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iTunes Storeで週末に観たい映画「アイアンマン3よりもヒーロー」編|Mac

2013年04月27日 20時00分更新

 今週のテーマは「ヒーロー」。ヒーロー映画で真っ先に思い浮かぶのはアメコミのヒーロー達ですが、そこはカブると感じたのか韓流あり、アニメありのバラエティーに富んだセレクトになりました。

Mr.インクレディブル
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 かつては世の中の悪と戦い、「ヒーロー」として人々に慕われていた「Mr.インクレディブル」ことボブ・パー。しかし、スーパー・ヒーロー制度が廃止されたいまは、一般市民として暮らしている。妻のヘレンもかつて「イラスティ・ガール」として活躍しており、その間にできた子供たちも必然的に超人的なパワーを持って生まれたが、それを隠すことを強いられていた。

 ある日、ボブは謎の女性から高性能戦闘ロボットを捕獲してほしいと依頼を受ける。以前のように活躍したくてたまらないボブは、それを快諾し、再びヒーロー活動を再開するのだが……。

 と、設定からして興味をそそられる「ヒーロー」のその後が描かれるディズニーアニメ作品です。現代ではスーパー・ヒーローはもう必要でないという現実に悲しむボブや、とにかくいまは慎ましく暮らしていきたいヘレンなど、アニメ作品らしからぬ現実の姿につい笑ってしまいます。妙に現実社会を皮肉っている登場人物たちの会話も、見どころのひとつです。

 また、家族全員が持つ超人的なパワーは、力が強い、腕が伸びる、高速に走れる、透明になれるなどなど、アニメならもっとすごい能力でもいいのではと思うほど古典的なもの。しかし、それらを使うのが「子供」であり「家族」であることが、多くの人が楽しめるポイントなのでしょう。家族ものだけにウルッとくる場面ももちろんあり、まさしく子供から大人まで楽しめる作品だと思います。

 「ヒーローもののアニメ作品」として見ると、気持ちいい裏切りをたくさん感じられる作品です(藤村)。

Mr.インクレディブル(日本語吹替版)」をiTunes Storeで見る
(HD版:400円、SD版:300円)

アジョン(字幕版)
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 僕、韓流とかってそんなに興味ないんですけど。なんかの映画を見たときに本作の予告編が流れて、ちょっと興味持ったんですよね。なんかウォンビンって人、カッコよくない? みたいな。僕、同性愛の趣味はないですけど、色気のある男性ってのは好きなんですよね不思議と。

 本作がヒーロー物か、というと賛否が分かれるかもしれません。ヒーローったら全身タイツみたいの着て街とか国とか世界を救っちゃったりする人ですよね。ウォンビンが演じる主人公が救うのは、たった一人の少女。でも変身はします。ボサボサ頭で小汚いオッサンが、少女を救うと決めたとき、ビシッとスーツを着込んだイケメンになります。でもって実は超強いという設定。ヒーロー物の王道と言えましょう。

 ワケありで世間から遠ざかって暮らしている主人公。あるきっかけから、自分のことを「アジョシ」(おじさん)と呼ぶ少女に、図らずも感情移入しちゃうわけです。その少女が危険にさらされていることを知った瞬間から、スーパーヒーロータイムが始まります。うん、わかりやすくてよいです。

 韓国映画らしい遠慮のない暴力描写も、ウォンビンの甘いマスクとのギャップでおいしいです。でも血飛沫とかが苦手な人は要注意。そういうの込みで、ツッコミどころも含めて楽しめる人なら、まあ満足できる1本だと思います(諸富)

アジョシ(字幕版) 」をiTunesで見る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル400円)

ハンコック(字幕版)
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 ウィル・スミスが主演のヒーロー映画です。といっても、変身したり、ビームを発射したりはしません。ただ、力が強くて不死身なだけ。

 最初はダーティーヒーローといいますか、犯罪者を捕まえつつも車を吹っ飛ばしたり、道路に穴を開けたりと行動がかなりムチャクチャなので市民からはあまりよく思われていません。

 宇宙出身で変身すると巨大化できるヒーローは、いくらビルを破壊しても問題視されません。また。バイク乗っているようなヒーローならなるべく近所迷惑にならないように採石場などに場所を移して敵と戦います。一方、ウィル・スミスが演じるヒーローであるハンコックは、他人の迷惑なんかお構いなし。前半はとにかくいろいろなものを壊しまくりです。

 しかし、彼のことを必死に理解しようとするPRマンとの出会いで運命が変わります。ハンコックが刑務所に入ったとたん犯罪率が上がっちゃう街もどうかと思いますが、警察署長に請われて事件を解決のために釈放されたハンコックは、カッコ悪いユニフォームを着て颯爽と登場し、銀行強盗をやっつけます。

 これでハッピーエンドかと思いきや、さらにハンコックの仲間が登場。この仲間がめちゃくちゃ強い。しかし、捕まえた犯罪者が復讐のために脱獄して、ハンコックを襲撃に来るのですが、そのときにこの仲間とともにハンコックは瀕死の重傷を負います。どうやら不死身のヒーローが一緒にいると不死身じゃなくなるそうです。とはいえ、二人とも死んだかと思ったら、また生き返るのですが。もう3000年ぐらい生きているそうです。

 基本的に娯楽映画なんですが、映画を通してわかるのは、ヒーローは孤独だということ。頑張っていても、人から理解されないというのは悲しいもんです(吉田)。

 「ハンコック(字幕版)」をiTunesで見る
(HD版レンタル:400円、SD版レンタル:300円)

探偵はBARにいる
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 いわゆるヒーローものにはあまり興味がなかったので、ひと味違うものを観てみました。というのも、5月11日から公開の第2作「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(外部サイト」の試写を観て、前作がまた観たくなっていたんです。こちらについては、MacPeople6月号のエンタメページにレビューを書かせていただきました。

 大泉洋演じる「探偵」は、泥臭くて全然スマートじゃないけど「やるときはやる」男。助手の大学生・高田(松田龍平)とのすっとぼけたやりとりがサイコーです。ハードボイルドとユーモアのバランス、ほろ苦さの配合もホント絶妙。大泉ファンであるというひいき目なしでも、やっぱり何度観てもおもしろい作品でした。

 札幌ススキノの繁華街の猥雑とした雰囲気の味わいは、新宿歌舞伎町ではダメなんですよね、なぜでしょう? 探偵行きつけの喫茶店モンドのウェイトレスが無駄に振りまくエロスが華麗にスルーされるシーンがお気に入りで、この作品がきっかけで女優の安藤玉恵さんが好きになりました。高嶋政伸が演じる悪役は、初見では「高嶋さんに似てる気がするこの異様な人誰?」という感じがするほどハマり役です。要所要所で差し込まれるファンキーなテーマ曲やJAZZも個人的ツボにはまりましたね。「探偵」みたいなヒーローがいてもいいんじゃない? そんな1本です。(山口

探偵はBARにいるをiTunesで見る
(HD版レンタル:300円、SD版レンタル:200円)

アンブレイカブル (日本語吹替版)
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 アメコミ好きなのでヒーローものは大抵おもしろく感じてしまい、たとえラジー賞4部門受賞したハル・ベリーの「キャットウーマン」でさえ、映画館で観て、パンフレット買って、初回限定DVDも買ってしまうため、今回はちょっと特殊なレビューです。

 「シックスセンス」で大ヒットを飛ばしたM・ナイト・シャマランの次の作品がこの「アンブレイカブル」だ。超常現象や大ドンデン返しを期待したファンの期待を、ブランコばりの豪快な空振りにさせたため割と損な評価だけど、今観ると再評価されてもいいヒーロー映画。ノーラン版バットマンがリアル路線で高評価だけど、あの鉛色の映像や、現実っぽい描き方が好きな人に向いていると思う。

 ヒーローもののヒット条件はヴィランが魅力的なこと。この作品ではサミュエル・L・ジャクソンが屈折した性格の敵を好演技。先天性の病気で骨がもろく、出産時に複雑骨折で生まれてから、何十回と骨が折れてしまうため、ミスター・ガラスというあだ名だ。

 そしてバランス論で、逆に絶対に怪我をしない人間がいるに違いないと思うわけ。そこに列車事故で乗客が全員死亡の中、奇跡的に無傷の主人公の存在をニュースで知る。これがブルース・ウィルス役の主人公、つまりアンブレイカブル。いわゆる光と影の立ち位置が、お互いの悲惨な過去でよくわかる親切な展開だし、禁書ばりの通り名がかっこいい。

 「おまえはスーパーヒーローなんだ」を付きまとううちに、主人公も自分の力を意識し始めるのが物語中盤以降。序盤の陰鬱なメロディがアップテンポになり、ヒーロー誕生シーンらしい展開になってくる。「バットマン ビギンズ」くらい序盤が長いので、ドンパチ展開が好きな人は間違いなく寝落ちする。もしシリーズがあったなら、前日譚になるようなストーリーだ。

 ヒーローに欠かせないのがマント。だけどリアル路線だから、警備員の主人公のポンチョがマントっぽい仕立てになっていて、違和感なく条件を満たした演出もうまい。悪役は骨が弱いので外出もできず、唯一の楽しみがコミックを読むこと。大人になったらコミック店長になり、思考が全部コミックベースなのもリアルすぎて胃が痛くなる。

 発火して空を飛んだり、重力を操ったり、骨格がアダマンチウムというようなすてきな設定はないのだが、怪我をしなかったり、思考が読めるあたりは、ウルヴァリンやプロフェッサーXっぽい能力なので、ピチピチのコスチュームが普段着になるだけでこうも違うのかという感じだ。

 あ、もうひとつのヒーローに欠かせない要素の弱点も、もちろん設定されていて、それは水。子供のころにおぼれた(でも死ななかった)からなんだって。リアルにこだわりすぎて作品に華がなく損してる気もするけど、一周まわった「ヒーロー映画」として観るのがオススメだ。でも、なんでスリラーのコーナーにあるんだろう?(三宅

アンブレイカブル (日本語吹替版)」をiTunesで見る
(HD版レンタル:400円、SD版レンタル:300円)

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