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MWC2012:パナソニックはデザインと防水機能でふたたび世界に挑戦

2012年03月01日 23時54分更新

 ここ数年のMWCでは、日本メーカーの出展はわりと注目されていませんでした。と言うのもグローバル展開していないので、日本での発表済みモデルを展示しているだけだったのです。

 しかし、今年は日本メーカー各社は世界への再進出を目指して、発売予定のグローバルモデルを展示しています。そんなメーカーのひとつ、パナソニックの板倉太朗取締役に、今年のMWCでの手応えや、新端末の魅力について聞いてきました。

スタイリッシュなパナソニックの看板
MWC2012:パナソニックはデザインと防水機能でふたたび世界に挑戦
↑実はこの看板にも同社のグローバル展開のヒミツが……詳しくは本文にて。

---新端末『ELUGA』シリーズを展示して反響はいかがですか?

板倉 おかげさまでブースでも多くの好意的な反響をいただいています。『ELUGA』シリーズは、日本向けに開発したものを海外向けにアレンジしたのではなく、初めからグローバルモデルとして開発したものですので、そのあたりが好印象なのではと思います。

今春投入予定の『ELUGA』
MWC2012:パナソニックはデザインと防水機能でふたたび世界に挑戦
↑当初からグローバル向けとして開発された『ELUGA』。国内モデルはこれを日本仕様にしたもの。

---グローバルモデルを開発した際のポイントは?

板倉 まずはデザインです。今回パナソニックとしては海外進出にあたって、ヨーロッパをターゲットとしています。ヨーロッパはシンプルなデザインを好むんですね。非常にコンサバ(保守的)です。

欧州はシンプルデザインが好き
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↑極力凹凸を減らしたシンプルなデザイン。ゴテゴテしたデザインは欧州では人気がないとのこと。

板倉 たとえば日本の『LUMIX Phone』のような、背面をデジカメに模したようなデザイン。あのようなデザインを海外のキャリアに提案すると「なにそれ?」という反応なんです。そこで『ELUGA』は極力シンプルなデザインというコンセプトで設計しました。

---カラーリングもシンプルですね

板倉 今回はブラックとシルバーの2色を展示しています。もちろんキャリアにプレゼンするときは、ほかの色も用意して選んでもらうわけですが、落ち着いたシックな色を選ばれることが多いですね。今回の出展に関しても、ブースの入り口のデザインはヨーロッパのセンスなんです。日本で展示会をした場合は、黒い背景のデザインというのはまずないですね。

---防水機能というのも人気のようですが?

板倉 海外メーカー端末にも防水モデルというのはありますが、ゴテゴテとしたものが多い。しかし弊社では、これまでに培ってきた防水技術がありますので、通常のフォルムで防水を実現しています。このあたりが注目されているようですね。

防水機能をアピール
MWC2012:パナソニックはデザインと防水機能でふたたび世界に挑戦
↑ブースでは実機を稼働させながら水没させるデモも披露していました。来場者がおそるおそる水に浸けていたのが印象的でした。

---『ELUGA』のリリースは確定しているのですか?

板倉 すでに海外キャリアとの交渉も進んでいまして、どこのキャリアというのは言えないのですが、春にはリリースできる予定です。

---トレンドの5インチモデルも展示されてますね。

板倉 『ELUGA Power』ですね。こちらは夏頃に市場に出せるようにキャリアとの交渉と開発を続けています。ただ5インチと言っても、ELUGA Powerに関しては、狭額フレームを採用しており、非常にコンパクトです。スマートフォンとはなにか? ……を考えたときに、“片手で操作できる”というのが重要だと判断しました。

5インチながらコンパクト
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↑5インチながら狭額フレームを採用しているので横幅は70ミリ。女性でも片手で操作できるサイズを目指したとのこと。

---そのほか『ELUGA』シリーズのセールスポイントは?

板倉 Androidということで、セキュリティーにも力を入れています。これは国内モデルの『P-04D』(ドコモ)にも搭載している機能ですが、メモリー内の一部領域を暗号化してブロックする“パーソナルプロテクト”をグローバルモデルにも搭載予定です。

---パナソニック製品との連携などは?

板倉 それも十分視野に入れています。ビエラシリーズやデジカメなどとの連携は強みだと思っています。ただ残念ながらPCとの連携に関しては『Let'snote』シリーズを海外展開していないので、国内モデルに搭載しているパソコンとの連携機能は省いています。

---ズバリ『ELUGA』シリーズの海外進出は成功しますか?

板倉 今回の出展で端末は非常に好評なのですが、やはり一度海外市場から撤退したという事実が大きなハードルとなっています。キャリアとの交渉でも「売れなかったらまた撤退しちゃうんでしょ?」と切り出されることも多いです。こういったイメージを払拭して本気であることを見せるのが重要だと思います。

---ありがとうございました

MWC2012:パナソニックはデザインと防水機能でふたたび世界に挑戦
↑今回のインタビューを受けていただいた海外戦略担当の板倉太郎氏。このMWC期間中も海外キャリアとの交渉を続けているとのこと。

 ここ最近はケータイだけに限らず、日本メーカーは世界市場で海外メーカーにやられっぱなしです。パナソニックの再参入で盛り返してほしいですね!!

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