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Windows情報局ななふぉ出張所

パリ観光に欠かせない!? プリペイドSIM&Windows Phone端末最新事情

2012年07月11日 17時00分更新

 フランスのパリと言えば凱旋門やエッフェル塔に代表される建造物が建ち並び、世界屈指の観光都市として知られています。しかし意外にもプリペイドSIMの入手が困難な国でもありました。

 7月第1週、パリを訪問する機会がありましたので、現地のプリペイドSIMとWindows Phoneの状況についてご紹介したいと思います。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑7月第1週のパリ・凱旋門。

■フランスでプリペイドSIMが買えなかった思い出

 筆者は2011年1月、フランスのニースに行ったことがあります。到着後、さっそくプリペイドSIMを入手しようとOrangeやSFRのキャリア店舗に飛び込んだところ、“フランス語”の壁が立ちはだかりました。

 そこで、なんとか頼み込んで英語ができる店員に替わってもらったところ、今度は“フランスの銀行口座”を要求されました。フランスでは銀行口座が一般的な身分証明となっているそうですが、外国人旅行者には高いハードルです。

 よく話を聞いてみると、音声やSMSだけのSIMカードなら売ってくれそうな気配でしたが、データ通信は従量制で、スマートフォン向けではないとのこと。こうして1年半前のフランス旅行では、結局1枚もSIMを入手できずに終わりました。

■まずはシャンゼリゼ通りへ

 パリに到着後、さっそく凱旋門へ向かいました。目当ては観光客が集まる大通り“シャンゼリゼ通り”です。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑凱旋門から続く大通り、シャンゼリゼ通り。

 凱旋門から続くシャンゼリゼ通りには、世界中から観光客が集まってきます。そのため、この通り沿いのキャリア店舗なら、間違いなく英語が通じるだろうという期待があったのです。

 ほどなくしてフランステレコム傘下のキャリア“Orange”の店舗を発見しました。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑Orangeのシャンゼリゼ通り店。ビル工事中だけど店舗は営業してます。

 店に足を踏み入れたら、まずは受付のスタッフにフランス語で挨拶。あとは英語で要件を伝えればOKです。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑1年半前と比べて店頭ではスマートフォンが過半数に増え、フィーチャーフォンが減っています。
パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑さっそくLumia 900を発見! 値札は左が新規、右が機種変更。
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↑Lumia 800。OrangeではほかにもLumia 710やHTC Radarを扱っています。

 ちなみに、この時期もっとも目立っていたスマートフォンはサムスンのGALAXY S IIIでした。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑GALAXY S IIIは各ショップで特等席を独占。さらに街なかで広告を見かけた。

■OrangeのプリペイドSIM『Mobicarte』をゲット

 今回、特に予備知識なしに店舗に飛び込んだため、Orangeはさすがに無理なのではないかと予想していました。ダメもとで「外国人旅行者向けのプリペイドSIMはある?」と聞いてみたところ、「もちろんあるよ」という回答が。

 店員の説明によると、価格はSIMカード本体が9.90ユーロ(約960円)、データ通信を1週間利用するためには5ユーロ(約490円)のチャージが必要とのこと。通信量は3Gで500MBまで使用可能。それを超えた場合は速度が2G(EDGE)に低下するそうです。

 制限事項として、動画のストリーミング再生やPOP3/SMTPによるメールの送受信は使用できないとか。ウェブサイトの閲覧や、ウェブメールの利用には問題ないそうです。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑ついに念願のOrange Mobicarteをゲット!
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↑SIMカード本体。

 SIMカードをスマートフォンに挿入後、5ユーロぶんのチャージを適用する必要があります。このとき、マニュアルでは“#123#”で始まる番号にSMSを送る方法が説明されていますが、店頭では“#124#”で始まる番号を教えてもらいました。これに続けて14桁のコードを入力することで、ウェブを利用できるようになります。

 フランス語の音声を聞き取る必要はありませんが、マニュアルはすべてフランス語です。不安な方は、店頭で購入時にSIMカードの挿入とチャージを済ませてしまうのがベターかもしれません。

■Orangeと並ぶフランスのキャリア“SFR”

 Orangeストアを出てシャンゼリゼ通りをさらに東に歩いていくと、フランスの大手キャリアのひとつである“SFR”の店舗がありました。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑SFRのシャンゼリゼ通り店。
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↑夕刻の店内では様々な言語が飛び交っています。
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↑Orangeと同じくスマートフォンが主流になりつつあります。
パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑ローエンドのWindows PhoneであるLumia 610を発見!

 Windows Phone業界でSFRといえば、独自ブランドでZTE Taniaを販売するキャリアとしても知られています。

 実際に展示機を確認したところ、たしかに端末本体にZTEのロゴはなく、説明書きにもZTEやTaniaといった文字はありませんでした。端末名は“Windows Phone Internet 7”と説明されています。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑Lumia 610のライバル、ZTE TaniaのSFRブランドバージョン。

■SFRではUSBモデムとSIMカードのセットを購入

 SFRの店舗でプリペイドSIMについて聞いてみたところ「iPad用ならある」との回答。しかしWindows PhoneやAndroidで使えるSIMカードは単独では販売できないとのことでした。そこでUSBモデムとプリペイドSIMをセットで購入することにしました。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑プリペイドSIM『La Carte』とUSBモデムのセット。
パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑USBモデムはファーウェイ製。延長ケーブルも付属する。

 店員の説明によると、2日間無制限に使用可能で価格は39.99ユーロ(約3900円)とのこと。

 使い方としては、USBモデムにSIMカードを挿入し、ウィンドウズPCに接続します。あとは指示に従うだけでドライバーやユーティリティーのインストールが進むようになっています。インストール終了後、ユーティリティーを使ってSFRの3Gネットワークに接続します。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑SFRのUSBモデムに付属するユーティリティー。

 PCからネット接続ができるようになった状態でUSBモデムからSIMカードを抜き取り、Windows Phoneに挿入することで通信できました。設定として、APNには“WEBSFR”、ユーザー名とパスワードには空文字列を指定しました。

 今回は入手できませんでしたが、La Carteは単体のSIMカードだけでも購入できるという情報もあります。次にフランスに行く機会があれば、もう少し粘ってみたいところです。

■パリの通信事情は?

 このように、最大手のOrangeでデータ通信用のプリペイドSIMが購入できるようになったことで、旅行者にとっての通信事情が大幅に改善したように思います。

 実際にWindows Phoneを使ってデータ通信をしてみた感想としては、日本と同じか、やや劣るぐらいのレベルでした。たとえばヨーロッパ各国からの国際列車が到着するパリ北駅では、混雑のせいか、なかなか通信ができないという問題に遭遇しました。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑国際列車の乗降客でごった返すパリ北駅では通信しづらい。治安にも注意。

 パリの市街地やレストランなどではまったく問題なく、3Gで快適に通信できました。地下のメトロやRERでは2G(EDGE)になってしまうものの、通信自体には問題ありませんでした。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑パリの地下鉄、オペラ駅。2G(EDGE)になるものの通信自体は可能。

 駅を含めて地下鉄全体が圏外となってしまうロンドンに比べると、パリのほうがずっと通信しやすいという印象です。

 エッフェル塔では、最上階の展望フロアでも2Gによる通信が可能でした。

■SIMを買ってフランスの写真をアップしよう

 駆け足ではありますが、パリの通信事情をまとめてみました。パリを訪れた際には、ぜひプリペイドSIMを入手して、美しい街並みを写真付きで投稿してみるのはいかがでしょうか。

パリのプリペイドSIMとWindows Phone端末
↑Windows Phone端末Samsung Focus Sでエッフェル塔を撮ってみた。
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↑エッフェル塔は10.5ユーロ(約1000円)で最上階まで登れる。同じくFocus Sで撮影。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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