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50年前から、我々広告人はほとんど成長してない――これからの広告人へ

2013年02月18日 10時00分更新

激変するビジネス環境で生き残るには? 新書『これからの広告人へ』の著者に聞く

 自戒の念もあるのですが、広告の持つパワーが落ちてきたなぁと思ったのが、本書を書こうと思った発端です。大橋巨泉さんの「ハッパフミフミ」とか、小学館の「ピカピカの一年生」とか、何十年も前のものですが、多くの人の記憶に残っています。

 ラジオが出てきて、テレビがはじまり、出版社も増えた。そういった各メディアの創成期に、広告人たちが一緒になって、汗を流し、徹夜をして、酒を飲んで、グチャグチャになって築き上げてきたものです。

これからの広告人へ
株式会社イグナイト 代表取締役 笠松良彦氏

「広告の鬼」と呼ばれていた電通の元社長の吉田秀雄さんという人がいます。彼が語った言葉は、いまでも「鬼十則」と呼ばれて広告業界で語り継がれているのですが、その言葉は、今の広告業界にそのままあてはまるんですね。つまり、吉田さんが現役でいらした50~60年前ころから、我々広告人はほとんど成長してない。

 ただ、広告ビジネスの仕組みが大きく変わろうとしている今、彼らに負けないくらいのパワーを持たないと、いけないんじゃないかなと思っています。

これからの広告人へ

 本の中には、優れた広告人になるための条件を色々と書きましたが、それらすべてができる必要はないです。とにかく前向きにパワフルに物事を進められる人や、地味だけどひとつの事に集中して打ち込める人、天然でボケてそうなんだけど、ここ一番ですごい発想を出せる人、とか。そういった個性豊かな人たちが集まって、初めて面白いものができるんじゃないかな、と思います。

 多くの人に広告の仕事の面白さを伝えるために、僕が知っていることを書きましたが、どうしても本には書けない事例や事件、事故もあります。もし興味があったら、僕に連絡してください。こっそりお話しできるかもしれません(笑)。

プロフィール
笠松良彦(かさまつ・よしひこ)

1964年生まれ。慶應義塾大学卒。日本電気株式会社、株式会社博報堂、株式会社電通を経て、2005年に電通と株式会社リクルートのジョイントベンチャーとして、株式会社メディア・シェイカーズを設立し、フリーマガジン『R25』事業を手掛ける。2010年には、トップマネジメント層が抱えるコミュニケーション領域における企業内外のあらゆる課題に対応するため株式会社イグナイトを設立。

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●関連サイト
株式会社イグナイト

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