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レノボの変形ThinkPad『Helix』、タブレット風外付け液晶に急接近!:CES2013

2013年01月07日 18時50分更新

CES2013_LENOVO速攻レポ

 北米ラスベガスのカジノホテル会場で、世界最大級の家電見本市『2013 International CES』の除幕イベント、CES Unveiledが開催。実質的に今年のCESが開幕した。
 毎年、CES最初のイベントとなるUnveiledで精力的な製品展示をするレノボ、今年も多数のパワフルな新製品で注目を集めている。

 特に注目が高かったのは、ThinkPadブランドを冠する、フルスペックの変形型Ultrabook『ThinkPad Helix』だ。コアi5、11.6インチのIPSフルHD液晶、液晶表面はゴリラグラス採用。10フィンガータッチに対応する。価格は1499ドル〜。

 薄型タブレット形状でコアi5搭載のため、冷却機構には工夫を凝らしているのが見て取れる。というのも、この薄さとCPUパワーゆえにタブレット側にもファンが装着されているが、ドックに接続したクラムシェルモードにすると、排気口が塞がれて冷却効率が落ちる。そこで、排気口付近のドック側に別途2機のファンを設け、新鮮な空気を強制的に吸い込ませる仕組みになっている。※

 なお、USBポートはクラムシェル状態ではすべてUSB3.0だが、タブレット側(クラムシェル時は隠れる部分にある)のUSBは2.0とのこと。キーボード接続時で最大10時間駆動が可能。

 Windows8の発売以降、こういった分離型のノートが増えているが、本機の機構面の特徴は“逆向きにも挿せる”こと。対面ディスプレーのような使い方を想定しているのだろうか。Atom搭載のThinkPadタブレット2よりはるかに高速な処理ができるため、これ1台で何にでも使うというまさにフルスペックなタブレットモバイルに仕上がっている。

●ThinkPad初の分離変形Ultrabook『ThinkPad Helix

CES2013_LENOVO速攻レポ

↑パッと見は液晶表面が光沢ガラスのThinkPadに見えるが……

CES2013_LENOVO速攻レポ

↑最近流行のスタイルをなぞるように、液晶部分は分離してしまう

CES2013_LENOVO速攻レポ

↑キーボードと逆向きに液晶を向けて装着する“逆挿し”もできる。保険外交員などの対面接客に使えそう。

CES2013_LENOVO速攻レポ

↑液晶下部の端子類。カードスロット、AC端子、ディスプレイポート、USB2.0端子などみっちりと詰め込んで搭載。

CES2013_LENOVO速攻レポ

↑キーボードドックの冷却機構。タブレットと合体する部分のカバーが開くようになっており、排熱口の熱を液晶裏側に吸い出すように小型ファンが2機付いている。このカバーはクラムシェル状態で開くと微妙に隙間があくように設計されているので、手元側に温風が吹き出さないよう配慮してある。

●おもなスペック
CPU:Core i7
液晶ディスプレー:11.6インチ(1920×1080ドット)
バッテリー駆動時間:10時間(キーボード接続時)
インターフェース:ミニDisplayport、USB2.0(キーボードにUSB3.0×2)
重量:約1.8kg(キーボード取り付け時)、約835g(タブレットのみ)
その他機能:NFC、1080pウェブカメラ、Dolby Home Theater v4など搭載

 

IdeaCenter Horizon

CES2013 Unveiled
CES2013 Unveiled

 27インチの巨大なタブレットのようなフルHD液晶搭載一体型PC。タブレットのように机の上にぺたんと置いて使うことを想定しているようだ。ただし、展示機は特殊なスタンドがつけられており裏面がどうなっているのかは見えなかった。
 Core i7搭載、メモリーは最大8GB、HDDは1TB。GPUはGeForce GT 620Mで10本指タッチ認識が可能。そして、驚くことにバッテリーを内蔵(!)しているという。

おもなスペック
今夏発売予定
価格:約15万円前後
CPU:Core i7 processor
OS:Windows 8 Pro
液晶ディスプレー:27インチ(1920×1080ドット)
グラフィックス:GeForce GT620M
メモリー:8GB
ストレージ:1TB HDD+64GB SSD(起動用)
通信機能:802.11b/g/n
インターフェース USB2.0、USB3.0、HDMI、6in1カードリーダー
バッテリー駆動時間:約2時間
重量:8.06kg

 

●IdeaPadブランドの分離タブレット『IdeaTab』

CES2013_LENOVO速攻レポ

 既発表のWindows8版IdeaTabの実機もあった。ThinkPad Tablet2に似た、ClovertrailのAtom搭載というスペックだ。価格はタブレット部分が599ドル、キーボードドックは149ドル。邦貨換算価格で本体5万3000円程度と、Tablet2の国内想定価格(7.4万円前後)と比べると確かに安価ではあるが、仕様面でも競合する部分は多い。どう差別化していくのかなどについては、後日のインタビュー取材で訊く予定。

●WiFiやUSBで接続するタッチ対応液晶『ThinkVision LT1423p Touch Mobile Monitor

CES2013_LENOVO速攻レポ

 見た瞬間、「新しいタブレット……にしては分厚いかな?」と思ってしまったが、実はペン入力&タッチ対応の13.3インチ外部液晶だった。$349のUSB接続版と$449のWiFi接続版(not WiDi!)がある。ペンがちゃんと内蔵できるようになっていたり、パネルがポータブル液晶としては高品位なAH-IPSだったりと、非常にユニークな製品。デモはThinkPad X1 Carbon Touchに接続して行なわれていた。

CES2013_LENOVO速攻レポ

↑側面にはちゃんとペンを収納するスペースがある。非タッチのWindows8 PCを買った人も、WiFi版ならアリじゃないの? レノボの本気を感じさせる作り込み。

おもなスペック
価格:349ドル(約2万8000円)
液晶ディスプレー:13.3インチIPS(1600×900ドット)
輝度:300カンデラ
コントラスト比:500:1
インターフェース:USB3.0×1
重量:730g
厚さ:1.5cm(最薄部7.1mm)

 

● ThinkPadファン待望のトラックポイント付きBluetoothキーボード『ThinkPad Bluetooth Keyboard with Trackpoint』

CES2013_LENOVO速攻レポ

 フットプリントの小さい、シンプルなBTキーボード。トラックポイントファンなら購入必至の絶妙なコンパクトさ。

●ThinkPad専用の外付け拡張ボックス『ThinkPad Onelink Dock』

CES2013_LENOVO速攻レポ
CES2013_LENOVO速攻レポ

 ケーブル1本の接続で使える”Lenovo OneLink”に対応し、USB3.0接続、給電、ギガビットイーサ、HDMIなどの拡張がおこなえる外付けのボックス。ThinkPad専用とのこと。

【番外編】
●ThinkPad X1 Carbon Touchの厚みは?

CES2013_LENOVO速攻レポ

 ThinkVisionの母艦としてセットで使われていたのは日本未発売のX1 Carbon Touch。気になる液晶の厚みを側面から撮影。

●ThinkPad Tablet2はアワードを受賞

CES2013_LENOVO速攻レポ

 日本では1月下旬から発売予定のTablet2は“Tablet, E-READER&MOBILE COMPUTING”部門のショーケースアワードに選ばれていた。新製品の手前、やや控えめな展示とはいえ、気になる1台。

 なお、さらに詳しい情報は後日のレノボ担当者インタビューにてお伝えする。

【1/10追記】
初出時、Helixのファンの機構を「強制的に熱を吸い出すような仕組み」と表現していましたが、正しく訂正しました。
また、LT1423pの価格も訂正しました。

■関連サイト
レノボ ノートPC 新製品サイト(米国)
レノボ IdeaCentre Horizonサイト(米国)
レノボ タブレット製品サイト(日本)
レノボ アクセサリー製品サイト(米国)

CES2013まとめ:世界最大家電ショウ

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