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世界最大のFPD技術展“第22回ファインテック ジャパン”に行ってきた

2012年04月16日 17時00分更新

FINETECH_JAPAN

 世界最大を誇るFPD(フラットパネルディスプレー)技術展『第22回ファインテック ジャパン』が、4月11日から13日の3日間東京ビッグサイトにて開催されました。参加企業は535社、来場者数は6万3534人を数えました(公式発表)。さっそく、取材して気になった新技術・新製品を紹介していきます。

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 ファインテック ジャパンの入場口から、ちょっと歩いた所でおもしろいものを見つけました。

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 おわかりいただけるでしょうか? なんとこのディスプレー、曲がっているんです。展示しているのはミクロ技術研究所。近い将来、この曲がるディスプレーを使って、車のダッシュボードの曲面に合わせてうねっているカーナビや、あるいは、おもしろい曲線形を描くスマートフォンなどが登場するのでしょうか。密かに楽しみです。
 ミクロ技術研究所ではほかにも、顧客のニーズに合わせて厚みを変化させる技術ももつそうです。

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 人だかりができているブースを見つけたので行ってみました。そこは、タッチパネル研究所のブース。

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 iMacのモニターに装着するだけでタッチパネルにする“枠ぶち型”のガジェットが展示されてます。

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 42インチ光学式テーブルPCを発見。何がスゴイかというと、実はふちの内側、タテ、ヨコ、ナナメのすべてに赤外線が出ており、光が遮断された所を押された個所として認識するんです。
 もちろん物が置かれた場合も遮断されるので認識されるのですが……

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 このように、光を遮断している物の影に指を置いても認識されます。しかも、最大32ポイントまでの遮断を認識するとのこと。驚きです。
 さらに、この会社はアーケードゲームのディスプレーも手掛けているそうで、アーケードゲーム好きな僕としては、これらの技術の融合に期待せざるをえません。

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 いろんなブースを見ながら進んでいくと、これまたスゴイものを発見。

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 貼るだけで3D映像を楽しめる保護フィルムが! 開発したのは日本システムプロジェクト。
 説明を聞くと、すでにiPhone4/4S用の『Picasso for iPhone4/4S』が発売されているそうです。今後は、さらにさまざまな機種に対応するとのこと。ちなみに、この保護フィルムで3Dを楽しむには専用のアプリが必要です。無料で公開されており、また、動画も3Dで見られるようになるアプリも近日リリースするそうです。シート1枚で3D化できるってのは、お手軽でいいですね。

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 そして、日本システムプロジェクトブースの裏にも驚くべきブースが……。

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 これは、裸眼で3D映像を楽しめるテレビです。写真でこのすばらしさを伝えられないのは残念ですが、こちらの3Dテレビでは、2D映像をリアルタイムで変換するというスゴイ技術が使われています。この3Dテレビを開発したのはニューサイトジャパン。変換後の3D映像の画質は若干劣るとのことですが、メガネのわずらわしさから解放されるだけでも嬉しいですね。

 ブースで説明してくださったニューサイトジャパン 代表取締役社長 神田氏は「中国向けに開発し、今後は中国市場で200万台売り上げる!」とのこと。攻める姿勢にしびれました。頑張れ日本企業!

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 ほかにも、世界最大級の82インチグラスレス3Dディスプレーや、“8視差パララックスバリア方式”56インチ3Dディスプレーや、3D/2Dの切り替えができるもの、3Dパチスロマシーンといったおもしろいものまで展示されていました。

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 ファインテックジャパンには海外の企業も多数参加しており、台湾と韓国のパビリオンを見つけたので行ってきました。最初に目についたのが、台湾の会社、JTOUCH。ここでは、世界初の3Dシールプリント機(プリクラ的なもの)が展示されており、体験会も行なっていました。

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 内部の写真です。タッチパネル方式になっており、背景画像を選んで進めていくとカウントダウンが始まって、撮影が開始されます。背景はポップな画像から、台湾の実写風景までさまざまです。

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 撮影が完了して、印刷までの間はちょっとしたパズルゲームが遊べちゃいます。友人とか恋人といっしょに撮れば盛り上がるはず。

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 そして、できた写真がこちら。写真では3D感を伝えられないのがホント残念です……。
 パンフレットで商品スペックを確認したところ、ネットに接続することでFacebookやFlickrなどでシェアできたり、Bluetoothを使って3D写真を携帯やスマートフォンに送信できるそうです。実際に稼働して、日本でも普及したらぜひ試してみましょう。

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 台湾のパビリオンの隣には、韓国パビリオンがあります。その中で注目したのが3DISという韓国企業のディスプレー。参考展示として出されていた商品を撮影させてもらいました。

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 3D対応に改造されたスマートフォンやタブレットが! さまざまなディスプレーを3D対応にできるとのこと。3D改造スマートフォンを少し触らせてもらいました。ドラッグ移動などの操作でも3D画像をキレイに保ったままなのには驚きました。

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 やはり写真では3D感が伝わりませんが、これからはいろんなものが3D化していくんでしょうね。


■続いてフィルムテックジャパンに

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 ファインテック ジャパンの会場をひととおり見て回ったので、気分を変えて、ファインテック ジャパンと同時開催中の『第3回高性能フィルム技術展(フィルムテックジャパン)』に足を向けました。事前に資料で気になっていた、フッ素加工された防指紋保護フィルムを展示する野田スクリーンのブースへ行ってみることに。

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 4種類のOPCフィルム(フッ素加工され、指紋や皮脂などの汚れ・耐擦傷性・ハードコート性に優れたフィルム)が展示されていました。

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 標準タイプのOPCフィルム。指紋が付きにくく、ふき取りやすい光沢タイプのフィルム。こちらは現物を入手!

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 帯電防止タイプのOPCフィルム。帯電しにくく、ほこりが付きにくいということですが、筒の左右を見比べれば、一目瞭然ですね。

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 抗菌タイプのOPCフィルム。見えない雑菌の繁殖を抑えて清潔を保つそうです。

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 AG標準タイプのOPCフィルム。指紋が見えにくく、ふき取りやすいサラサラした表面、光の反射も軽減します。つねにディスプレーが汚れている僕には、もってこいの商品ですねぇ。

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 にぎやかに終わった第22回ファインテック ジャパン。これからのさらなるFPD技術の発展に引き続き注目です。

■関連サイト
ファインテックジャパン

(4月16日22:25追記)初出時、タッチパネル研究所、日本システムプロジェクト、およびニューサイトジャパンの紹介記事中の一部に誤りがありました。お詫びして訂正します。記事は修正済みです)

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