8月最終週といえば、夏休みの宿題に本気を出し始める頃ではないでしょうか。というわけで今回は、夏休みの自由研究的な企画に挑戦してみました。
テーマは「多数のWindows Phoneを効率よく充電するには?」です。
↑10台ぐらいまとめて充電したい。 |
Windows Phoneに限らず、週アスPLUSの読者の皆さんであれば、一般の人より多くのスマートフォンを所有していることと思います。だいたい10台くらい所有しているのではないでしょうか。そこで今回は10台のスマートフォンを充電するという前提で進めることにします。
■USBハブでは不便?
複数のスマートフォンを充電するにあたって、最初に思い付いたのがUSBハブです。たしかに10ポートのUSBハブを使えば目的は達成できそうに思えますが、いくつか問題があります。
まずは供給電流です。USB2.0の規格では、1ポートあたり最大500mAの電流が供給されます。しかし最近のスマートフォンにとって、500mAは少々物足りない数字です。たとえばノキアLumiaシリーズには、電圧5Vで1000mAの電流を供給できるACアダプターが付属しています。
↑USB2.0ハブではセルフパワーでもポートあたり500mA程度が一般的。 |
スマートフォンは1000mAをフルに使って充電を続けるわけではないため、現実的にはそれほど大きな差にならない場合もあります。ためしにLumia 710で測定してみたところ、ACアダプターを使用した場合はUSB2.0ハブよりも1.5倍ほど高速に充電できました。
さらにUSB3.0では、1ポートあたり最大900mAまでの電流が供給されます。USB3.0対応ハブのなかには、USB2.0対応のデバイスに対しても大きな電流を流せるものがあります。
↑USB3.0ハブの例。USB2.0デバイスにも恩恵がある。 |
しかしUSBハブを使う上でもうひとつの問題は、PCとの関係です。USBハブのなかには、PCの電源オフやスリープ状態と連動して電力供給を停止するものがあります。それを回避するには、PCの状態とは無関係に給電してくれるタイプのハブを入手するとか、電源オフ時でも給電できるUSBポートを備えたPCを用意するといった方法があります。
今回はもっとシンプルに考えて、一般的な電源コンセントに接続するUSB充電器を使うことにしました。
↑エレコムのUSB充電ポート付きタップ『T-UH01-12200WH』(実売価格1600円前後)。 |
この製品の特徴は、各USBポートから最大1000mA、合計2000mAを供給できることです。これだけのパワーがあれば、ほとんどのスマートフォンを効率よく充電できそうです。
■OAタップに接続してみる
ところで、このエレコムのUSB電源タップには側面に電源コンセントが用意されています。物理的には数珠つなぎにすることも可能です。
↑物理的には可能。 |
しかし今回は奇抜な充電方法にチャレンジする必要はないので、素直にOAタップを利用することにしました。今回利用するのは、無印良品の『ジョイントタップ・5個口』(直販価格472円)です。タップ本体とケーブルを分離できるのが特徴です。
↑OAタップとUSB充電タップ。 |
エレコムのUSB電源タップを5台連装してみたところ、サイズ的にもぴったりでした。
↑機材の都合上、1台だけスペックが似ている『T-UHS01-12200WH』を使用しています。 |
■スタンドをどうする?
昨今、スマートフォン用のスタンドは多種多様な製品が販売されています。しかし“複数のスマートフォンを効率よく立てるスタンド”というのはなかなか見当たりません。そこでスマートフォン用ではないアイテムを流用できないか、試してみました。
まずは100円ショップ(ダイソー)で購入した『Catalog and menu stand』(カタログスタンド)です。横に3台並べることができますが、背中部分のパーツが大きすぎて、場所を取るのが難点です。
↑100円のカタログスタンド。カタログ用なので大きすぎた。 |
次に試したのが、無印良品の『アクリル小物ラック・大』(直販価格1470円)です。このラックに6台のスマートフォンを配置すると、なかなか絵になることがわかりました。しかしUSBケーブルを接続した際の端末の出し入れがやや面倒でした。
↑無印良品のアクリルケース。魅せる収納として使えそう。 |
総合的に最も便利そうだったのが、同じく100円ショップ(ダイソー)で購入した『スス竹 ディッシュスタンド』(Lサイズ)です。本来はお皿を立てるための什器なのですが、4~5インチクラスのスマートフォンを並べるのにちょうどいいサイズでした。
↑店舗什器などでもよく見かけるお皿立て。 |
↑スマートフォンにぴったり。 |
■いよいよ製作開始
これで設計が固まったので、いよいよ製作に移りたいと思います。エンクロージャーとして、アイリスオーヤマ製のカラーバスケット(CBK-38、購入価格約700円)を用意しました。
↑基本的な配置を確認。 |
↑布製のバスケットなので隙間からケーブルを差し込める。 |
↑Windows Phoneを10台配置してみた。 |
↑すべての端末とUSBタップをケーブルで接続。 |
↑これで完成。 |
ここではWindows Phoneを10台使いましたが、もちろんほかのスマートフォンやWiFiルーター、モバイルバッテリーなどの充電にも活用できます。
■消費電力はどれくらい?
10台のデバイスを一斉充電するとなると、気になるのが消費電力です。
↑消費電力は大丈夫? |
理論的には、5Vの電圧で1000mAの電流が流れるUSBポートが10個あることから、最大50Wの電力を消費するものと予想していました。しかしワットチェッカーで測定してみたところ、結果は20W以下となりました。正確にいえば、12~20Wの間でフラフラと上がったり下がったり変動していました。
Windows Phone端末のファームウェアはバッテリーへの充電を細かくコントロールしているそうですが、そのせいで消費電力が変動しているのかもしれません。
↑12〜20Wの範囲で細かく変動していた。 |
■課題はUSBコネクターの位置
スマートフォン関連のグッズといえば、とても“ガジェットガジェットした”デザインになりがちです。しかし今回はホワイトをベースに、ナチュラルな配色を心がけました。その結果、一般家庭のリビングに置いても違和感のないデザインになりました。
実際に製作する上で悩んだのは、スマートフォンによってUSBコネクターの位置が異なるため、ケーブルの取り回しが難しいという点です。
↑スマートフォンごとにUSBポートの位置が異なるのが悩ましい。 |
同一機種のスマートフォンを多数充電するといった特殊な環境でもない限り、とても悩ましい問題といえます。もしこのようなコンセプトの充電グッズを商品化するとしたら、なんとしてもクリアーしたい点です。
山口健太さんのオフィシャルサイト
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