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キュレーションへの熱意が感じられたFlipboardの初のユーザーイベント

2013年04月12日 16時30分更新

■3月下旬に初のメジャーアップデート

 ウェブサイトやSNSにある情報が雑誌のように美しくレイアウトされ、スマホやタブレットで快適に閲覧できるアプリ『Flipboard』。3月下旬に行なわれた初のメジャーアップデートでバージョン2.0になり、自分が集めた情報を“雑誌”として公開できる機能が加わりました。そんなFlipboardが、4月11日に日本では初となるユーザーイベントを東京・代官山T-SITE蔦谷書店で開催。その模様を取材しました。

 ゲストとして登場したのは『amana photo collection』チーフディレクターの河内タカさん、アーティストのSPUTNIKO!さん、代官山蔦谷書店・旅のコンシェルジュの森本剛史さんの3名。河内さんはニューヨークを拠点に展覧会のキュレーションや写真集の編集などを行なってきた経歴を持つスペシャリスト。SPUTNIKO!さんはロンドン大学インペリアル・カレッジ数学科および情報工学科を20歳で(!)卒業後、現在はアーティストとして活動中という異色の経歴の持ち主。また、森本さんは長年トラベルライターとして活動し、自身でも旅行ガイドブックを多数制作するなど旅行書籍に精通する人物です。

河内タカさん(『amana photo collection』チーフディレクター)
Flipboard
SPUTNIKO!さん(アーティスト)
Flipboard
森本剛史さん(代官山蔦谷書店 旅のコンシェルジュ)
Flipboard

 

ネットではタイトルや見出しの重要性が高い

 Flipboardの魅力やゲストそれぞれの情報発信のスタイルなどについてさまざまなトピックが語られたイベントでしたが、いくつか気になったものを紹介します。

 もっとも印象的だったのは、ネットでの情報発信ではタイトルや見出しの重要性が非常に高いという話題です。河内さんは「タイトルはとても大切で、僕はそこにいちばん時間をかける。キャッチーで平易な言葉を使うことを心がけている」と語り、SPUTNIKO!さんも「ネットユーザーは最初の5秒くらいでコンテンツを選別している。そのスピード感に合わせることが大事」と同調。また森本さんは、まだ旅行ガイドブックがほとんどなかった1970年代に自費出版して異例の売り上げを上げたガイドブックの書名が『おまえも来るか中近東! 1日1ドルの旅』だったというエピソードを紹介。たしかに、旅行好きならずとも思わず手に取りたくなるタイトルですね。

河内さんが公開している雑誌
Flipboard
↑河内さんがFlipboardで公開している雑誌のコンテンツの一例。魅力的な見出しと数枚の写真を見るだけで、読んでみたくなります。

 

 また、ある特定のジャンルに特化したコンテンツを発信することの重要性についても語られました。特定のジャンルというのは、自分の得意な分野でも、あるいは自分の興味が向かっている分野でもオーケー。たとえば河内さんは「僕の場合は“写真”が専門分野だから、それについて発信することに意味がある。僕がグルメについて語っても誰も読まない」と割り切っているそうで、SPUTNIKO!さんは自分の作品制作のために集めている情報をそのまま雑誌にしてFlipboardで公開しているそうです。玉石混淆のネットにおいては、「この分野の情報が得たいなら、この人をフォローすれば大丈夫」という安心感は貴重だと実感できます。

■信頼を得るためには更新頻度と蓄積も必要

 さらに、情報発信者として信頼を得るためには、ある程度の更新頻度と蓄積も必要だと感じました。常に最新の話題を扱っているわけではなくても、そこへアクセスすれば新しい情報が得られるということはユーザーにとって意味があり、そこに信頼が生まれるからです。
 1時間強のイベントを取材しての感想は、「自分にもキュレーションはできるんじゃないか」というものでした。完全にオリジナルなコンテンツや情報を作るのにはそれなりの労力やノウハウが必要ですが、自分の興味に沿って情報を集める行為は誰にでも経験があるはず。あとは、それを発信する際のコツに気を配りながら、Flipboardなどを利用して公開するだけなのです。今よりも多くの人がそれを実践し、質の高い情報やコンテンツへのアクセスが容易になって、ネットがよりよい姿になっていくといいですね。
 

『Flipboard』
バージョン:2.0
App Store価格:無料
(バージョンと価格は記事作成時のものです)
(c) 2010-2013 Flipboard Inc.

 

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※このアプリはiPhoneとiPadの両方に対応しています。

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