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プログラマーだってクリエイターのはずなのに:角川アスキー総研会見レポート

 17日、“株式会社角川アスキー総合研究所”が発足しました。ここ週アスPLUSでは、わたくし盛田が個人的に注目したポイントをリポート。まじめな記事(?)はASCII.jpに掲載されるのでそちらをご覧ください。

プログラマーだってクリエイターのはずなのに

 さて。“アスキー総研”がグレードアップした角川アスキー総合研究所が、従来といちばん違うのは、なんといっても主席研究員がとても豪華なこと。ドワンゴ会長の川上量生主席研究員に、MITメディアラボ所長の伊藤穰一主席研究員、プログラム言語Rubyを作ったまつもとゆきひろ主席研究員。角川歴彦社長(角川グループホールディングス会長)の趣味で集められたそうですが、鼻血が出そうなメンバーがそろいました。

 そんな豪華な主席研究員たちは発足記念フォーラムで、研究所にどんなことを期待しているのかを語っていました。ニコニコ生放送(外部サイト)でも録画が見られます。いちばん印象に残ったのは、まつもとゆきひろ主席研究員の「プログラマーの社会的なイメージがとても低いことをどうにかしたい」という話でしたが、まずは順番に紹介していきましょう。

 伊藤穰一主席研究員が話したのは、これからは“モノと個人”の時代から“ネットワークと文化”の時代になっていくということ。そこで本当に大事なのは、これまで社会を作ってきた文化。それを作れるところが必要なんじゃないか、という話でした。

プログラマーだってクリエイターのはずなのに
「なぜマスコミがダメになったかというと、技術の人たちとクリエイティブの人たちが離れているから。それを一緒にすることで、未来のメディアが作れる」(伊藤穰一主席研究員)

 川上量生主席研究員は、ネットにおけるタブーを考えたいという話。メディアに規制がなく好きなことが言えると思われていたインターネットも、ユーザーたちの自主規制によって、やっぱりタブーが生まれてしまう。たしかに炎上もあるし、“煽り耐性”なんて言葉もありますもんね……。

プログラマーだってクリエイターのはずなのに
「(ネットが)難しい問題について議論をすべき場になるわけでもなく、あんまり公平な場になっていない。角川会長には何年も前から、そういうことを折に触れて話してきたんですよね」(川上量生主席研究員)

 そして、まつもとゆきひろ主席研究員は「ぼくはスタープログラマーになりたいんだ!」という子供が少ないことが問題だ、という話。たしかにプログラマーといえば“デスマ”のイメージ。いつも締め切りに追われて深夜まで仕事をしている編集者としては非常に親近感がわきますが、プログラマーか編集者、どちらになりたいかといわれて「プログラマー!」と答える人はまだまだ少なそうな気がします。

プログラマーだってクリエイターのはずなのに
「コンピューターはソフトウェアがないと動かない。それ(プログラム)にはクリエイティビティーが必要だし、何かを現実化させる力を持っていることも必要。一般社会の中でもそう思ってもらうための、発信局が必要じゃないかと思いました。エンジニアの明るい未来のためには、社会的なイメージが必要だという問題意識を持っています」(まつもとゆきひろ主席研究員)

 角川アスキー総合研究所は、そういう理系と文系の知恵が合流するような研究所。この立ち上げと同時に、3つのプロジェクトがスタートすることも紹介された。角川学芸出版と角川アスキー総合研究所が共同で、あらゆるビジネスや学問ジャンルの人たちに役立てるインターネット講座を企画、角川書店からは『角川EPUB選書』、アスキー・メディアワークスからはクラウド時代のビジネス誌『アスキークラウド』が4月に刊行、7月から定期刊行される。

プログラマーだってクリエイターのはずなのに
7月創刊のビジネス誌「アスキークラウド」もよろしくお願いします!
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