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アスキー総研の調査によるとiPhoneユーザーが好きなテレビ番組は『まど☆マギ』!?

2012年04月27日 08時00分更新

 近年ではテレビ番組の視聴率が落ちている──。ネットではそうした声を割と見かける機会も多いが、実際のところはどうなのだろうか? 一般社団法人メディア事業開発会議(MEDIVERSE)とアスキー総合研究所は25日、都内にてワークショップ『「今、TVを見ているのは誰だ」1万人調査データでフォーカスする顧客行動』を実施。アスキー総研 遠藤諭所長が、アスキー総合研究所が販売している調査資料『MCS(メディア&コンテンツ・サーベイ)2012』を用いて、2011年におけるテレビ視聴の傾向を語った。

MCS 2012

 プレゼンしたのは遠藤諭所長。冒頭では「震災の影響もあったりして、2010、2011年でメディアが激変した」と語っていた。

MCS 2012

 『「今、TVを見ているのは誰だ」1万人調査データでフォーカスする顧客行動』と題したワークショップ。広告業界を中心に30人ほどが集まった。

MCS 2012

 まず変わったのはテレビ自体。通常、テレビの需要は800万台程度しかないのに、アナログ地上波が終わった2011年7月の前には2500万台近くのテレビが出荷された。「この2年半ぐらいで大型化し、レコーダーではなくテレビの機能で録画するようになるなど、テレビを取り巻くいろいろな環境が変わってきている」と遠藤所長。以下の6つのポイントでMCS 2012を解説していた。

(1)2010年から2011年にかけて、全世代で視聴時間が減っている

MCS 2012
↑2010年末から2011年末で、テレビの視聴時間は17.9分も減っている。一方でスマホの所持率は167%増えた。
MCS 2012
↑性別/年代別で見ても落ち込んでいることがわかる。注目してほしいのは、女性で高齢の方の落ち込みが激しいこと。「東日本大震災があって、テレビを見る気分にならなかったという影響があるのでは。映画も同じだけど、映画館から離れると予告編を見なくなり、次への導線が失われる」と遠藤所長。
MCS 2012
↑1日で2、3時間とテレビを観る人が減って、1時間未満しかテレビを観ない人が増えている。
MCS 2012
↑地域別で見ると北海道の落ち込みが激しい。なお、東方のデータは被災地では調査していない。

(2)テレビは主婦メディアである

MCS 2012
↑データを組み替えてクラスター別で見ると、テレビ全体の視聴時間を引き上げているのは圧倒的に主婦だということがわかる。「小学生はゲームをやってるせいか思ったほど観てない。いわゆる“金持ち”の層は平均より落ちている」と遠藤所長。
MCS 2012
↑各クラスターに好まれてる番組はこんな感じ。30代主婦は『それいけ!アンパンマン』などの子供番組。40代主婦は『韓流α』。iPhoneユーザーが『魔法少女まどか☆マギカ』なのはなぜ……。

(3)テレビは“個メディア”になっている

MCS 2012
↑ラーメンが“個食”といわれるように、テレビはすでに一人で見る“個メディア”になっている。遠藤所長は「番組自体を主婦か個人向けに特化してもいいぐらいじゃないのか」とコメント。
MCS 2012
↑25%は家族がいるにも関わらず、ひとりでテレビを観ている。
MCS 2012
↑「兄弟で見るのはテレビ、友達や恋人とは映画というクロス関係にある」と遠藤所長。
MCS 2012
↑さらに子供がいるという31.8%にいっしょに観るかと調査した結果、半数は子供とテレビを観ていないことが判明。遠藤所長は「子供が親とテレビを観るのは、子供側が気を使ってるから。だからいっしょに観てるからといって、理想的な家庭かどうかはわからない」と語る。

(4)録画機能付きテレビで録画文化が変化しつつある

MCS 2012
↑テレビの買い替えもあって、ファミリー層に録画機能付きテレビがある状態に。
MCS 2012
↑全年齢でテレビの録画機能を使ってる。
MCS 2012
↑20代は録画しない層が約4割。

(5)20代のメディア行動がかなり特徴的

MCS 2012
↑20代、特に大学生やフリーターの行動がほかのクラスターに比べて特殊だという。テレビを見るのは、リビングではなく自分の部屋が多い。
MCS 2012
↑利用してる機器で見ると、テレビがあまり使われていない。
MCS 2012
↑何より特徴的なのは、ネットの動画視聴に費やしてるということ。全年齢で見るとYouTubeだが、20代はニコニコ動画がウケてるとのこと。

 ちなみにオタクの割合でいうと、20代はかなり多くて、30代は少し下がり、40代でまた上がるという曲線を描くという。20代が多いのは、10代後半の時期に観るテレビ番組が二次元のアニメが中心で、子供向けの実写モノは10歳以下ばかりだったということも影響しているそうだ。

(6)今後、スマホやソーシャルメディアが影響する

MCS 2012
↑スマホを持つ割合も20代がピーク。
MCS 2012
↑今年就職したのは、大学に入った頃にみんなでmixiに登録した世代。これからは子供の頃からケータイやネットがあったソーシャルネイティブな層が出てくる。
MCS 2012
↑講演の後には『MCS 2012』のウェブ版に実際に触れるワークショップも実施していた。MCSを使えば、ハイブリッド車の購入意向者が好むテレビ番組が『ニュースウォッチ9』ということなどが調べられる。
MCS 2012
↑簡単な操作で資料をグラフ化できるウェブ版、3重クロスなど複雑な集計にも対応したWindows版を用意。価格はいずれも20万円。7つの分野別パッケージも9万円で販売する。
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