2011年10月06日22時00分

米長会長vs.コンピューター将棋がキター! 来年1月14日に特別対局決定、ニコ生中継も!

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  「コンピューター将棋はプロ棋士レベルまできている」と言われているが果たして……。
 今回で3回目となる棋士との対決は、日本将棋連盟の会長である米長邦雄永世棋聖が、今年5月の『第21回世界コンピュータ将棋選手権』で優勝した『ボンクラーズ』(開発者・伊藤英紀氏)と対局することが決まった。対局名は米長会長が命名した『電王戦』。対局日時は、2012年1月14日(土)10:00開始予定で持ち時間は各3時間、1時間程度の休憩あり。この模様は、ニコ生で中継される。
 対局場所は東京・将棋会館にある特別対局室だが、大盤解説の会場はまだ未定だ。解説は渡辺明竜王、聞き手は女流棋士を予定している。
 対コンピューターとの過去の戦績は、最初の対決が2007年3月に行なわれた、渡辺明竜王vsBonanza。このときは、後手の渡辺竜王が112手までで勝利。2回目は、昨年10月に行なわれた、清水市代女流王将vsあから2010で後手のあから2010が86手までで勝利している。 

ニコ生で中継が決定
米長会長vsコンピューター
左からボンクラーズ開発者の伊藤氏、米長永世棋聖、中継を担うドワンゴ会長川上氏、米長会長がコンピューターとの対局のきっかけをつくった中央公論新社代表取締役社長小林氏。

●米長会長の話
 コンピューター将棋は近年がめざましい進歩を遂げ、プロ棋士レベルに達するのではないかと言われている。日本将棋連盟としてこれまで2度コンピューターと対戦しているが、最初はタイトル保持者の代表として渡辺竜王が対戦しプロが勝ち、次は女流のナンバー1との対戦でコンピューターが勝っている。今回はなぜ私かというと、引退者の中から選ばれたということ。私は今年で68歳になり引退して8年となるので衰えてきているが、この100日間のうちに、どこまで取り戻せるかがんばってみたい。大先輩である坂田三吉氏が引退同様の境遇でありながら66~69歳の3年間対局したのと同様、68歳である私が最新コンピューターソフトと対戦して勝てるのか私自身が楽しみ。また70歳近い私ががんばっている姿を見ていただいて、みなさんにも希望をもってもらいたい。

毎日4時間は勉強したい
米長会長vsコンピューター
米長邦雄永世棋聖は、2003年に現役を引退。8年間のブランクをいかに埋められるかが勝敗のキーポイントとなる。

●伊藤英紀氏の話
 将棋対局ソフトの開発をしてきて、プロ棋士に勝つという目標に掲げてきましたが、今回実現できてとても光栄です。米長永世棋聖は元名人経験者でもあり、どこまで戦えるのか。とても手強いと予想してますが、あと100日あるのでソフトを日々改良し、より強くして勝てる確率を高くしたいです。恥ずかしくない戦いをしたいと思ってます。

さらにブラシュアップしていきます
米長会長vsコンピューター
1秒間に400万盤面以上処理するボンクラーズ。開発者・伊藤氏は、当時よりさらにブラシュアップして戦いに望むと抱負を語った。

●渡辺明竜王の話(今回の解説を担当・ビデオメッセージ)
 今回はボンクラーズとの戦いですが、コンピューターも進化してますので、もうプロ棋士の底辺まで来ているのかなという印象かと思います。一方、米長先生はもう一流中の一流ですので説明は不要ですが、2003年に引退され8年のブランクがありますので、多分練習されると思いますがそのブランクをどのくらい埋められるかが焦点だと思います。私も4年前にコンピューターと対戦しましたが、大戦前にかなり練習をしましたけれど、対局当日に対戦したコンピューターがかなり性能が上がっていて、同じソフトでも強さとしては別段階のものと対戦していると感じました。強さを把握していなかったので苦戦しましたが、奨励会初段レベルはあったと思います。あれから4年もたちますので、奨励会2段、3段、そしてプロレベルにまで上がっているのではないかと感じてます。今回の戦いで、コンピューターの実力がどの程度かひとつの目安になるかと思います。対局当日は解説を担当しますので、皆さんと戦いの行方を見守りたいです。

渡辺竜王が今回の対局にコメント
米長会長vsコンピューター
初めてプロ棋士がコンピューターと戦った渡辺竜王は、今回の対局の見どころについてビデオコメントを寄せた。

 先手を決める振り駒は記者発表の会場で行なわれ、ドワンゴ会長の川上氏が振り、歩が二枚出たので先手はボンクラーズに決定。先手となった伊藤氏は「先手・後手はあまり関係なくランダムに手を決めていくのだが、今回は事前にわかったので攻め手を考えられたら考えたい。ただ奇抜な手でコンピューター的な戦いをするのではなく、がっぷり四つに組むような戦いができるようにしたい」。いっぽう、米長会長は「人間的には先手番がよかったなぁと言うのが本音。このあとは、ボンクラーズは先手番ということでいろいろ考えて混乱してください(笑)。ただボンクラーズは市販ソフトではないため、何が得意でどんな特徴があるかまったくわからないので、雲をつかむような状態ですが、与えられた条件でがんばっていきたい」と語った。

先手はボンクラーズ
米長会長vsコンピューター
ドワンゴ会長川上氏の振り駒により、先手はボンクラーズに決定。これに対し米長会長は「先手盤がよかった」。

 ちなみに、米長会長は会長の仕事はある程度やりつつ、1日に4時間ほどは練習したいとのこと。逆に言うと1日4時間はできるように、人を動かせないといけないと語っていた。加齢に加え8年間のブランクはかなり辛いだろう。現時点では、対コンピューターとの戦いで、10秒早指しで約2割、30秒指しで約3割程度の勝利と打ち明けた。また、米長会長は「連盟としてコンピューター将棋の研究・開発をこれまで応援してきており、毎年このようなコンピューターとの対局をやっていきたい。将棋には必勝法というものがあるのか、それがあるとすればコンピューターが先に見いだすのか、それとも人間が見いだすのか。勝ち負けということではなく、共存・共栄できればいいと思う」とのことで、いろいろと障壁はあると思うが、プロ棋士とコンピューターとの戦いが、今後毎年見られるかもしれない。

この対局名は「電王戦」
米長会長vsコンピューター
米長会長(右)と伊藤氏。米長会長はこの対局を「電王戦」と名付けた。

 対局当日、コンピューターの手を指す人物が必要なのだが、盤の前に座る人物は米長会長がだいたい決めているという。盤の前に座る人物には条件があり、それは自分自身が100パーセント力を発揮させてくれること。将棋が強く、いらいらしない人で、かつ対局者として真剣に考えてくれるまじめなプロ、だそうだ。はたして誰が盤の前に座るのか、こちらも興味深い。

来年1月14日へ向けて勝負!
米長会長vsコンピューター
ニコ生中継では渡辺竜王の解説が聴ける。果たしてどのような結果になるのか? あと100日が待ち遠しい。

 年々強くなっているコンピューター将棋だが、将棋ファンとしてはやはり人間に勝ってもらいたい。対局当日のニコ生中継を見逃すな!!

■米長邦雄氏
公益社団法人日本将棋連盟会長(2005年~)、永世棋聖。タイトル獲得数19期は歴代5位、1884年度に四冠を達成した。49歳11ヵ月での名人位獲得は最年長記録。2003年に現役引退し、通算成績は1103勝800敗1持将棋。

■ボンクラーズ
富士通セミコンダクターの伊藤英紀氏が開発した将棋ソフト。Bonanzaをベースにクラスター接続して並列処理させるシステム。第21回コンピューター将棋選手権で初優勝。そのときは3台のPC構成で戦っている。

●関連サイト
公益社団法人日本将棋連盟
伊藤英紀氏のブログ『A級リーグ指し手1号』
ニコニコ生放送
記者会見の模様
 

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