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Apple基調講演09 iPhone3GSの“S”が意味するところとは?|Mac

2013年05月05日 20時00分更新

 今年の6月10日から開催されるWWDC 2013のチケットは、4月25日の午後10時(現地時間)に発売されるやいなや、たった2分で完売してしまった。ほんの4年前のWWDCでは、完売までに1ヵ月もかかっていたのにだ。本講演は、スティーブ・ジョブズは静養中で姿を見せることはなかったものの、ハードウェア、ソフトウェアともに新製品が発表され、大いに盛り上がった。

■フィル・シラーが仕切る安定感あるプレゼン

 メインのプレゼンターを務めたのは、マーケティング担当上級副社長のフィル・シラー。前回の「iPhone OS 3.0 Software Sneak Peak」でメインを張ったのがiPhoneソフトウェア開発担当のスコット・フォーストールだったため、本講演は誰が主役なのかが注目されていた。フタを開けてみれば、過去に何度もジョブズの代役を務めてきたシラーという、ごく真っ当な人選となった。

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 普段なら、業績報告などの「前口上」にたっぷり時間がとられるところだが、今回は違った。OS Xのアクティブユーザー数が急増していることを報告すると、シラーはいきなり新機種を発表。MacBook Pro 15インチのニューモデルだ。また、以前「アルミボディーのMacBook」という位置づけだった13インチモデルが、FireWire 800ポートを追加してMacBook Pro 13インチとして再デビューを遂げた。内容的にはそこまで大きな変革ではないが、のっけから新機種が発表されたことで、今回の講演は「当たり」だと観衆は確信したことだろう。

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■B.サーレットによるSnow Leopardプレビュー

 第2幕は、OS Xソフトウェア担当上級副社長のバートランド・サーレットによるOS X 10.6「Snow Leopard」のプレビューだ。前OSの「Leopard」をブラッシュアップしたOSであり、外観上の劇的な変化はない。アップデートの主な内容は下記の通り。

 ・OS自体のサイズがコンパクト化
 ・Safari 4
 ・QuickTime X
 ・64ビット化
 ・Grand Central Dispatch
 ・OpenCL

 など。このほか、Finderをはじめとする主要なアプリがCocoaで作り直されたことで、全体的なパフォーマンスが上がった。

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 会場がどよめいたのは、Leopardからのアップデート料金が表示された時だ。それまでOSのメジャーアップデートには、100ドル以上かかるのが通常だった。しかし今回は、29ドルでアップグレード可能になった。OS XプラットフォームについてもAppleが「攻め」の姿勢であることを感じた瞬間だった。

 このステージで新OS Xのデモを担当したのはソフトウェア担当副社長のクレイグ・フェデリギ。サーレットは2011年にAppleを離れることになるが、フェデリギはその後任となる人物だ。

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■フォーストールによるiPhone OS 3.0プレゼン

 続く第3幕は、近年その存在感を増大させているスコット・フォーストール。ただしこの講演では控えめな役どころに留まった。プレゼン内容は、前回の「iPhone OS 3.0 Software Sneak Peak」をコンシューマー向けにアレンジしたもの。新機能として観客に特に受けていたのは「Find My iPhone」(iPhoneを探す)だった。

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■メインディッシュはiPhone 3GS

 フォーストールのプレゼンが終わると、シラーが再登壇。講演はいよいよ終盤に差しかかり、観衆は「メインディッシュ」を切望している。満を持して発表されたのが、iPhone 3GSだ。「S」は「スピード」の意味だとシラーは語り、3Gの2倍高速になったと明言した。

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 3GSの新機能としては、7.2MbpsのHSDPA通信をサポートしたことや、カメラで動画撮影が可能になったこと、音声コントロールなどが挙げられる。ちなみに、iPhone 3GSの機種名は後に「3GS」と綴られるようになるが、当初は「S」の文字が独立しており、「iPhone 3G S」と表記されていた。

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 充実した内容で、喝采に包まれながら2009年のWWDC基調講演は幕を下ろした。その後のiPhoneシリーズの快進撃はご存知の通り。驚異的なスピードでAppleが世界のスマートフォン市場を席巻していく、その勢いを体感できる講演だった。

 

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