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PFU、新型ScanSnapはスマホからもスキャン操作が可能に!

2012年11月12日 13時30分更新

 PFUは、書類の電子化という点で絶大な支持をほこる『ScanSnap』シリーズの上位機を刷新。新たに本格的にスマホなどと連携するモデル『ScanSnap iX500』を発表した。iX500は、スキャン速度など基本機能向上に加え、スマホ接続用に無線LANを搭載した新世代のScanSnapだ。2011年11月30日(金)販売開始予定で、予想実売価格は4万9800円前後。

 

PFU、新型ScanSnapはスマホからスキャン操作が可能!?

 これまで基本的にUSB接続のみ(法人向けハイエンド機を除く)だったScanSnapだが、iX500はついに無線LANを搭載した。とはいっても基本的にはデスクトップPCなどとは従来どおりUSBで接続するもので、多くのスキャナーが採用するTWAINではなく専用のUSBドライバーを用いるScanSnap伝統の接続方法だ。

 

PFU、新型ScanSnapはスマホからスキャン操作が可能!?

↑本体デザインは従来からのScanSnapと同じおむすび型。スキャンボタンの隣に新たにWiFi LEDが搭載されている。

 無線LAN機能は、AndroidおよびiPhoneなどのiOS端末からPCを経由せずにスキャン操作ができるというもの。最初のセットアップにはUSB接続したPCを用いる必要があるが、ScanSnap本体を無線LANアクセスポイントに登録し、スマホにインストールしたアプリ『ScanSnap Connect Android/iOS』にスキャナーを登録すれば、あとはPCが起動してなくてもスマホから利用できる。

 なお、従来も同名のアプリはAndroid/iOSにあったが、そちらはScanSnapとPCはUSB接続、スマホ側はPCのスキャナードライバーを経由する動作だった。

 Androidスマホアプリはスキャン結果のサムネイルと詳細(ファイル名やページ数)が並ぶシンプルな画面構成。アプリのメイン画面下にあるScanボタンでスキャンが開始されるほか、ScanSnap本体のボタンを押せばスマホ側にスキャン結果が転送される。スキャン時の設定のモノクロ/カラー、解像度、Jpeg/PDF、裏面写り防止といった項目が用意され、読み取った原稿に応じて白黒/カラー中解像度、カラー写真ならばカラーで高解像度になる自動モードも用意されるなどPC側のスキャンソフトScanSnap Managerとほぼ同一だ。

 

PFU、新型ScanSnapはスマホからスキャン操作が可能!?

↑スマホ側アプリのメイン画面は、スキャン結果がサムネイルで表示。ファイル名のデフォルトはスキャン日時となっている。右下にあるのがスホ側からスキャンをスタートさせるボタン。

 スマホ接続以外の基本機能向上としては、まずはスキャン速度アップ。スペック上では従来機S1500の20枚/分から25/分(自動解像度150~300dpi)に上がっているが、実際に10枚のスキャン時間(カラー/白黒ページ混在、1枚目が給紙されはじめてから10枚目が排紙されるまでの時間)を比べてみてもS1500の約27秒から約21秒と、20%前後の高速化している(スマホからスキャンしても速度は同じ)。

 スキャナーのなかではかなり高速なScanSnapではあるが、書籍1冊数百ページを電子化するような用途だと従来機でもまだ読み取りの時間が物足りない印象だったので、さらに高速化したのはありがたい。また、紙送りのローラー部を改良して紙送りローラーに加えて原稿を分離するためのブレーキローラーを追加、原稿が複数枚重なったまま給紙されるミスを減らしている。

 

PFU、新型ScanSnapはスマホからスキャン操作が可能!?

↑スキャン結果を画面に評させるとこんな具合。フル画面表示ではリサイズされいて若干荒れているが、拡大すれば細かな文字でも画質的には十分(自動モードで150dpi)。

 

PFU、新型ScanSnapはスマホからスキャン操作が可能!?

↑スマホ側で指定する読み取り設定はPC側のソフトと同様で、自動画質、継続読み取りや片面/両面スキャン、白紙原稿のスキップに加えて裏写り軽減も指定可能。

 

 PC側のアプリケーションは従来どおりScanSnap Maneger(通知領域に常駐してスキャン時に起動する)と、ScanSnap Organizer(PDF原稿をフォルダー管理しOCR処理をする)の2本を基本とし、文書管理ソフトや家計簿ソフト、名刺管理ソフトなどが付属し、DropBoxやSugerSyncなどのクラウドサービスとの連携も可能となっている。新たに名刺管理ソフトが日本語以外の言語でもOCR可能になった『CardMinder』になったほか、Organizerではスキャン原稿を含まれる文字で検索可能にするOCR処理の高速化するなど強化された。

 また、スキャン後にクイックメニュー画面が起動して原稿データをどのアプリケーションに送るか選ぶのは従来どおりだが、レシートや名刺などの小さな原稿だと自動的に名刺管理・家計簿ソフトがメニュー上位に来るといった細かな工夫がなされている。

PFU、新型ScanSnapはスマホからスキャン操作が可能!?

↑PC側ソフトはすでにScanSnapを使っている人にはお馴染みのScanSnap Maneger。解像度などのモード、スキャン結果をどのアプリに送るかなどはここで設定する。

 

PFU、新型ScanSnapはスマホからスキャン操作が可能!?

↑デフォルト設定ではスキャン後にクイックメニューが表示され、読み取った原稿を保存/どのアプリに送るかを選択する。DropBoxやEvernoteなどクラウドサービスが増えたこともあってメニューが多めだが、使わないアプリは表示させない設定も可能だ。

 

 書類・書籍を電子化では定番なScanSnapだが、他社も同種のドキュメントスキャナ製品が増えてきている。とくにスキャナー・プリンター複合機がPCと無線LAN接続するのが一般的になって置き場所を選ばないという利点が強調されるなか、無線LANはスマホ用でPCとはUSB接続という仕様はやや残念といえば残念。

 とはいえUSB接続と常駐ソフトの組み合わせによるクイックな起動や快適な操作感はScanSnapの人気が高い理由のひとつであり、常時デスクサイドに置いて使うならUSB接続で問題はないのも確か。今回、スマホからの無線LAN接続では、スマホ側でアプリをONすればすぐさま接続がPCからスマホに切り替わるなど軽快さが損なわれていないのは好印象。なにより本体の基本性能がアップしているのはヘビーなスキャンユーザーにとってありがたい製品だ。

スペック
読み取り方式:CISラインセンサー(表/裏)
解像度:150~600dpi
原稿サイズ:50.8☓50.8mm~216☓360mm
給紙容量:最大50枚
読み取り速度:毎分25枚(カラー/白黒)
インターフェイス:USB3.0、無線LAN
電源:AC100V(ACアダプタ)
本体サイズ/重量:292(W)☓159(D)☓168(H)mm/約3kg

■関連サイト
PFU

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