いま、中国では毎月のようにスマートフォンメーカーが登場しています。コストパフォーマンスの高い製品も多く、海外大手メーカーもうかうかしていられない状況です。そんななかであまり見かけないメーカーの製品を発見しました。なんと日本でおなじみのブランド名の端末なんですよ。
これは日本メーカーの製品なのか? |
中国の家電量販店の携帯売り場を覗いてみたところ、ちょっとスタイリッシュなスマートフォンが売っていました。どうやら音楽再生を得意とする製品です。どんなメーカーなのかな、と見てみると“Pioneer”って書いてあるじゃないですか。
本当にパイオニアの製品っぽい |
中国にありがちなコピー品かと思いましたが、売っているのは大手家電量販店。しかもそのなかに入っているキャリアのお店でも売ってます。ってことはこれはちゃんとしたまともな製品のようですね。
パイオニアのロゴが入っているぞ |
こりゃ本物かどうか買って試したほうがいいかもしれない、ってことでその場で購入。「日本人はパイオニアが好きなんだね」と店員さんに言われたものの、パイオニアの携帯なんてJフォン時代にあったくらいでいまじゃ見かけません。中国じゃ「日本ではいまもパイオニアの携帯が売っている」と思われているんでしょうか?
裏もパイオニアだ! |
背面を見ると電池カバーにもしっかりとロゴが入っています。しかも印刷じゃなくエンブレム的になっているのがいい感じ。そして右下にドルビーのロゴがあるように、音楽再生に関してはかなりちゃんとしたものを搭載しているようです。
ヘッドホンも専用品 |
パッケージのなかには充電器などが入っていますがそれらは汎用品でした。でもヘッドホンだけは専用の高級そうなものが入っています。ケーブルの途中に通話を取るためのオンフックボタンが付いていますが、その部分にもパイオニアのロゴがしっかり入っています。
デュアルSIMですよもちろん |
さて中国メーカーのスマートフォンはデュアルSIM仕様なのが一般的。このパイオニア『P80w』もW-CDMAとGSMのデュアル仕様。SIMカードスロットも2つ備えています。
電源ON…残念ながらパイオニアロゴはなし |
パイオニアのスマートフォンなら電源投入後もパイオニアのロゴがスクリーンに表示されるよね、と思ったらこちらは残念ながらキャリアであるチャイナ・ユニコムのロゴ表示。でもこれが表示されるってことは正規に販売されているものって証明でもあります。
なかなかかっこいいスタイルですね |
スペックは、Android OS 4.0、デュアルコア1GHz CPU、4.5インチ960×540ドットのIPS液晶、800万画素カメラ、1800mAhバッテリー。サイズは135.5×69.2×9.6ミリ、重量は156.6グラム。ミッドレンジクラスの性能ですが、一般的な利用には十分でしょうか。
中国品なのでGoogle Playが入ってない |
このまま普通に使いたいところですが、中国メーカーが中国で正規に販売しているスマートフォンの多くはグーグルサービスに非対応。GmailやGoogle Playは搭載されていません。まぁあれこれしたらなんとかなるのでしょう。
中国のパイオニアスマホの正体 |
念のためパイオニアの中国法人ウェブページを見てみると、ちゃんとこのスマートフォンが紹介されています。保証書にあるメーカー名を見ると湖南蘇寧先鋒電子とあります。湖南は湖南省、蘇寧は蘇寧は中国大手家電量販店の蘇寧電器、先鋒電子はパイオニアの中国語名。ってことで蘇寧電器がパイオニアからライセンスを受けて、湖南省にスマートフォンの会社を作って製造販売している、ということなのかな。
蘇寧電器のアプリストアが入ってる |
プリインストールアプリを見ると、そういえば“蘇寧”の簡体字中国語のアプリが目立ちますから、やはり蘇寧電器による製品なんでしょう。なおGoogle Playはなくても蘇寧電器によるオリジナルのアプリストアが入っています。中国メーカーのスマートフォンにはよくある独自アプリマーケットですが、これでそこそこのアプリは見つけて入れることができます。
他国でも売り出してほしい |
中国では正規品として出回っているパイオニアのスマートフォン。これ以外にも2機種販売されているようです。中身は中国メーカーと同じプラットフォームを利用しているので、性能もそれほど変わりませんが、ドルビーモバイル搭載やスタイリッシュなデザインなどはパイオニアの名前を背負っているだけの製品になっています。このクオリティーなら中国だけじゃなく東南アジアあたりでも通用しそうなんですけどね。ぜひ販売先を拡大してもらいたいものです。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
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