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ガチコアゲーマーだらけだったEVE Online10周年イベント:EFf2013

2013年05月08日 20時30分更新

欧米のハードコアゲーマーがレイキャビックに集結

 欧米を中心に50万人以上の有料課金ユーザーを誇るMMOPRG(大規模同時参加型オンラインロールプレイングゲーム)であるEVE Online(イブオンライン)を運営するCCP(本社アイスランド、レイキャビック)はイブオンライン運用開始から10周年を祝うイベント、EVE Fanfest2013(ファンフェスト)を本社のあるレイキャビックにて開催した。期間は4月24日~27日、開催場所はHARPAと呼ばれるレイキャビックのコンベンションスペースに約1400名のファンが集った。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第1回
EVE FANFEST2013が開催されたHARPA。オペラを公演できる劇場を備えた多目的施設。

 今回のファンフェストでは既にオープンベータ版が発表されているFPS(ファーストパーソンシューティング)ゲームタイトル、『DUST 514』の最新情報、イブオンラインの次の機能拡張「Odyssey」の紹介、ヴァンパイアをキャラクターとしたMMORPG、『World of Darkness』のプレビュー、ヘッドマウントディスプレイを使ったVR(バーチャルリアリティー)技術を応用したゲーム体験の発表などが行われた。

 イブオンラインファンフェスト2013はヨーロッパを中心に世界各国から1400名を超えるハードコアなイブオンラインユーザーがレイキャビックに集い、開発者との活発な議論やデモ、プレゼンテーションへの参加、グッズの販売、国別のラウンドテーブルと呼ばれるユーザー同士の会合、ユーザー同士のトーナメントなどが4日間に渡って行われる世界最大級のオフ会といっても良いだろう。真面目なプレゼンテーションやデモだけではなくユーザー同士が親交を深め、情報を交換し、開発者へのフィードバックを行う場所であり、夜はひたすらアルコールを消費するオフ会でもある。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第1回
HMDを用いたVRのデモンストレーションは試したいユーザーで満員だ。ちなみに私は気分が悪くなりました。

 基本的なデータを確認しよう。イブオンラインはCCPが2003年に提供を開始したMMORPGで、いまから2万年後の宇宙を舞台にプレイヤーが宇宙船を操縦し、様々な経済活動、戦闘活動を行うことを目的とするゲーム。有料課金ユーザー50万人以上、同時接続ユーザーも6万人を可能にする巨大なオンラインマルチユーザーゲームだ。

 いわゆるロールプレイングゲームの中でイブオンラインが特徴的なのは、敵を倒すなどのストーリーを運営側が用意するのではなく、プレイヤー自身の意志によって自由に行動を起こすことが可能なことと、中国を除く全てのプレイヤーが同じ空間で活動すること、だろう。メーカー側がストーリーを用意するテーマパーク型ロールプレイングゲームと異なり、イブオンラインの中ではユーザーが自由に行動を起こすことが可能だ。7000を超える恒星系の移動や資源の採掘、売買などの経済活動、コーポレーションと呼ばれる組織の運営、大規模な戦闘や領土獲得、スパイ行為など広大な宇宙空間の中で自由に行動を起こすことができる。

イブオンラインのユーザーは平均16時間/週プレイしている

 イブオンラインは魔力などのファンタジー性が極力抑えられたハードコアな宇宙空間でのサイエンス・フィクションPRGなのである。なお、有料課金ユーザーの96%は男性、アメリカ、ドイツ、ロシア、イギリスなどが66%を占め、20代後半から30代半ば、平均で週に16時間イブオンラインをプレイしている、というのが典型的なイブオンラインユーザーだ。実際にファンフェスト会場では日本のゲームファン達より高めの年齢層の男性が多い。会場でみかけるコスチュームも黒、灰色などのミリタリー調で、この中に萌え系のコスチュームで現れたら異様に浮くことは確実だ。ちなみにCCPの社員も84%が男性ということで昨今のIT企業には珍しい非常に“男臭い会社”なのだ。

 なお、CCPの売上は昨年度でUSドル換算の6500万ドル。日本のゲーム業界の売上ランキングで言えば15位程度ということになる。つまり年間売上約6500億円の任天堂のほぼ100分の1だ。

EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第1回
EVE Online ファンフェスト2013 取材レポート第1回

 要約すると日本から来たメディアの取材陣はひとつのタイトルだけで65億円という売上をあげるゲームコンテンツメーカーとコアなファンの一部が年に一度、レイキャビックに集まり、目一杯楽しむイベントに同席したと言える。実際にイブファンフェストはアイスランドの全人口31万9千人のうち11万8千人が暮らすレイキャビックの街を挙げての一大イベントなのだ。しかも今回でイブオンライン誕生から十周年の記念すべき年に当たり、メーカーであるCCPもファンも気合の入り方は半端ではない。

 今回のファンフェストの目玉はなんと言っても最新の機能拡張(Expansion)であるイブオンラインオデッセイ(EVE Online Odyssey)の詳細が明らかになったことだろう。欧米のコアなファンのニーズを十分に取り入れた各種の機能はキーノート・スピーチでデモを交えて紹介され、熱狂的に迎えられた。

 またイブオンラインと世界観及び舞台を同じくするFPS『DUST 514』に関しても5月6日からUprisingというビルドで新機能が公開され、5月14日にオープンベータから正式なサービスとして運営されることが明らかになった。ヴァンパイアをキャラクターにした最新のMMOPRGである『World of Darkness』についてはコンセプトや開発ツールの紹介などと共に最新のビルドによるゲームプレイが紹介された。

 ゲームプレイについては写真・動画撮影が厳しく制限される中で会場を埋めた満員のファンはゲームの出来具合、ゲーム開発の進捗に満足を示した。World of Darknessの公開日などの詳細は未定である。
第2回レポートに続きます)

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