2013年02月20日12時00分

ノキアの栄光を作った“ベスト10オブSymbian”スマホ

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 気がつけばスマートフォンOSの最大シェアはAndroidが握り、スマートフォンの代名詞はそのAndroidとiOS端末という時代になりました。IDCの調査によると2012年のスマートフォンOSシェアはAndroidが68.8%、iOSが18.8%で両者合わせると約9割にもなります。

 これに対し他OSは苦戦を強いられていますが、特にSymbianは新機種が1機種しかなかったこともありわずか3.3%へ。2011年にはiOSの9310万台と肩を並べる8150万台を売った実績も、過去の記憶となってしまいました。

最後のSymbianスマホ『Nokia 808 PureView』
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 とはいえiPhone登場以前から、スマートフォンといえばSymbian、という時代は長く続いていました。ノキアがシェアを大きく伸ばし世界一の携帯電話メーカーになりえたのもフィーチャーフォンとSymbianスマートフォンをバランスよく市場に投入してきたからでしょう。

 ノキアによるとSymbianスマートフォンは昨年発売された脅威の4100万画素カメラ搭載、『Nokia 808 PureView』が最後の端末になるとのこと。今後もうSymbian端末が出てこないのは過去を知る筆者としては悲しいものがありますが、今回は追悼の意味をこめて過去の栄光を振り返ってみたいと思います。

すべてはここから始まった---Nokia 7650
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 Symbian OSにはバリエーションがいくつかありますが、携帯電話スタイルの製品向けとなるSymbian S60を最初に搭載したのがこのNokia 7650。2002年夏発売でスペックはディスプレーが2.1インチ/176×208ピクセル/4096色、内部メモリー4MBのみ、カメラはVGAと、いまとなっては古さのみを感じさせます。発売時も「スマートフォンってなに?」という状況でした。

 ですが端末のデザインは曲面を多用し、10キー部分が若干湾曲してスライドするギミックは映画マトリックスで有名になったバナナフォンことNokia 7110のテイストを取り入れているなど見た目にもこだわった製品に仕上がっています。

世界一売れたスマホ---Nokia 6600
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 Nokia 7650の成功後、ノキアがビジネス層もターゲットにして完成させたのがNokia 6600。カメラは2倍デジタルズームを搭載しつつ、本体を小型化。GSMも3バンドに対応するなどワールドワイドでの利用が可能になりました。そして流線型のボディーは10キーの横に発着信キーやメニューキーを配置する大胆なデザイン。これは当時ノキアの日本人デザイナーであった加賀美淳一氏が手がけたもの。同氏はその後もスタイリッシュな外部バッテリー、Nokia DC-1を手がけるなどノキア製品のセンスある製品を多くデザインしました。

 Nokia 6600は性能のよさと使いやすさから累計販売台数が1500万台に達し、スマートフォンの代名詞と呼ばれるほどのベストヒットを飛ばしたのです。

初のメガピクセルカメラ搭載---Nokia 7610
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 Nokia 6600がカメラフォンとしてもヒットしたことから、メガピクセルカメラ搭載の本格的なマルチメディアスマートフォンの要望の声が高まりました。それに応えたのがこのNokia 7610。しかしカメラ機能よりも渦巻き状のデザインに配置された10キーなど、その外観も大きな話題になったものです。メモリーカードは通常のSDカードの半分となるRS-MMCを採用。ノキアお得意だった着せ替えカバーもスタイリッシュなものが用意されました。

ちなみにこんなのもありましたね
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 7610の左右非対称なデザイン、これはスタイリッシュ3Gフィーチャーフォンとして発売されたNokia 7600の流れを受けたもの。7600は日本でも販売されたので記憶にある人も多いでしょう。

日本にノキアスマホ初上陸---Nokia 6630
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 他社と比較して3G端末の市場投入が遅れていたノキアですが、2004年夏にNokia 6630を発表しました。日本にも当時のボーダフォンから702NKとして発売されたのは記憶に新しいところ。ディスプレーサイズと解像度は7650から変わっておらず、当時の日本のケータイと比べても見劣りするものでしたが、アプリのインストールやフォントの入れ替えなど、スマートフォンならではの楽しさを十分味わえる製品だったでしょう。この6630/702NKからノキアファンになった人も多いと思います。

ビジネス市場へも拡大---Nokia E61
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 さらに勢いづくノキアはスマートフォンラインナップを拡大。マルチメディア特化のNシリーズと、ビジネス向けのEシリーズ、そして一般向けモデルと3つのラインナップを揃えるまでになりました。

 Eシリーズの初代モデルはキャンディーバーのE60、開くとディスプレー左右にQWERTYキーボードが現われるE70、そしてBlackBerryライクな縦型QWERTYキー搭載のE61。Eシリーズはノキアの目論見どおりビジネユーザーに売れまくりました。日本でもノキアがSIMフリーとして単独販売も行ないましたね。

 1社だけであらゆるユーザー層をカバーする製品を揃えた2005年末のノキアは、向かうところ敵なしという存在になっていったのです。

PCユーザーも取り込む---Nokia E90
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 最近はPCの代替としてタブレットが売れています。大画面でネットを使う用途には電源キーを押すだけですぐ使え、外にも手軽に持ち出せるタブレットはとても使いやすいものです。一方2007年のころは外出中といえばビジネスもプライベートもメール利用が多く、小型ノートPCを持ち歩く人も多かったでしょう。

 2007年夏に発売されたNokia E90は、本格的なQWERTYキーボードを備えたノキアの『Communicator』シリーズのSymbian版。主にビジネス層をターゲットにしてPCレスで仕事もできることをアピールした製品でした。筆者も長く使っていましたが、このスタイルのままディスプレー解像度やCPUを強化して、いまからAndroid OSで出してほしいものです。

奇跡のキセノンフラッシュ---Nokia N82
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 ノキアのマーケットシェアは、2007年にはなんと40%にも達します。これは初代iPhoneが発売される前年のこと。この年も多数のスマートフォンを投入したノキアですが、年末に発売されたN82はキセノンフラッシュを搭載したカメラスマートフォン。この製品も日本人が開発に関わっています。室内でフラッシュを炊いてもまるで自然光下のような自然な色合いで人物撮影をすることができました。日本でも発売されましたが、ノキアの日本最後のモデルになってしまったのは悲しいところ。

フルタッチ+フルキーボード---Nokia N97
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 2008年にiPhoneが登場すると、時代は一気にフルタッチディスプレーがトレンドになりました。ノキアもその年に初のフルタッチスマートフォン、Nokia 5800 XpressMusicを投入、翌2009年に発売されたこのN97は傾斜式にスライドするQWERTYキーボードを内蔵。閉じたデザインもメニューキーを斜めに配置するなどスタイリッシュなものでした。しかしSymbian OSのフルタッチUIの出来はあまり満足できるものではなかったのも事実です。

カメラとOSを強化するものの---Nokia N8
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 2010年春発売のNokia N8は12メガピクセルのカメラ、バッテリーは取り外しのできない内蔵式となり、カラバリ豊かなメタルボディーを採用した製品。iPhone 3G/3GS対抗としてノキアらしさを十二分に出した製品でした。本体の作りはしっかりしており、ハードウェアスペックも悪くはありません。ですが最新OS、Symbian^3を搭載したものの、使い勝手は若干の改良に留まってしまい、Symbian OSのフルタッチスマートフォンの限界を感じさせられてしまう結果となりました。

ノキアの復活はWindows Phoneが握る
ノキアの栄光を作った"ベスト10オブSymbian"スマホ

 その後もSymbianスマートフォンは複数の製品がリリースされましたが、市場での反応はマーケットシェアに現われたとおりです。ノキアがSymbian OSの開発をやめることに対しては懐疑的な声も聞かれましたし、インテルと協調したMeeGo OSも続けていくべきだったかもしれません。しかしiOS、Androidへ対抗するためにはマイクロソフトという巨人と組んでWindows Phoneだけに集中するしか生き残る道はないというのが経営上の合理的な判断でしょう。

 来週にはMWC2013が開幕し、ノキアからはWindows Phoneの新製品も噂されています。Symbianの栄光時代のように、ワクワクさせてくれる製品が発表されることを期待しています。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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