2012年03月15日16時30分

MEDIASと連携するG-SHOCK『GB-6900』開発者インタビュー

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 3月16日に、カシオ計算機から世界初のBluetooth v4.0対応腕時計G-SHOCK『GB-6900』が発売される。

 これまでのBluetooth対応時計とは異なり、Bluetooth v4.0で新たに追加された省電力通信技術“BLE”により駆動時間約2年を実現している。また、時計でスマホの着信などを確認できる新しいプロファイルに対応。同じBluetooth v4.0を搭載した『MEDIAS』シリーズと連携できる。ガジェットマニア注目のアイテムだ。

G-SHOCK『GB-6900』
G-SHOCK『GB-6900』

 G-SHOCK『GB-6900』とBluetooth v4.0対応スマホ『MEDIAS』シリーズの連携は、カシオ計算機とNECカシオモバイルの協力によって開発された。そこで、カシオ計算機 時計事業部モジュール開発部の奥山正良氏と、NECカシオモバイル 商品企画グループ黒田正洋氏、石塚由香利氏に、G-SHOCK『GB-6900』の商品企画とBluetooth v4.0への対応についてお話を伺った。

奥山正良氏 黒田正洋氏 石塚由香利氏
G-SHOCK G-SHOCK G-SHOCK
カシオ計算機 時計事業部モジュール開発部モジュール企画室リーダー 奥山正良氏 NECカシオモバイル NTTドコモ事業本部商品企画グループマネージャー 黒田正洋氏 NECカシオモバイル KDDI事業本部商品企画グループ 石塚由香利氏

※BLEとは: Bluetooth Low Energyの略。Bluetooth 4.0で追加された、低消費電力の通信規格。従来のBluetoothと比べ、数分の1~数十分の1の消費電力で通信できる。ただし、GB-6900のようなBLE専用の機器は、Bluetooth 3.0以前の機器と接続できない。

―今回、カシオとNECカシオが組んでBluetooth v4.0対応の時計が製品化に至った経緯を教えてください。

カシオ 奥山氏 Bluetoothを搭載した時計の企画は10年ほど前からありましたが、当時は消費電力が大きくデザインへの影響も大きいものでした。ですので、時計としての形や価値を損なわずに搭載できるまで技術開発を続けました。2年ほど前にBluetooth v4.0で省電力通信のBLEが取り入れられたことから、対応プロファイルの策定に参加しています。それと平行して数社にお声がけしたうえで、カシオのケータイ部門が統合しているNECカシオに協力していただいて製品化を進めました。

NECカシオ 黒田氏 MEDIASに周辺機器をつなげてより価値を高めたいと考えていました。ですが、バッテリー消費の大きい周辺機器の接続はスマートフォンに受け入れてもらえません。そこで、低消費電力なBLEに着目しました。腕時計で簡単に着信を伝えられるという便利さもあり、ぜひ一緒にやりましょうという話に発展したんです。

NECカシオ石塚氏 機器連携は端末だけが対応しても、対応機器が増えなくては前に進みません。一番最初に組むことで、Bluetooth v4.0の魅力や広がりをお互いに発信していきたいという共通の思いもありました。

G-SHOCK
昨年冬以降に発売されたMEDIASシリーズが対応。ドコモ『MEDIAS PP』、『MEDIAS LTE』、『MEDIAS ES』、『MEDIAS TAB』、au『MEDIAS BR』、ソフトバンク『MEDIAS CH』の6機種で利用できる。

―MEDIASと組み合わせて、どういった機能を利用できるのでしょうか。

カシオ 奥山氏 スマートフォンの時計と時刻を合わせる“Time Profile”、通話やメールなどの着信通知“Alert Notification Profile”、スマホが見当たらないときに腕時計のボタンを押すと遠隔でアラームを鳴らす“Find Me  Profile”などを搭載しています。これら以外にもアイデアはありましたが、今回はBluetooth v4.0のBLE向け標準プロファイルに沿って開発しました。

―電池寿命が約2年とありますが、実際に持つのですか?

カシオ 奥山氏 1日のBluetoothの接続時間が約12時間と想定した場合の値です。仕組みとしては、自宅などで時計を机に置いて約1時間経つと、Bluetoothを切断します。その後、時計を装着すると再度接続します。これは内蔵のメカスイッチで判断しています。

G-SHOCK
電話などの着信があると、時計のディスプレーに表示。電話帳に登録したフリガナも表示できる。指で時計を2回叩くと通知が止まる。

―標準プロファイルに沿ったとのことですが、さらに細かい設定などは行なえるのでしょうか。

NECカシオ 石塚氏 MEDIAS側の『G-SHOCK App』から、着信通知などのオン、オフはもちろん、通知したい連絡先やメールの指定などの細かい設定が可能です。これらは弊社で考えたうえで、話し合って搭載しました。また、歩数計アプリの目標達成やスケジュールの通知を独自機能として搭載しています。

―想像以上に連携機能の設定が充実していますね。

NECカシオ石塚氏 お互い携帯電話と時計のそれぞれは知っていますが、逆のことやそれぞれのユーザーが求めるものはわかりません。ですので、細かい使い勝手の部分をかなり話し合って開発しました。スマホと違って腕時計にはマナーモードの概念がないので「会議中に時計のボタン音は消せないの?」といった提案から、時計側のボタン音を消すミュート機能を搭載していただくこともありました。

G-SHOCK G-SHOCK
G-SHOCKをイメージしたアプリ『G-SHOCK App』では、連動動作の詳細設定が行なえる。 着信を通知したい連絡先やメールの種類も指定できる。

―MEDIAS以外にiPhone4SなどもBluetooth v4.0に対応していますが、連携機能は利用できないのでしょうか。

カシオ 奥山氏 iPhone4SにもBluetooth v4.0は搭載されていますが、今のところBLE向けの標準プロファイルが積まれていないので連携できません。ですが、Bluetooth v4.0のBLE向け標準プロファイルに対応した機器なら接続できます。先日行なったカシオの新商品発表会の参考展示では、東芝さんのウルトラブックと連動し、PCから離れると操作をロックするというデモも開発していただいています。

―定価1万8900円(編集部調査による実売価格は1万6000円前後)と、新しい通信方式に対応したモデルながらも手ごろな価格帯ですね。

カシオ 奥山氏 カシオとしては、時計としての価値を損なわずに新しい付加価値をプラスしたいと考えています。今回はコスト的にもメドが立ったので商品化に至りました。ただ、世の中に出すのが初めての製品なので、利用機会を失わないよう、できる範囲でリーズナブルに設定しています。GB-6900は自動時計合わせの機能を持っていますが、電池交換は必要です。ですので、高機能なソーラー電波対応モデルより下の、中間的な価格帯に設定しました。

G-SHOCK
『GB-6900』のベースとなる、スタンダードモデル『GW-6900』シリーズ。電波ソーラーモデルは2万円台からとなり、GB-6900の方がやや低価格だ。

―既存のラインナップとほぼ同じ価格帯ですね。女性向けのBaby-Gなど、ほかのブランドモデルで投入する予定はあるのでしょうか。

カシオ 奥山氏 着信通知などのニーズは、スマホをバッグに入れる女性のほうが高い可能性があります。女性向けモデルなどの展開もすでに思い描いています。

―NECカシオは先日のMobile World Congress 2012に合わせて海外展開を発表しました。Bluetooth v4.0対応MEDIASや、対応G-SHOCKの海外展開もの予定はありますか?

カシオ 奥山氏 日本ではMEDIASとつながることで発売できましたが、海外では今のところBluetooth v4.0で実際につながる端末がないので計画はありません。もちろん、海外でつながる端末の報告があればチャンスとして捉えますが(笑)

NECカシオ 黒田氏 Bluetooth v4.0対応MEDIASの海外展開については、まだどの国でどうという話はできません。ですが、ニーズの合致するところであれば展開していきたいです。

G-SHOCK
NECカシオは2月末に、海外展開向けのベースモデルを発表。以前より『G'zOne』を展開している米ベライゾン以外に向けた販売網の拡大が期待されている。

―ソニーモバイルのLiveViewのように、ユーザーが開発したAndroidアプリから、Bluetooth v4.0対応機器を操作できるSDK公開の予定などはないのでしょうか。

NECカシオ 黒田氏 今のところありません。つくっていただけるお客様が出てくるところまで市場が広がれば、ですね。求められるように市場を育てていきたいです。

―今後の展開についてメッセージをお願いします。

NECカシオ 石塚氏 今後はBluetooth v4.0の標準プロファイルで接続できる機器も増えると思います。ですが、MEDIASとG-SHOCKの組み合わせは使い勝手にかなりこだわって開発しましたのでぜひ使っていただきたいです。Bluetooth v4.0対応のMEDIAS発売後からG-SHOCKとの連携について期待の声もいただいていますので、相乗効果でどちらも良い方向へ進めればと思っています。

カシオ 奥山氏 我々もこの技術を立ち上げた一員となっていますし、対応機器の増加に期待しています。さまざまな製品がつながることでお互いの価値が増すよう、この機運をより一層高めていきたいですね。

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