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スマホは今年後半から!? 各メーカーのTagra3端末を総点検【塩田紳二氏寄稿】:CES2012

2012年01月13日 18時30分更新

 NVIDIA社のTegra3は、クワッドコアの最新プロセッサー。最初に出荷されるのは、タブレット用のTegra3で、スマートフォン用はおそらく今年後半ぐらいになると思われる。

●NVIDIAブースではASUSのTegra3タブレットを展示

 NVIDIAブースでも展示に使われていたのは、Tegra3の発表時に、搭載製品として紹介していたASUSの『Eee Pad PC Transformet Prime』。映画に出てきそうな名称だが、日本国内でも販売されているTransformerの後継機で、従来モデル同様、合体可能なキーボードという構造を持ちながら、CPUにTegra3を採用している。NVIDIAブースでは、リアリティーのある3D表示のゲームなどを展示しており、デモでは、カメラを高速で動かしたときに生じるブレ(モーションブラー)を再現した表示が行なわれていた。

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↑Tegra3搭載の『Eee Pad Transformer Prime』(写真右)、その隣にあるのが現行機(写真左)。キーボードユニットの色が違う程度で筐体デザインなどはほとんど同じ。
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↑『EEE PC Transformer Prime』のOSはAndroid3.2.1(ハニカム)だった。


●富士通はTegra3搭載防水スマホ!

 ASUSTeKは展示会場にブースをもたないため、Transformerを見るならプライベート展示をしているホテルの部屋に行くか、会場内のNVIDIAブースに行くしかない。ところが、別の富士通ブースでTegra3を搭載したスマートフォンの試作機が展示されていた。

 具体的にTegra3だとは書いてないものの、Tegra3搭載なのだという。アクリルケースの中にあり、直接さわることはできなかったが、スペックに防水などとしてあることから、日本国内向けのスマートフォンとして近々登場しそうだ。

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↑4.6インチ液晶採用のTegra3搭載スマホを展示。OSはAndroid4.0。ARROWSブランドとして登場予定。

 富士通のTegra3試作機は、クロック周波数1.2GHzであると説明パネルにあった。Tegra 3のタブレット向けのモデルは、1.5GHzなので、この試作機にはTegra3のスマートフォン向けのモデルが採用されているのだと思われる。

 富士通の技術者の話によれば、Tegra3でアンドロイドを動作させた場合、かなり高い確率で、消費電力の低いコンパニオンプロセッサーに切り替わるという。たとえば、Gmailでメールを読むような場合は、コンパニオンプロセッサーでの動作になる。このため、ユーザーの体感として、これまで一日中はもたなかったバッテリーが、一日もつようになる可能性があるという。
 GPUの性能もあがっているが、こちらの場合は、「できることが増える」ような感じとのこと。ゲームなどで、これまでできなかった表現を入れても十分表示可能になるらしい。


●エイサーやレノボのTegra3端末

 また、こちらもTegra3搭載と言ったわけではないが、エイサーがプレス向け説明会で「チラ見せ」した『ICONIA TAB A500』の後継になる10インチタブレット端末も、発売のタイミングとクワッドコアCPUであるということから、Tegra3を採用していると思われる。

 ほかにも、レノボが中国で発売している『LePad』にTegra3を搭載した『LePad K2』を出荷予定。レノボもコンベンションセンターに展示ブースをもっておらず、実機を見ることはできなかった。ちなみに「Le」は、中国語の「楽」を意味し、レノボは中国でのみ展開するブランドにこの文字を付けている。仕様も中国国内向けで、米国をはじめとした中国以外の地域向けについては、別製品(少なくとも別名称)でそのうち発表があるのではないかと想定している。

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↑中国国内向けに開発中のTegra3タブレット『LePad K2』。1920×1200ドットの高解像度10.1インチ液晶を搭載。OSはAndoroid4.0を採用。


 スマートフォンではないのだが、米国の電気自動車メーカーTesla社の『MODEL S』にも、計器パネルの制御用にTegra3が採用されている。同社製のクルマには制御用としてTegra2採用の車種もある。

ces2012まとめ

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