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世界初“球形飛行物体”や人間以上の拍手ロボ! 映像で見る『DC EXPO 2011』

2011年10月22日 06時30分更新

 お台場・日本科学未来館で10月20日~10月22日まで開催中の『デジタルコンテンツ EXPO 2011』。最新デジタル技術を駆使したインタラクティブコンテンツ(VRとかARとかコンセプトアートとか)を、仕事前にスッと訪ねてきた私がご紹介しますよ。

 まずは、防衛省技術研究本部 先進技術推進センターから、大興奮必至のデモンストレーション。上下左右、自由自在に動かせる、世界初の“球形飛行物体”です。

DC EXPO2011『防衛省 球形飛行体』デモ

機材協力●マウスコンピューター『MDV-ADS7400S-WS

 約42センチ、質量約350g、最大速度は推測で約60キロ。動画を観るとわかるように、安定したホバリングだけでなく、素早い水平飛行、壁にくっつくといった動きも。地面を転がりながら着地して、体勢をととのえながら自力で飛び立つさまに激萌えでございます。

  次は人と同じような音で拍手ができるロボットハンド『音手(おんず)』(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科)。

DC EXPO2011『音手』デモ

機材協力●マウスコンピューター『MDV-ADS7400S-WS

 動画には撮れませんでしたがメロディーにあわせて手拍子もしておられまして、超軟質ウレタン樹脂でつくられたという手は、弟子入りしたくなるほど美しい音で「パンッ」と鳴り響いておりました。それに比べて人間ども(報道関係者)の拍手音のぺちぺち具合は猛反省すべきところであり、ひとりずつ音手先生に強烈な両手ビンタをお見舞いされたほうがよろしいと思いました(自分も含む)。

  こちらは3D映像を見ながら五感を刺激し、よりリアルな疑似体験ができる『超臨場身体感覚』(首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 池井研究室)。

DCEXPO2011

 椅子の傾きや、背中、ももの裏、腕、胸の合計12ヵ所のバイブレーション、前後左右に動く足下の床の動きを組み合わせて、階段を上ったり電車に乗ったりといった感覚を生み出すVR装置。そのほか、場所によってはスクリーン下にあるサーキュレーターから吹く強弱の風、それにともなう花などの香り、ときには軽い水しぶきといったかたちで、さまざまな感覚を刺激する超臨場身体感覚コックピットであります。家から出なくても出かけられる時代の到来ですね。

DCEXPO2011

 小学生から楽しめま~す(宮野編集長は体重制限にひっかかります)。

 同大学のIDEEA Lab.がデモしていた『PocoPoco/フレクトリックドラムス』。

DC EXPO2011『PocoPocoフレクトリックドラムス』デモ

機材協力●マウスコンピューター『MDV-ADS7400S-WS

 ステップシーケンサー型の電子楽器で、16個のボタン(音)で構成され、指定した音のボタンが飛び出したり、つまんで音を変化させたりといった楽しみ方ができるもの。動きがあるぶん見ていて楽しいです。これを3台つなげて3人で演奏するデモの際はちょっとしたパーティータイムでありました。

 こちらはゲームコントローラーの左右に埋め込まれた冷温デバイスで熱を感知し、ゲーム内地面に埋め込まれた爆弾を手の感覚で探し出すという『Thermo game』(首都大学東京 串山・馬場研究室)。

DCEXPO2011
DCEXPO2011

 画面の人を左右に動かし、最も熱い地面の上で待機すると、地面が爆発し、その勢いに乗って空中に浮かんでいるポイントをゲットするというもの。CPUの冷却や卓上冷蔵庫なんかに使われているペルチェ素子を使っているそうで、これ、想像以上のスピードで冷たさと温かさ(とはいえ、持てる熱さ)が移動するので、感覚を刺激する新しい遊びとして発売したら子供が喜びそうです。

DCEXPO2011
DCEXPO2011

 同じ冷温デバイスでつくられたソファーも展示されていました。リモコンひとつでお尻がひゃっこくなったり激熱になったりします。

 Burton Inc.の『True 3D』はレーザープラズマ放出現象を利用して3次元物体を空間中に描画するという世界初のディスプレーを展示。

DC EXPO2011『True 3D』デモ

機材協力●マウスコンピューター『MDV-ADS7400S-WS

 仕組みとしては、 焦点位置をx、y、z軸で3D制御することによって、空気中にドットアレイを構成して描いているそう。今回は見やすいよう液体の中に映し出していましたが、空気中に3Dイメージを投影することも可能だそう。もちろん、ノーメガネであります。

 ひときわクールでしたのは『VITA:Visualization system for Interaction with Transmitted Audio signals』(東京大学 廣瀬・谷川研究室)。

DC EXPO2011『VITA:Visualization system for Interaction with Transmitted Audio signals』デモ

機材協力●マウスコンピューター『MDV-ADS7400S-WS

“音で電力を無線供給する技術を用いて、音の経路を空間中に可視化”したもの。空中に無数に配置した可視化素子に、特殊なスピーカーで音をビーム状に出力、そこから電力を受けて光るという作品。

 自分が撮影した動画ではうまく撮れなかったので、気になる方はぜひ、たいへんビューティフルな公式動画をチェックしてみてください(『VITA:Visualization system for Interaction with Transmitted Audio signals(関連サイト)』←ただしこちらは無線方式ではありません)。

 今回、会場でキネクトを活用した作品を見かけることが多かったので、いくつかご紹介しておきます。

 『PRIMA: 複数Kinectを用いた異時間インタラクションシステム』(東京大学 廣瀬・谷川研究室)は、キネクト4台を使ってオブジェクト(人)を認識させ、サーバーで同期させることで、異なる空間の人と同じ空間上ですれ違ったりコミュニケーションをとるような感覚を得ることができるシステムを展示していました。

DCEXPO2011

 異なった時間軸で出会えるので、過去時間のアイツと過ごしたり、過去の自分と戦ったりということもできるわけですね。

 次は感触VR『ペタンコ麺棒』(慶應義塾大学環境情報学部 筧康明研究室)。キネクトセンサーで認識したオブジェクトの凹凸データを読み取り、映し出された物体の映像の上で、ペタンコ棒なるものをゴロゴロ転がすと、中に埋め込まれたセンサーが凹凸の位置を再現して手応えを感じさせるというもの。今年10月の第19回 国際学生対抗バーチャルリアリティコンテストで総合優勝した作品。

DCEXPO2011

 靴でもやかんでも、割とどんなものでもスキャンできますよというので、デジカメをつぶそうかしらと思ったんですが、開発チームの中垣拳さんを取り込んでみました。

DCEXPO2011

 スキャンした映像はテーブルに映し出されます。

DCEXPO2011

 おもむろに麺棒でゴロゴロしてみましたら、粘土をひきのばすような抵抗感とボコボコした不思議な感触がっ!! アゴのところを重点的に転がすとアゴがのびのび。斜めにゴロゴロするとまた凹凸の位置が変わるなど、なかなかこれは楽しいです。

DCEXPO2011

 裏側にはローラーが5セット。それぞれ映像位置と連携して動きの幅の大小や抵抗感が変化するそうです。引き延ばした写真はプリントアウトしてプレゼントしてくれるサービス付き。ちびっこはお父さんをゴロゴロして細身にしてあげるといいと思います。

  こちらはキネクトセンサーで自分自身をスキャンし、体のラインぴったりにTシャツを仮想試着できる、チームラボミラーのAR試着システム。

DC EXPO2011『チームラボミラー』デモ

機材協力●マウスコンピューター『MDV-ADS7400S-WS

 スマホをリモコン化して次々着替えさせることができますし、気に入ったTシャツはスマホから即座に注文できます。日本ではまだZoffのメガネ試着くらいしかないですものねー。早く実用化してほしいものです。

 日本マイクロソフトブースでは、タイミングが悪くて出展者の方に出会えなかったのですが、キネクトセンサーの前に立って自分をスキャンすると、画面内の3D初音ミクさんと同期して、自分とミクさんの動きがシンクロするというVocaloid Promotion Video Projectの『MikuMikuDance』実演も。

DCEXPO2011

 そのほかパナソニックブースでは、今年7月にアトランティスで宇宙に旅立った3Dカメラ『AG-3DA1』(実売価格200万円前後)が、国際宇宙ステーション内部で撮影した3D映像を視聴できます。

DCEXPO2011

 ソニーPCLは280型の巨大『3D-LEDディスプレー』を展示。

DCEXPO2011

 『3D-LEDディスプレー』は、外光が降り注ぐ明るい場所でも、非常に高精細な3D映像が楽しめるので、何回見ても感動しますね。円偏光方式のメガネは紙製だから軽くてよろしいですし。

 以上、ダラダラと紹介してしまいましたが、実際に体験できる作品がとても多いので、気になる人は本日、遊びに行ってみてはいかがでしょうか。入場は無料です!

 アスキー総合研究所の遠藤所長も、10月22日(土)13:30~14:50のシンポジウム“「ソーシャルコンテンツ」大爆発”に登場予定。

 Android関連技術の企画、開発に関わる女性のコミュニティー『Android女子部』もブースを構えており、今回のデジタルコンテンツエキスポ2011用に開発したという公式案内アプリ『DCEXPO』を無料公開中。非常に見やすいため、行く前にダウンロード必須です。
 

DCEXPO2011

 明るく快活でビューティフルな女子部の人たち。(ちなみにAndroid女子部の部長は、みんな大好きIME『Simeji』の共同開発者さんなのでした)。

■ダウンロードはコチラから■
DCEXPO2011

●関連サイト
デジタルコンテンツエキスポ

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