感じる人よりもミリタリーファンの様に武器やそのスペック、作戦の複雑さなどに魅力を感じる人で無いとハマるのは難しいと思えた。

中国市場の状況:EVE Onlineユーザーは10歳若い

 次にイブオンラインの中では特異な位置にある中国での状況を見ながら、イブオンラインを別の角度からみてみよう。
 中国では法律の規制のため、現在ロンドンで集中的に管理されているイブオンラインのサーバー、Tranquilityが使えない。そのため上海にSerenityという全く別のサーバーを立てて運営している。
 そのサーバーの管理や課金などをしているのがTianCityというブランドで各種のゲームを運営している上海邮通科技有限公司という法人になる。中国でのイブオンラインは2006年に最初に中国国内に展開したものの、上手く行かず、2012年に再度ラウンチを行ったという経緯があり、2012年のラウンチの時に新たに選ばれたのが上海邮通科技有限公司という中国ではトップグループに位置するゲームオペレーターだ。

 「EVE in China」というセッションでは欧米のゲーム環境とは全く別の空間でプレイされる中国におけるイブオンラインの状況、ユーザー層やゲームの規模などの詳細について概要が説明された。

 そこでも極端に男性の比率が多いこと、年齢層が欧米ユーザーより10歳程度若いことが解説された。
 実際の中国のユーザー数を公表はしないということだが、全課金ユーザー50万人のうち数万人は中国在住のユーザーと推測してもそれほど外れていないと思われる。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第2回
130万回のログインは累計の数。

 ここでもあくまでもハードコアなゲームオタクがその大部分を占めているという状況は変わらない。中国のユーザーを動画で紹介するクリップによると確かに若くてお金持ちそうな若者が多かった。
 また国営テレビであるCCTVで著名な軍事評論家がイブオンラインの宇宙船について解説するニュースが放送されたことでイブオンラインの認知が進んだことは確からしい。つまり中国でもミリタリーファンの心を掴んでしまったということだ。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第2回
CCTVでの放送のクリップ。

第3回に続きます

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